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今さら聞けない粉薬・シロップ剤の力価計算-簡単に計算する方法-

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粉薬・液剤の調剤をする時に、超えなければならないハードルがある。

それが「力価計算」だ。

 

パソコンが自動で計算してくれることも多くなったので、計算する機会は徐々に少なくなってきている。

しかし古いパソコンを使っているから、いまだに手計算しているという人も多いと思う。

 

そこでこの記事では「力価を簡単に計算する方法」をまとめた。

意外と薬剤師であっても「力価計算が苦手」という人は多いので、復習の意味で再確認してほしい。

 

早く計算したいという場合は、力価計算機を作ったので良かったらどうぞ。

3ステップで製剤量を簡単に計算できる。

>>かんたん力価計算を使ってみる

 

 

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そもそも力価とは?

 

力価の本来の意味は「薬がその効果を発揮するための量」だが、病院や薬局では「薬の成分量」を指すことが多い。

例えば「ムコダインシロップ5%」なら、薬として効果を発揮するのは5%で、残りの95%は添加物ということになる。

 

では、なぜ薄めるのか。

それは、薬の有効成分100%で構成されていると味が悪くなったり、粉(or シロップ)としての量が少なすぎて調剤しにくい・服用しにくいためである。

 

 

成分量と製剤量の違い

 

粉薬やシロップ剤などの処方箋では、記載方式が2種類ある。

それが「成分量による記載」と「製剤量による記載」だ。

 

これは医師の好みで記載方式が決定される。

具体例を出すと、以下のようになる。

 

【成分量による記載】

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 10mg

 

【製剤量による記載】

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 0.67g

 

成分量とは

成分量とは「医薬品の有効成分として、どれくらいの量を服用するか」を記載したものである。

この成分量が、いわゆる「力価」と呼ばれるものだ。

 

「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を1日量10mgで調剤してください。」という処方箋を受け付けたとしよう。

その場合は、有効成分10mgが含まれているのムコソルバンドラシロップの量を計算しなければならない。

 

製剤量とは

製剤量とは「医薬品を実際に調剤する量」を記載したものだ。

つまり製剤量で記載されている場合は、実際に調剤する量を計算をする必要がない。

 

例えば「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 1日量0.67gで調剤してください」と記載されていたら、0.67gを量り取って調剤すれば良い。

 

ちなみに「成分量記載」と「製剤量記載」の見分け方だが、目安として成分量はmgまたはμg単位で記載されていることが多い。

一方、製剤量記載は、gまたはmL単位で記載されている。

 

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力価計算の考え方

 

薬局や病院で言う力価計算とは、「成分量から製剤量に変換する計算」を意味することが多い。

例えば「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5% 10mg」と記載されていたら、「製剤量は0.67gだな」と計算することだ。

 

薬の名前に付いている%とは?

力価計算をするには、薬の名前についている「○○%」の意味を理解する必要がある。

結論から言うと、この数字は1g中に含まれている薬の有効成分の割合を意味している。

 

例えば小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%の場合、「1g中に含まれている薬の有効成分は、全体の1.5%ですよ」ということだ。

小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%の1g中の有効成分の量は、以下の計算式で求めることができる。

 

【計算式】

1000mg(1g)× 0.015(1.5%) = 15mg

つまり小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%には、1g中に15mgの有効成分が含まれていることを意味する。

 

力価計算する方法

では、いよいよ成分量から製剤量へ変換するための力価計算をやってみよう。

「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を1日量10mgで調剤してください。」という処方箋を受け付けた場合、実際には何gを量り取れば良いのか。

 

先ほども書いたように、1.5%とは「1g中の1.5%が薬の有効成分」ということだ。

これをもとに「何gを量り取れば、有効成分の量が10mgになるのだろう?」と考えれば良い。

 

まず薬の成分10mgが含まれる量をXgとしよう。

この「Xg」が計算したい製剤量だ。

 

比率式を思い浮かべると理解しやすい。

具体的には、以下のような式が成り立つ。

 

【比例式での力価計算】

ステップ:1g:Xg = 15mg : 10mg

ステップ2:15X = 10

ステップ3:X=10 ÷ 15 = 0.666 = 0.67g

 

つまり「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を1日量10mgで調剤してください。」という処方箋を受けたら、1日あたり0.67gを量り取って調剤すれば良いということだ。

 

 

もっと簡単に力価計算をする方法

 

比例式による力価計算は、理解できたと思う。

しかし比例式の計算でも、少し難しいと感じた人もいるかもしれない。

 

そこで、もっと簡単に計算する方法を紹介したい。

より簡単に力価を計算する方法

より簡単に力価を計算する方法は、以下の通り。

 

【簡単に計算する方法】

ステップ1:○○%の数字を10倍する

ステップ2:××mgをステップ1で計算した数字で割る

 

具体例

具体例として2つ挙げる。

 

例題1

先ほどの「小児用ムコソルバンドライシロップ1.5%を、1日量10mgで調剤してください。」を再び例として使おう。

 

簡単に計算する方法では、最初に「○○%」の数字を10倍する。

小児用ムコソルバンドライシロップは1.5%なので、1.5を10倍すれば良い。

 

▼ステップ1:○○%の数字を10倍する

→ 1.5 × 10 = 15

 

次に「1日量××mgで調剤してください。」の××mgを、先ほど10倍した数字で割る。

今回の例では10mgで調剤するよう指示されているので、10mgを15で割れば良い。

 

▼ステップ2:××mgをステップ1で計算した数字で割る

10 ÷ 15 =0.67g

 

例題2

この計算方法はシロップ剤の計算でも使用が可能だ。

例えば「カロナールシロップ2%を、1日量100mgで調剤してください」という処方箋の計算をするとしよう。

 

▼ステップ1:○○%の数字を10倍する

→ 2 × 10 = 20

 

▼ステップ2:××mgをステップ1で計算した数字で割る

100 ÷ 20 =5mL

 

 

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さらに簡単に計算する方法

 

さらに簡単に製剤量を計算する方法がある。

それが「かんたん力価計算」を使うという方法だ。

 

かんたん力価計算とは

かんたん力価計とは、成分量→製剤量への計算を3ステップで計算できるwebアプリだ。

薬剤師である僕がコードを書いて開発した。

 

かんたん力価計算

 

「剤形」、「成分量」、「%の値」を入力するだけで、自動で計算してくれる。

直感的に使えるアプリなので、計算が苦手な人はぜひ使ってみてほしい。

>>かんたん力価計算を使ってみる

 

参考になれば嬉しい。

では。

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