副作用

薬剤性光線過敏症が起こる理由とは?-薬の構造式をチェックしよう-

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薬の体表的な副作用に「光線過敏症」がある。

光線過敏症は決して珍しいものではなく、比較的起こりやすい副作用の1つだ。

 

そこでこの記事では、「薬剤性光線過敏症がどのように引き起こされるのか」についてまとめた。

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薬剤性光線過敏症とは?

薬剤性光線過敏症は、名前の通り、薬を使用することによって引き起こされる光線過敏症だ。

主な症状としては「皮膚のかゆみ・赤み」、「発疹」、「水ぶくれ」などがある。

 

【薬剤性光線過敏症の主な症状】

◆皮膚のかゆみ・赤み

◆発疹

◆水ぶくれ

 

光線過敏症の副作用をもつ代表的な薬がモーラステープ(成分名:ケトプロフェン)だ。

モーラステープを貼った部位に、日光が当たることにより、光線過敏症が引き起こされることがある。

 

そのためモーラステープを使用している時は、日光が患部に当たらないように、衣服やサポーターで患部を隠すなどの対応をしなければならない。

 

薬剤性光線過敏症が現れる理由

では、なぜ薬剤性光線過敏症が現れるのか。

理由としては「免疫反応が起こるため」と考えられている。

 

ざっくり説明すると、まず薬の有効成分が生体のタンパク質と結合する。

そして、その結合した物質を体の免疫機構が異物と判断し、攻撃してしまうのだ。

 

モーラステープ(成分名:ケトプロフェン)を例に挙げて説明すると、まず紫外線が有効成分であるケトプロフェンに作用する。

そうすると、モーラステープを貼った部位のタンパク質とケトプロフェンが結合しやすくなる。

 

そして、この結合した物質を免疫機構が異物と認識し、攻撃を加える。

その結果、光線過敏症の症状が引き起こされるのだ。

 

【光線過敏症の発症機序】

1:日光が患部に当たる

2:薬の有効成分と生体のタンパク質が結合

3:免疫が結合した物質を攻撃

4:光線過敏症を発症

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薬の構造式から光線過敏症の発症を予測できる

「薬剤性光線過敏症」は、薬の構造式から発症を予測することができる。

チェックするべきポイントは「カルボニル基(>C=O)」「共役構造(きょうやくこうぞう)」を持っているかどうかだ。

*共役構造:単結合と二重結合が交互につらなっている構造

 

先ほども例に出したモーラステープ(成分名:ケトプロフェン)の構造式を確認してみよう。

赤丸で囲ってある箇所を見ると、カルボニル基と共役構造を持っているのが分かる。

 

ケトプロフェン構造式

 

このような構造式を持っている場合は要注意で、光線過敏症が起こりやすい。

 

カルボニル基+共役構造が光線過敏症を引き起こす理由

では、なぜカルボニル基と共役構造を持つ薬が「光線過敏症」を引き起こしやすいのか。

これはカルボニル基に存在する電子が大きく関与している。

 

通常、カルボル基に存在する電子は安定した状態だ。

しかし日光が当たることにより、安定していた電子が飛ばされてしまうことがある。

こうして電子が飛ばされてしまうと、不安定な状態になり、反応性が非常に高くなるのだ。

 

共役反応

 

通常であれば不安定な状態になったとしても、すぐに元の安定な状態に戻るため、特に問題とはならない。

しかし、カルボニル基と共役構造が同時に存在する場合は話が変わってくる。

 

カルボニル基と共役構造が組み合わさることにより、不安定な状態が持続し反応性が高いままになってしまうのだ。

このように反応性が高いままだと、薬の有効成分が生体のタンパク質と結合しやすくなる。

 

そうすると、免疫機構に異物と認識されてしまい、攻撃されてしまう。

その結果、光線過敏症が誘発されるのだ。

 

あなたの周りにもその場にいるだけで、色んな人を傷つけている人はいないだろうか。

そういった輪を乱す人は、たいてい非難を受けることになる。

光線過敏症とは、そんなイメージに近い。

 

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光線過敏症が起こる薬の代表例

光線過敏症を引き起こす最も有名な薬は、先ほども例に挙げたモーラステープ(成分名:ケトプロフェン)だろう。

しかし、この他にもたくさん光線過敏症を引き起こす薬は存在する。

 

例えば脂質異常症治療薬であるリピディル・トライコア錠(成分名:フェノフィブラート)も光線過敏症の副作用を持つ体表的な薬だ。

構造式を見ると、カルボニル基と共役構造を持つことが分かる。

 

リピディル

 

また利尿薬であるラシックス錠(成分名:フロセミド)も、光線過敏症を引き起こす薬として知られている。

フロセミド

 

このようにカルボニル基と共役構造をチェックすると、「光線過敏症を引き起こしやすい薬なのか」が視覚的に分かりやすい。

構造式をチェックするだけで光線過敏症を予測できるので、カルボニル基と共役構造がないか探してみるのも面白いかもしれない。

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