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添付文書から腎排泄型・肝代謝型を見分ける方法

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薬は「腎排泄型の薬」と「肝代謝型の薬」の2種類に分類できる。

以前の記事では、「分配係数から腎排泄型・肝代謝型を見分ける方法」を解説した。

>>> 分配係数から薬の代謝・排泄経路を判別する方法

 

しかし分配係数は、全ての薬の添付文書に分配係数が記載されている訳ではない。

そこでこの記事では、分配係数とは違うアプローチで、「添付文書から腎排泄型・肝代謝型を見分ける方法」をまとめた。

 

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腎排泄型・肝代謝型を見分ける方法には

では、どうやって添付文書から「腎排泄型か・肝代謝型か」を判断するのか?

答えは簡単で、添付文書の「未変化体の尿中排泄率」の項目を確認すれば良い。

 

薬物動態の項目には、「未変化体の尿中排泄率」が記載されている。

未変化体の尿中排泄率をチェックすれば、「腎排泄型か・肝代謝型か」を判断することが可能だ。

 

【Point!】

未変化体の尿中排泄率をチェックしよう

 

未変化体とは?

未変化体とは、いったい何か。

薬には、主に2種類ある。

 

それが「肝臓で代謝を受ける薬」と「肝臓で代謝を受けない薬」だ。

後者の「肝臓で代謝を受けない薬」を難しく言い換えているのが「未変化体」である。

 

代謝を受けないので、薬は変化しない。

そのため「未変化体」と表現しているのだ。

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具体的な判別方法

では具体的な判別方法を見ていこう。

この記事では、2つの薬を例に挙げて説明する。

 

▼ガスター(成分名:ファモチジン)

1つ目の例は、腎排泄型の「ガスター(成分名:ファモチジン)」だ。

ガスター(成分名:ファモチジン)の添付文書を見てみよう。

薬物動態の排泄の項目をチェックすると、以下のように書いてある。

 

投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は、経口投与で21.0~49.0%、筋肉内投与で71.0~89.6%、静脈内投与で57.8~96.4%である。

 

 

添付文書を読むと、「経口投与投与は21.0~49.0%」と書いてあり、意外と尿中排泄の割合が少ないように思える。

 

しかし静脈内投与の尿中排泄率の割合は、全く異なる。

静脈内投与では、57.8~96.4%が尿中から排泄されるのだ。

 

これがどういう意味かというと、ガスター(成分名:ファモチジン)は吸収されれば、腎臓から排泄される割合が増えるということである。

 

だいたいの目安として、60〜70%くらいが未変化体のまま排泄されるなら、腎排泄と判断して問題ない。

つまり未変化体のまま排泄される割合が静脈内投与で57.8~96.4%のガスター(成分名:ファモチジン)は、腎排泄型の薬であると判断できる。

 

▼トラゼンタ(成分名:リナグリプチン)

2つ目の例が、肝代謝型の「トラゼンタ(成分名:リナグリプチン)」だ。

トラゼンタ(成分名:リナグリプチン)の薬物動態の項目をチェックすると、以下のように書いてある。

 

日本人健康成人(6例)に本剤5mgを単回経口投与したときの投与24時間後までの尿中未変化体排泄率は約0.6%であった。

 

トラゼンタ(成分名:リナグリプチン)の尿中未変化体排泄率は、たったの0.6%である。

つまりトラゼンタ(成分名:リナグリプチン)は、腎排泄型の薬ではないということだ。

このことからトラゼンタ(成分名:リナグリプチン)は、肝代謝型の薬と判断できる。

 

また肝代謝型の薬は、添付文書の「使用上の注意」や「相互作用」の項目に肝代謝型の薬剤であるか判断するためのヒントが書かれていることが多い。

 

例えば「CYP3A4で代謝される薬である」や「肝機能が低下している患者に投与すると血中濃度が上昇する」などの記載があれば、肝代謝型の薬である可能性が高い。

 

まとめ

高齢の患者の場合、特に肝代謝型か腎排泄型かを区別するのは非常に重要だ。

なぜなら、加齢とともに肝機能・腎機能が低下し、副作用の発現率が上がるためである。

腎機能や肝機能に応じて、薬の投与量も調節する必要があるのだ。

 

未変化体の尿中排泄率を見れば、「肝代謝型の薬剤」か「腎排泄型の薬剤なのか」を大まかに区別することが可能になる。

60〜70%くらいが未変化体のまま排泄されるなら、腎排泄と判断して問題ない。

覚えておくと非常に便利なので、ぜひ活用してほしい。


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