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週刊 薬剤師日記

PHARMACY

【薬剤師が解説】骨粗鬆症治療薬の種類と特徴

更新日:

 

病院で処方される骨粗鬆症の薬には、さまざまな種類がある。

 

【主な骨粗鬆症治療薬】

  • ビスホスホネート製剤
  • 活性型ビタミンD3製剤
  • 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
  • ビタミンK₂製剤
  • カルシウム製剤
  • 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤

 

そこでこの記事では、主な骨粗鬆症治療薬の種類や特徴についてまとめてみた。

 

では本題へ。

 

 

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ビスホスホネート製剤

 

ビスホスホネート製剤の特徴

骨粗鬆症の患者は、「骨吸収(骨の破壊)」と「骨形成」のバランスが崩れていて、骨形成よりも骨吸収(骨の破壊)の方が活発な状態になっている。

 

その結果、骨粗鬆症では骨がもろくなってしまうのだ。

 

ここから分かることは、骨吸収を抑制できれば骨がもろくなるのを防げるということである。

 

骨吸収に大きく関わっているのが破骨細胞だ。

 

つまり、破骨細胞の働きを邪魔すれば骨吸収が抑制されるので、骨粗鬆症の症状を改善できる。

 

このような考えをもとに開発されたのが、ビスホスホネート製剤である。

 

BP製剤 作用機序

 

 

ビスホスホネート製剤の種類

ボナロン(成分名:アレンドロン酸)の特徴

  • 第二世代ビスホスホネート製剤
  • 第一世代の骨吸収抑制作用を1とすると、100〜1000倍の強さ
  • 錠剤、点滴、ゼリーの3種類が販売されている
  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)・大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果が認められている
  • 毎日服用タイプ(1mg錠)、1週に1度服用タイプ(35mg錠、ゼリー)、4週に1度使用タイプ(点滴)がある

 

フォサマック(成分名:アレンドロン酸)の特徴

  • 第二世代ビスホスホネート製剤
  • 第一世代の骨吸収抑制作用を1とすると、100〜1000倍の強さ
  • 錠剤タイプのみ販売されている
  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)・大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果が認められている
  • 毎日服用タイプ(1mg錠)と1週間に1度服用タイプ(35mg錠)がある

 

ボノテオ・リカルボン(成分名:ミノドロン酸)の特徴

  • 第三世代ビスホスホネート製剤
  • 第一世代の骨吸収抑制作用を1とすると、1000〜10000倍の強さ
  • 錠剤タイプのみ販売されている
  • 毎日服用タイプ(1mg錠)と4週に1度服用タイプ(50mg錠)が販売されている
  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)・大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果は実証されていない

 

アクトネル・ベネット(成分名:リセドロン酸)の特徴

  • 第三世代ビスホスホネート製剤
  • 第一世代の骨吸収抑制作用を1とすると、10000倍以上
  • 錠剤タイプのみ販売されている
  • 毎日服用タイプ(2.5mg錠)と1週間に1回服用タイプ(17.5mg錠)、月1回服用タイプ(75mg錠)が販売されている
  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)・大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果が認められている

 

ボンビバ(成分名:イバンドロン酸)の特徴

  • 錠剤と注射タイプの2種類が販売されている
  • 錠剤、注射どちらも月に1回だけ使用する
  • 服用後60分は、横になったり飲食をできない
  • 大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果は実証されていない

 

リクラスト(成分名:ゾレドロン酸)の特徴

  • 注射タイプのみ販売されている
  • 1年に1回使用する

 

ビスホスホネート製剤の主な副作用

  • のどの痛み
  • 胸やけ
  • 口の痛み・腫れ
  • 歯のゆるみ
  • 太もも・太もも付け根の痛み

 

 

活性型ビタミンD3製剤

 

活性型ビタミンD3製剤の特徴

骨を作るのに重要な役割を果たすのが、ビタミンD3だ。

 

ビタミンD3には、腸管からのカルシウム吸収を促進する作用が認められている。

 

このような作用により、骨の量が減少するのを改善し、骨がもろくなるのを防ぐのが、活性型ビタミンD3製剤である。

 

ポイント

腸管からのカルシウム吸収を促進して骨がもろくならないようにする

 

活性型ビタミンD3製剤の種類

エディロール(成分名:エルデカルシトール)の特徴

  • カルシウム吸収を促進する作用に加え、骨吸収(骨の破壊)抑制作用が認められている
  • 活性型ビタミンD3製剤の中で、骨密度の上昇効果と椎体骨折抑制効果がもっとも認められている
  • カプセルタイプのみ販売されている
  • 妊婦に使用できない

 

ワンアルファ(成分名:アルファカルシドール)の特徴

  • 錠剤タイプと液体タイプの2種類が販売されている
  • エディロールの方が推奨度が高い

 

アルファロール(成分名:アルファカルシドール)の特徴

  • カプセルタイプ、液体タイプ、散剤タイプの3種類が販売されている
  • エディロールの方が推奨度が高い

 

