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週刊 薬剤師日記

PHARMACY

【薬剤師が解説】病院で処方される睡眠薬の種類と特徴

更新日:

 

病院で処方される睡眠薬の薬には、さまざまな種類がある。

 

【主な睡眠薬】

  • ベンゾジアゼピン系薬
  • 非ベンゾジアゼピン系薬
  • メラトニン受容体作動薬
  • オレキシン受容体拮抗薬

 

そこでこの記事では、主な睡眠薬の種類や特徴についてまとめてみた。

 

では本題へ。

 

 

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ベンゾジアゼピン系薬

 

ベンゾジアゼピン系の特徴

脳の働きを抑制する物質にGABAがある。

 

GABAが脳の興奮を抑えることにより、眠気が出てくるのだ。

 

つまり、GABAの作用を強めれば、不眠の症状が改善されることが分かる。

 

このような考えをもとに開発されたのが、ベンゾジアゼピン系薬だ。

 

ベンゾジアゼピン系薬は、ベンゾジアゼピン受容体と結びつくことにより、催眠作用を発揮する。

 

具体的には、ベンゾジアゼピン系薬がベンゾジアゼピン受容体と結合すると、GABAの作用が増強される。

 

その結果、脳の活動が抑制され、入眠障害(寝つきの悪さ)や中途覚醒(夜間に目がさめる)といった症状が改善されるのだ。

 

ポイント

ベンゾジアゼピン受容体に作用して、催眠作用を発揮する

 

ベンゾジアゼピン系薬の種類

ベンゾジアゼピン系薬は、「超短時間作用型」、「短時間作用型」、「中間型」、「長時間作用型」の4つに分類できる。

 

超短時間作用型の種類

ハルシオン(成分名:トリアゾラム)の特徴

  • 寝つきの悪さ(入眠障害)を改善する薬
  • 10分〜15分程度で効果が発現する
  • 作用時間は6時間以内
  • グレープフルーツジュースと一緒に飲むと薬の血中濃度が上がり、副作用が現れやすくなる

 

短時間作用型の種類

ロラメット・エバミール(成分名:ロルメタゼパム)の特徴

  • 寝つきの悪さ(入眠障害)を改善する薬
  • 15分〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は12時間以内
  • 速やかに排泄されるため、高齢者向けの薬(グルクロン酸抱合で排泄される)

 

リスミー(成分名:リルマザホン)の特徴

  • 寝つきの悪さ(入眠障害)を改善する薬
  • 30分〜60分程度で効果が発現する
  • 作用時間は12時間以内

 

レンドルミン(成分名:ブロチゾラム)の特徴

  • 寝つきの悪さ(入眠障害)を改善する薬
  • 15分〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は12時間以内
  • 普通の錠剤タイプと口の中で溶ける口腔内崩壊錠(D錠)が販売されている

 

中間型の種類

サイレース・ロヒプノール(成分名:フルニトラゼパム)の特徴

  • 夜間に目が覚めてしまう症状を改善する薬
  • 30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は24時間以内
  • 作用時間が長いので翌日まで眠気が残ることがある
  • 錠剤タイプに加え、注射剤タイプも販売されている

 

ユーロジン(成分名:エスタゾラム)の特徴

  • 夜間に目が覚めてしまう症状を改善する薬
  • 15〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は24時間以内
  • 作用時間が長いので翌日まで眠気が残ることがある
  • 急性隅角緑内障患者に対して使える唯一のベンゾジアゼピン系薬

 

ベンザリン・ネルボン(成分名:ニトラゼパム)の特徴

  • 夜間に目が覚めてしまう症状を改善する薬
  • 15〜45分程度で効果が発現する
  • 作用時間は24時間以内
  • 作用時間が長いので翌日まで眠気が残ることがある

 

エリミン(成分名:ニメタゼパム)の特徴

  • 夜間に目が覚めてしまう症状を改善する薬
  • 15〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は24時間以内
  • 作用時間が長いので翌日まで眠気が残ることがある
  • 2015年に販売中止
  • 赤玉と呼ばれ、薬物乱用や不正取引などが問題となっていた

 

長時間作用型の種類

ドラール(成分名:クアゼパム)の特徴

  • 夜間に目が覚めてしまう症状を改善する薬
  • 15〜60分程度で効果が発現する
  • 作用時間は30時間以内
  • 作用時間が長いので翌日まで眠気が残りやすい
  • 胃に食べ物が残っていると、血中濃度が上がりやすくなるため、空腹時に服用する必要がある

 

ベンゾジアゼピン系薬の主な副作用

  • 眠気
  • ふらつき
  • 頭痛
  • 体のだるさ
  • ふらつき
  • 転倒

 

 

非ベンゾジアゼピン系薬

 

非ベンゾジアゼピン系薬の特徴

脳の働きを抑制する物質にGABAがある。

 

GABAが脳の興奮を抑えることにより、眠気が出てくるのだ。

 

つまり、GABAの作用を強めれば、不眠の症状が改善されることが分かる。

 

