薬物動態

分配係数から薬の代謝・排泄経路を判別する方法

更新日:

薬は「腎排泄型の薬」と「肝代謝型の薬」の2種類に分類できる。

これを見分ける手段の1つが、「分配係数を確認する」という方法だ。

 

「分配係数」と聞くと、少し難しそうなイメージを持つかもしれないが、そんなことはない。

実際は、とても簡単である。

 

そこでこの記事では、分配係数から「腎排泄型の薬」と「肝代謝型の薬」を見分ける方法についてまとめた。

 

スポンサーリンク

分配係数とは

分配係数とは、いったい何を表す指標なのか。

簡単に言ってしまうと、分配係数とは「油への溶けやすさ」を表す指標だ。

 

式で表すと以下のようになる。

【分配係数】

分配係数(P)=油中の濃度÷水中の濃度

 

この式からも分かると思うが、分配係数が大きければ油に溶けやすい(脂溶性)ということになる。

そして分配係数が小さければ油に溶けにくく、水に溶けやすい(水溶性)ということが分かる。

 

全ての薬において言えるわけではないが、分配係数は添付付文書の「有効成分に関する理化学的所見」の項目に記載されている。

>>> 添付文書情報メニュー

 

分配係数の判断基準

では、分配係数が「大きいか・小さいか」はどう判断するのか。

これは「1より大きいか・小さいか」で判断する。

1よりも小さければ水に溶けやすく、1よりも大きければ油に溶けやすい。

 

【Point!】

◆分配係数とは、「油への溶けやすさ」を表す指標

◆1よりも小さければ水溶性、1よりも大きければ脂溶性

スポンサーリンク

分配係数から代謝・排泄経路を見分ける方法

「水溶性の薬」と「脂溶性の薬」では、大きな違いがある。

それが代謝・排泄経路の違いだ。

 

水溶性の薬剤の場合は水に溶けやすい。

そのため、薬は腎臓で尿中に溶かされて排泄される。

つまり分配係数が1よりも小さい薬は水に溶けやすいため、腎排泄型の薬剤であることが予想される。

 

逆に脂溶性の薬は、水に溶けにくい。

そのため、薬が腎臓で尿中に溶かされて排泄されることはない。

 

ではどうするのかというと、脂溶性の薬は、まず肝臓で代謝される。

分かりやすく言えば、水に溶けやすくなるように加工されるのだ。

つまり分配係数が1よりも大きい脂溶性の薬剤は、肝代謝型である可能性が高い。

 

【分配係数が1以上】

肝代謝型

 

【分配係数が1以下】

◆腎排泄型

 

まとめ

高齢の患者の場合、特に肝代謝型か腎排泄型かを区別するのは非常に重要だ。

なぜなら、加齢とともに肝機能・腎機能が低下し、副作用の発現率が上がるためである。

腎機能や肝機能に応じて、薬の投与量も調節する必要があるのだ。

 

分配係数を見れば、「肝代謝型の薬剤」か「腎排泄型の薬剤なのか」を大まかに区別することが可能になる。

「分配係数が1以上なら肝代謝型」、そして「1以下なら腎排泄型」と覚えておくと非常に便利なので、ぜひ活用してほしい。


おすすめの薬剤師転職サイトはこちら!

自分に合った転職サイトを使うのが転職成功への第一歩!

オススメの転職サイトをチェックしよう!



RELATED

-薬物動態

Copyright© 週刊 薬剤師日記 , 2018 All Rights Reserved.