ロカルトロール(成分名:カルシトリオール)の特徴

  • カプセルタイプ、注射タイプの2種類が販売されている
  • エディロールの方が推奨度が高い

 

活性型ビタミンD3製剤の主な副作用

  • 体がだるい
  • 吐き気
  • 食欲の低下
  • 疲れやすい

 

 

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選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)

 

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)の特徴

骨粗鬆症の原因の一つとして、閉経後のエストロゲン分泌の減少が挙げられる。

 

これはエストロゲンに骨量を増やす作用があるからだ。

閉経を迎えてエストロゲンの分泌が減少すると、それに伴い骨量も減ってしまう

 

ここから分かることは、薬がエストロゲンのような作用をすれば、骨がもろくなるのを防げるということだ。

 

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、骨のエストロゲン受容体へ選択的に作用し、エストロゲンと同じような作用を示すことにより、骨がもろくなるのを防ぐのである。

 

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)の種類

エビスタ(成分名:ラロキシフェン)の特徴

  • 最初に発売されたSERM
  • ビビアンとに比べて安い

 

ビビアント(成分名:バゼドキシフェン)の特徴

  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)の抑制効果がエビスタに比べて44%高いという報告がある
  • ガイドラインでの推奨度はエビスタと同じ

 

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)の副作用

  • 乳房の痛み
  • 足の痛み
  • むくみ
  • 息切れ
  • ほてり

 

 

ビタミンK₂製剤

 

ビタミンK₂製剤の特徴

骨の形成に重要な役割を果たしているビタミンの1つにビタミンK₂がある。

 

ビタミンK₂には、骨をつくる細胞(骨芽細胞)の働きを促進する作用骨の量が減少するのを改善する作用が認められている。

 

【ビタミンK₂の働き】

  • 骨の形成を促す
  • 骨量の減少を改善する

 

以上2つの作用により、骨がもろくなるのを防ぐのがビタミンK₂である。

 

ビタミンK₂製剤の種類

グラケー(成分名:メナテトレノン)

  • 空腹時に服用すると吸収が低下するので、食後に服用する必要がある
  • ワーファリン(成分名:ワルファリン)と併用できない(ワーファリンの効果が弱まるため)

 

ビタミンK₂製剤の副作用

  • 胃の不快感
  • 腹痛
  • 食欲の低下
  • 頭痛

 

 

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カルシウム製剤

 

カルシウム製剤の特徴

血中のカルシウム濃度に関与しているのが、副甲状腺ホルモンだ。

 

血中のカルシウム濃度が低くなると、副甲状腺ホルモンが分泌されて破骨細胞の働きが活発になる

 

そのため、骨からカルシウムが溶け出してしまう。

 

しかし、カルシウム製剤を服用することにより、血中のカルシウム濃度が上がる。

 

その結果、副甲状腺ホルモンが分泌されないので、破骨細胞の働きがアクティブにならないのだ。

 

このような機序により、カルシウム製剤は骨がもろくなるのを防ぐ。

 

カルシウム製剤の種類

アスパラ-CA(成分名:L-アスパラギン酸カルシウム)

  • カルシウム製剤単体で使われることは少なく、骨吸収抑制薬と併用されることが多い
  • 骨粗鬆症治療の推奨グレードは高くない

 

カルシウム製剤の副作用

  • お腹の張り
  • 軟便
  • 胸役

 

 

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤

 

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤の特徴

副甲状腺ホルモンが分泌されると、骨の代謝が促進されて骨量が減少してしまう。

 

そのため、常に副甲状腺ホルモンが分泌されている状態だと、骨がどんどんもろくなっていく

 

しかし副甲状腺ホルモンは、投与方法を変えることにより、骨の形成を促進できることが分かっている。

 

その方法というのが間欠投与で、一定の時間をおいて投与するという方法だ。

 

一時的に副甲状腺ホルモンの濃度を上げることにより、新しく骨を作る細胞(骨芽細胞)の働くが促進されるのである。

 

その結果、骨の量が減りにくくなり、骨がもろくなるのを防げるようになる。

 

このような作用機序で骨粗鬆症を改善するのが、副甲状腺ホルモン製剤だ。

 

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤の種類

フォルテオ(成分名:テリパラチド 遺伝子組換え)

  • 1日1回投与タイプ
  • 自分で注射できる
  • 冷蔵庫に入れ、凍結を避け、2~8℃で遮光保存
  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)の予防効果は認められているが、大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果は認められていない

 

テリボン(成分名:テリパラチド酢酸塩)

  • 1週間に1回投与タイプ
  • 病院やクリニックで投与してもらう
  • 遮光・室温保存
  • 非椎体骨折(背骨以外の骨折)・大腿骨(太ももの骨)の骨折予防効果は認められていない

 

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤の副作用

  • 血中尿酸値の上昇
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 食欲の低下
  • 体がだるい

 

 

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参考資料

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