薬物動態

「薬の効果が現れる時間」を計算する方法

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「薬の効果は、どれくらいの時間で現れるのか」

実は薬の効果が現れ始める時間は、人によって異なる。

 

しかしおおまかな時間であれば、薬の添付文書から簡単に計算可能だ。

そこでこの記事では、「薬の効果が現れる時間を計算する方法」についてまとめた。

 

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「薬の効果が現れる時間」を計算する方法

「薬の効果が現れる時間」を計算するには、以下の2つを理解する必要がある。

 

【理解する必要があること】

◆血中半減期

◆定常状態

 

では、以上の2つについて解説していく。

 

血中半減期とは

薬の効果が現れ始める時間を知るには、まず「半減期」について理解しなければならない。

半減期とは簡単に言ってしまえば、「薬の血中濃度が半分になるまでの時間」だ。

 

例えば、半減期が4時間の薬の場合。

その場合は、血中濃度が1番高くなった時間から4時間が経過すると、血中濃度濃度が「50%(半分)」になる。

 

そしてさらに4時間が経つと50%の半分である「25%」に、さらに4時間が経つと25%の半分である「12.5%」、さらに4時間が経つと12.5%の半分の「6.25%」になるというわけだ。

 

【半減期が4時間の薬】

4時間経過:最も高い血中濃度の50%

8時間経過:最も高い血中濃度の25%

12時間経過:最も高い血中濃度の12.5%

16時間経過:最も高い血中濃度の6.25%

 

これで半減期が、どんなものかを理解できたのではないだろうか。

おおよそ半減期の4倍の時間(上の例では16時間)が過ぎれば、体内からほぼ薬が消失したと判断しても良い。

 

これは半減期が4時間の薬だけでなく、半減期が8時間でも12時間でも変わらない。

半減期の4倍の時間(4半減期)が過ぎれば、薬は体内からほぼ消失したということになる。

 

半減期は、添付文書の「薬物動態」の項目に記載があるので、簡単に調べることができる。

>>> 添付文書情報メニュー

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定常状態とは?

次に理解しなければならないのが「定常状態」だ。

定常状態とは「薬が排泄される量」と「薬が体内に入ってくる量」が等しくなり、血中濃度が一定になる状態である。

 

薬の効果が現れる時間を知るのに、なぜ「定常状態」について理解する必要があるのか。

それは「定常状態=薬の効果が現れる時間」だからだ。

 

降圧剤のアムロジピン(商品名:アムロジン、ノルバスク)を例に考えてみよう。

アムロジピンは半減期が約36時間と非常に長く、1日1回服用するタイプの薬だ。

つまりアムロジピンの服用間隔は、24時間ということになる。

 

この時に重要なのが、投与間隔(24時間)よりも半減期(36時間)の方が長いということだ。

「半減期>投与間隔」が成り立っていないと、定常状態にならないということに注意したい。

 

要するに、薬の血中濃度が半分になる前に、追加でまた新たに服用するため、徐々に血中濃度が上がっていくのだ

そのため、定常状態へ達するまでに多少の時間がいる。

 

定常状態に達するには、だいたい「半減期を4倍した時間」を要する。

1回目の服用後に半減期を迎えた時、薬の血中濃度は定常状態の約50%に達する。

 

そして2回目の服用後に2半減期を迎えた時には、定常状態の75%に達することになる。

(1回目に投与した薬が2半減期を迎えたので25%、2回目の薬が最初の半減期を迎えたので50%=合わせて75%)

 

同じように、3回目の服用後、3半減期が経過した時には定常状態の87.5%、4回目の服用後、4半減期が経過した時には、定常状態の約94%に達することになる。

 

【アムロジピンの場合】

1回目の半減期:定常状態の50%の血中濃度

2回目の半減期:定常状態の75%の血中濃度

3回目の半減期:定常状態の87.5%の血中濃度

4回目の半減期:定常状態の約94%の血中濃度

 

血中の薬物濃度が94%になれば、定常状態に達しているといえる。

つまり薬の効果が、しっかりと現れるということだ。

重要なのは「半減期を4倍した時間=薬の効果が現れるまでの時間」ということである。

 

 

アムロジピン(商品名:アムロジン、ノルバスク)は、約36時間が半減期である。

つまり個人差はあるが、「半減期36時間×4=144時間(6日)」程度で効果が現れるということだ。

 

定常状態のない薬もある

薬の効果が現れるまでの時間を知るために、「定常状態に達する時間を計算しなければならない」と、ここまで書いてきた。

 

しかし注意すべきことがある。

それは「定常状態がない薬もある」ということだ。

 

具体例を挙げると、痛み止めであるロキソニン錠(成分名:ロキソプロフェン)は、定常状態のない薬である。

ロキソニン錠(成分名:ロキソプロフェン)の半減期は約1.2時間と非常に短く、1日3回の服用が一般的だ。

 

1日3回の服用ということは、投与間隔は約8時間くらい。

つまりアムロジピン(商品名:アムロジン、ノルバスク)とは逆で、「投与間隔>半減期」ということになる。

 

前述の通り、半減期の4倍の時間で、薬は体内から消失する。

そのためロキソニン錠(成分名:ロキソプロフェン)は、半減期1.2時間×4=4.8時間」で体内から消失することになる。

 

投与間隔は8時間なので、次回の服用時点では、すでに体から薬が消失しているのだ。

つまりロキソニン錠(成分名:ロキソプロフェン)は、定常状態に達することはない。

 

このような特徴から、ロキソニン錠(成分名:ロキソプロフェン)は効果が速やかに現れるタイプの薬と言える。

 

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まとめ

以下にこの記事の要点をまとめた。

 

【定常状態のある薬】

半減期×4=薬の効果が現れる時間

 

【定常状態のない薬】

服用後に速やかに効果が現れる

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