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今さら聞けない粉薬・シロップ剤の力価計算-簡単に計算する方法-

更新日:

 

粉薬・液剤の調剤をする時に、超えなければならないハードルがある。

それが「力価計算」だ。

 

パソコンが自動で計算してくれることも多くなったので、計算する機会は徐々に少なくなってきている。

しかし、「古いパソコンを使っているから、いまだに手計算している。。」という人も多いと思う。

 

そこでこの記事では「力価を簡単に計算する方法」についてまとめた。

意外と薬剤師であっても「力価計算が苦手」という人は多いので、復習の意味で参考にしてほしい。

 

早く計算したいという場合は、力価計算機を作ったのでこちらからどうぞ。

>> 力価計算アプリ『かんたん力価計算』と『成分量チェッカー』を作りました

 

 

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そもそも力価計算とは?

 

力価計算とは、簡単に言ってしまえば薬の量を計算することだ。

 

しかし定義は少し曖昧で、ややこしいことに力価計算は大きく分けて2種類ある。

それが「成分量から製剤量を計算する力価計算」と「製剤量から成分量を計算する力価計算」である。

 

【力価計算】

  • 成分量→製剤量
  • 製剤量→成分量

 

まず言葉の定義を確認しよう。

 

製剤量とは実際に飲む薬の量と考えてもらえれば良い。

1回1gの薬を飲む場合、製剤量とは1gのことを指す。

 

一方、成分量とは薬の有効成分の量だ。

ざっくり説明すると、薬は有効成分と添加物で構成されている。

 

例えば、実際に飲む薬の量(製剤量)は1gだけど、200mgが有効成分で残りの800gは添加物といった具合だ。

この時、200mgが成分量にあたる。

 

ポイント

製剤量:実際に飲む薬の量

成分量:薬に含まれる有効成分の量

 

成分量→製剤量の力価計算とは?

成分量→製剤量を計算する力価計算では、実際に調剤する薬の量を計算する。

薬局や病院でいう力価計算とは、おそらくこちらが大半を占めると思う。

 

例えば、以下のように処方箋に書かれていたとしよう。

 

【成分量】

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 10mg

 

この例の場合、「何g(製剤量)のムコソルバンドライシロップを量り取れば、有効成分10mgが含まれるか」を計算することになる。

(答えは0.67 g)

 

製剤量→成分量の力価計算とは?

製剤量→成分量を計算する力価計算では、実際に量り取る薬の量から「薬の有効成分の量」を計算する。

こちらの計算は、「有効成分の量が本当に適正か」をチェックする目的でやることが多い。

 

例えば、以下のように処方箋に書かれている場合、製剤量→成分量に変換する計算をする。

 

【製剤量】

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 0.67g

 

この例の場合、「0.67g中に含まれる有効成分の量」を計算するということだ。

(答えは10mg)

 

薬の名前についている%の意味とは?

薬の名前についている%は、「薬の有効成分の量」を意味している。

 

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 1g中に含まれる有効成分の量を考えてみよう。

 

ムコソルバンドライシロップの有効成分は『アンブロキソール』という名前だが、ムコソルバンドライシロップ1gの1.5%がアンブロキソールということだ。

 

つまり、ムコソルバンドライシロップ1g中には、15mgのアンブロキソールが含まれていることを意味する。

 

【計算式】

1000mg(1g)× 0.015(1.5%) = 15mg

 

ポイント

%の値は「1g中に含まれている薬の有効成分の量」

 

 

力価計算その1(成分量→製剤量)

力価計算その1(成分量→製剤量)

 

まずは成分量→製剤量を計算するタイプの力価計算のやり方を解説する。

先ほども書いたように、こちらの力価計算の方がやる機会は多い。

 

成分量から製剤量へ計算する方法

では、先ほどのムコソルバンドライシロップを例に解説する。

 

【例題】

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 10mg

 

成分量から製剤量への変換なので、「何gの小児量ムコソルバンドライシロップ1.5%を量り取るか」を計算するということだ。

 