このような考えをもとに開発されたのが、非ベンゾジアゼピン系薬だ。

 

非ベンゾジアゼピン系薬は、ベンゾジアゼピン受容体と結びつくことにより、催眠作用を発揮する。

 

具体的には、非ベンゾジアゼピン系薬がベンゾジアゼピン受容体と結合すると、GABAの作用が増強される。

 

その結果、脳の活動が抑制され、入眠障害(寝つきの悪さ)や中途覚醒(夜間に目がさめる)といった症状が改善されるのだ。

 

ポイント

ベンゾジアゼピン受容体に作用して、催眠作用を発揮する

 

ベンゾジアゼピン系薬と非ベンゾジアゼピン系薬の違い

ベンゾジアゼピン系薬と非ベンゾジアゼピン系薬の違いは、大きく分けて2つある。

 

【主な違い】

  • 薬の化学構造の違い
  • 受容体の選択性の違い

 

薬の化学構造の違い

両者は薬の構造に違いがある。

 

ベンゾジアゼピン系薬は、ベンゾジアゼピン骨格と呼ばれる構造を持つが、非ベンゾジアゼピン系はベンゾジアゼピン骨格を持たない。

 

【ベンゾジアゼピン骨格】

画像出典:Wikipedia

 

受容体選択性の違い

実はベンゾジアゼピン受容体には、ω1受容体とω2受容体がある。

 

これらの受容体は作用が違う。

 

ω1受容体は催眠作用に関与し、ω2受容体には筋弛緩作用があると考えられている。

 

【ω1受容体とω2受容体の違い】

ω1受容体:催眠作用

ω2受容体:筋弛緩作用

 

ベンゾジアゼピン系薬は、ω1受容体とω2受容体どちらにも作用する。

 

一方、非ベンゾジアゼピン系は、ω1受容体へ選択的に作用するため筋弛緩作用が弱い

 

そのため、ふらつきや転倒などの副作用が、ベンゾジアゼピン系薬よりも少ない。

 

非ベンゾジアゼピン系薬の種類

マイスリー(成分名:ゾルピデム)の特徴

  • 15〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は6時間以内

 

アモバン(成分名:ゾピクロン)の特徴

  • 15〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は6時間以内
  • 服用後や翌朝、口の中に苦味を感じることがある

 

ルネスタ(成分名:エスゾピクロン)の特徴

  • 15〜30分程度で効果が発現する
  • 作用時間は6時間以内
  • アモバンを改良した薬で、苦味が出にくくい
  • 食後にすぐに服用すると、効果が弱まる(血中濃度が低下するため)

 

非ベンゾジアゼピン系薬の主な副作用

  • 眠気
  • ふらつき
  • 頭痛
  • 体がだるい

 

 

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メラトニン受容体作動薬

 

メラトニン受容体作動薬の特徴

人間の体内時計には、メラトニンというホルモンが関わっている。

 

メラトニンの特徴は、日中に太陽の光を浴びると減少し、夜になると増えるということだ。

 

具体的にいうと、メラトニンが減ると体内時計が昼と認識し、メラトニンが増えると体内時計が夜と認識して眠気を誘う

 

このような考えを元に開発されたのが、メラトニン受容体拮抗薬である。

 

メラトニン受容体拮抗薬は、メラトニン受容体を刺激することにより、体内時計を夜に調節させる。

 

その結果、自然な眠りを促してくれるのだ。

 

ポイント

メラトニン受容体を刺激して、自然な眠りを促す

 

メラトニン受容体作動薬の種類

ロゼレム(成分名:ラメルテオン)の特徴

  • 体内時計を調節し、自然な眠気を促す
  • 時差ボケを治す目的で使われることがある

 

メラトニン受容体作動薬の主な副作用

  • 眠気
  • 頭痛
  • めまい

 

 

オレキシン受容体拮抗薬

 

オレキシン受容体拮抗薬の特徴

脳を覚醒させる物質にオレキシンがある。

 

オレキシンは脳の活動に関わる物質で、脳の働きを活性化させ、眠りにくくしてしまう。

 

つまり、オレキシンの働きが弱まれば、脳の活動が活性化されなくなるので、眠りやすくなるということだ。

 

このような考えにより開発されたのが、オレキシン受容体拮抗薬だ。

 

つまり、オレキシン受容体拮抗薬は、オレキシンの働きを弱めることにより、寝つきを良くするのである。

 

ポイント

脳を覚醒させるオレキシンの働きを弱めて、眠気を誘う

 

オレキシン受容体拮抗薬の種類

ベルソムラ(成分名:スボレキサント)の特徴

  • 入眠障害(寝つきの悪さ)と中途覚醒(夜間に目がさめる)の両方に効果がある
  • 従来の薬よりも脳の情報処理能力への影響が少ない
  • 食後すぐに服用すると、効果の発現が遅くなる

 

オレキシン受容体拮抗薬の主な副作用

  • 眠気
  • 頭痛
  • 疲れやすい

 

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