言い換えれば「何gを量り取れば、有効成分の量が10mgになるのだろう?」と考えれば良い。

 

まず薬の有効成分10mgが含む製剤量をXgとしよう。

この「Xg」が計算したい値だ。

 

比例式で考えると理解しやすい。

具体的には、以下のような式が成り立つ。

 

【比例式での力価計算】

  1. 1g:Xg = 15mg : 10mg
  2. 15X = 10
  3. X=10 ÷ 15 = 0.666 = 0.67g

 

つまり「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を1日量10mgで調剤してください。」という処方箋を受けたら、1日あたり0.67gを量り取って調剤すれば良いということだ。

 

もっと簡単に成分量から製剤量へ計算する方法

ただし、現場では比例式で計算していると時間がかかる。

なので、以下のように計算すると楽だ。

 

簡単な計算方法

ステップ1:○○%の数字を10倍する

ステップ2:『成分量××mg』を『ステップ1で計算した数字』で割る

 

 

力価計算 例題1

「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を、1日量10mgで調剤してください。」を再び例として使おう。

 

簡単に計算する方法では、最初に「○○%」の数字を10倍する。

小児用ムコソルバンドライシロップは1.5%なので、1.5を10倍すれば良い。

 

ステップ1:○○%の数字を10倍する

→ 1.5 × 10 = 15

 

次に「1日量××mgで調剤してください。」の××mgを、先ほど計算した数字で割る。

今回の例では10mgで調剤するよう指示されているので、10mgを15で割れば良い。

 

ステップ2:××mgをステップ1で計算した数字で割る

10 ÷ 15 =0.67g(製剤量)

 

 

力価計算 例題2

次に「カロナールシロップ2%を、1日量100mgで調剤してください」という処方箋の計算をするとしよう。

 

簡単に計算する方法では、最初に「○○%」の数字を10倍する。

カロナールシロップ2%なので、2を10倍すれば良い。

 

ステップ1:○○%の数字を10倍する

→ 2 × 10 = 20

 

次に「1日量××mgで調剤してください。」の××mgを、先ほど計算した数字で割る。

今回の例では100mgで調剤するよう指示されているので、100mgを20で割れば良い。

 

ステップ2:××mgをステップ1で計算した数字で割る

100 ÷ 20 =5mL(製剤量)

 

 

1番簡単な成分量から製剤量へ計算する方法

1番簡単な計算方法は、薬剤師の僕が作った「かんたん力価計算」というアプリを使う方法だ。

手計算するのも良いかもしれないが、なんだかんだ計算機を使うのが1番楽である。

 

かんたん力価計算

 

「剤形」、「成分量」、「%の値」を入力するだけで、自動で計算してくれる。

 

今回は、カロナールシロップ2%を1日量100mgで調剤する場合、〇〇mL取れば良いのかを計算してみる。

 

ステップ1:剤形を選択する

まずは計算する薬の剤形を選択する。

カロナールシロップ2%の製剤量を計算するので、『液剤』を選択。

 

かんたん力価計算

 

ステップ2:%の値を入力する

ステップ2では「%の値」を半角で入力する。

カロナールシロップ2%なので、2と入力しよう。

 

かんたん力価計算

 

ステップ3:成分量を入力する

ステップ3では、成分量を入力する。

カロナールシロップ2%を、1日量100mgで調剤するので、半角で100と入力。

 

次に単位を選択する。

今回は100mgなので、mgを選択。

 

かんたん力価計算

 

必要事項を全て入力したら、計算するボタンを押す。

そうすると、製剤量5.0mLという計算結果がでる。

 

直感的に使えるアプリなので、計算が苦手な人はぜひ使ってみてほしい。

>>かんたん力価計算を使ってみる

 

 

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力価計算その2(製剤量→成分量)

力価計算その2(製剤量→成分量)

 

次に製剤量から成分量を計算する方法について解説する。

 

製剤量から成分量へ計算する方法

では、先ほどのムコソルバンドライシロップを例に解説する。

 

【例題】

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 0.67g

 

製剤量から成分量への変換なので、「処方せんに記載された製剤量の中に、何mgの有効成分が含まれているか」の計算をするということだ。

 

この例題の場合、「0.67g中に何mgの有効成分が含まれているか」を計算する。

 

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%は1g中に15mgの有効成分が含まれているので、比例式で考えると以下のようになる。

 

【比例式での力価計算】

  1. 1g:0.67g = 15mg : X mg
  2. X = 0.67 × 15 = 10.05

 

つまり、0.67g中に含まれる有効成分の量は10mgということになる。

 

もっと簡単に製剤量から成分量へ計算する方法

ただし、現場では比例式で計算していると時間がかかる。

なので、以下のように計算すると楽だ。

 

簡単な計算方法

ステップ1:○○%の数字を10倍する

ステップ2:『ステップ1で計算した数字』に『製剤量××g』をかける

 

 

力価計算 例題3

「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を、1日量0.67gで調剤してください。」を再び例として使おう。

 

簡単に計算する方法では、最初に「○○%」の数字を10倍する。

小児用ムコソルバンドライシロップは1.5%なので、1.5を10倍すれば良い。

 

ステップ1:○○%の数字を10倍する

→ 1.5 × 10 = 15

 

そして、先ほど計算した数字に「1日量××gで調剤してください。」の××gをかける。

今回の例では0.67gで調剤するよう指示されているので、15×0.67をすれば良い。

 

ステップ2:ステップ1で計算した数字に××gをかける

15×0.67 = 10.05mg(成分量)

 

 

力価計算 例題2

次に「カロナールシロップ2%を、1日量5mLで調剤してください」という処方箋の計算をするとしよう。

 

簡単に計算する方法では、最初に「○○%」の数字を10倍する。

カロナールシロップ2%なので、2を10倍すれば良い。

 

ステップ1:○○%の数字を10倍する

→ 2 × 10 = 20

 

そして、先ほど計算した数字に「1日量××mLで調剤してください。」の××mLをかける。

今回の例では5mLで調剤するよう指示されているので、20×5をすれば良い。

 

ステップ2:ステップ2:ステップ1で計算した数字に××mLをかける

20×5=100mg(成分量)

 

 

1番簡単な製剤量から成分量へ計算する方法

1番簡単な計算方法は、薬剤師の僕が作った「成分量チェッカー」というアプリを使う方法だ。

かんたん力価計算と違い、2ステップで計算できるので非常に楽である。

 

 

「%の値」、「製剤量」を入力するだけで、自動で計算してくれる。

 

今回は、カロナール細粒20%を1日量1gで調剤する場合の成分量を計算してみる。

 

ステップ1:%の値を入力する

ステップ1では「%の値」を半角で入力する。

カロナール細粒20%なので、20と入力しよう。

 

成分量チェッカー

 

ステップ2:製剤量を入力する

ステップ2では、成分量を入力する。

カロナール細粒20%を、1日量1gで調剤するので、半角で1と入力。

 

次に単位を選択する。

今回は1gなので、gを選択。

 

成分量チェッカー

 

必要事項を全て入力したら、計算するボタンを押す。

そうすると、成分量200.0mgという計算結果がでる。

成分量チェッカー

 

直感的に使えるアプリなので、計算が苦手な人はぜひ使ってみてほしい。

>> 成分量チェッカーを使ってみる

 

 

まとめ

力価計算は、慣れるまで少し大変かもしれない。

場数を踏むことによってすぐにできるようになるので、まずは数をこなして慣れよう。

 

どうやって計算するのを理解できたら、力価計算アプリでパパッと計算するのがオススメだ。

その方が仕事の生産性が上がる。

 

アプリなら簡単に計算できるで、計算方法を理解した上で使ってみてほしい。

>> 力価計算アプリ『かんたん力価計算』と『成分量チェッカー』を作りました

 

では。

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