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週刊 薬剤師日記

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イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージの違い・比較

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片頭痛とはズキンズキンと脈を打つ激しい痛みの頭痛」である。

「吐き気」や「体を動かすと痛みが激しくなる」といった症状を伴うこともあり、片頭痛は日常生活に支障をきたす可能性もある。

 

そのため薬を服用することによって、片頭痛発作による痛みを適切にコントロールすることが重要なのだ。

片頭痛発作の治療に使われる代表的な薬の1つが、トリプタン製剤である。

そこでこの記事では、トリプタン製剤の違い・比較についてまとめた。

 

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トリプタン製剤とは?

実は片頭痛がどのように発生するかは、詳細に解明されているわけではない。

しかし、有力な仮説はある。

それが「三叉神経血管説(さんさしんけいけっかんせつ)」だ。

 

片頭痛が起こる時、何らかの原因により三叉神経が刺激される。

この時に、血管拡張物質が放出されるのだ。

 

血管が拡張すると炎症が起こり、炎症反応がどんどん血管内に伝わっていく。

この炎症反応の刺激が脳に伝わることによって、吐き気や嘔吐、頭痛が引き起こされると考えられている。

 

【片頭痛が起こる原因】

◆血管が拡張し、炎症反応による刺激が脳へ伝わるため

 

この時に重要な役割を果たすのが、5-HT受容体(セロトニン受容体)だ。

5‐HT受容体(セロトニン受容体)にはいくつか種類があるが、片頭痛に関与するのは「5-HT1B受容体」「5-HT1D受容体」である。

 

5-HT1B受容体は「血管収縮作用」を持ち、5-HT1D受容体は「血管拡張物質の放出抑制」に関与している。

 

【5-HT受容体(セロトニン受容体)の作用】

5-HT1B受容体:血管収縮作用

5-HT1D受容体:血管拡張物質の抑制作用

 

ここから分かることは、これらの受容体を刺激すれば、血管を収縮させつつ血管拡張物質の放出も抑制できるため、片頭痛を改善できるということだ。

 

このような作用機序により、片頭痛を改善するのがトリプタン製剤だ。

つまりトリプタン製剤は、5-HT1B/1D受容体を刺激することにより、片頭痛を改善するのである。

 

【トリプタン系薬の作用機序】

1:5-HT1B受容体を刺激 → 血管を収縮させる

2:5-HT1D受容体を刺激 → 血管拡張物質の放出を抑制させる

 

主なトリプタン製剤には、以下のようなものがある。

 

【代表的なトリプタン製剤】

イミグラン(成分名:スマトリプタン)

ゾーミッグ(成分名:ゾルミトリプタン)

レルパックス(成分名:エレトリプタン)

マクサルト(成分名:リザトリプタン)

アマージ(成分名:ナラトリプタン)

 

剤形の違い・比較

トリプタン製剤は、大きく分けて4つの剤形が販売されている。

それが普通錠」「口腔内崩壊錠」「点鼻薬」「注射剤」だ。

 

症状やライフスタイルに合わせて、これらの剤形を使い分けることが多い。

例えば口腔内崩壊錠であれば水なしで服用できるため、外出時に飲みやすい剤形と言える。

また吐き気を伴う片頭痛であれば、点鼻薬や注射剤が使いやすい。

 

【普通錠】

イミグラン(成分名:スマトリプタン)

ゾーミッグ(成分名:ゾルミトリプタン)

レルパックス(成分名:エレトリプタン)

マクサルト(成分名:リザトリプタン)

アマージ(成分名:ナラトリプタン)

 

【口腔内崩壊錠】(水なしで服用できる)

ゾーミッグ(成分名:ゾルミトリプタン)

マクサルト(成分名:リザトリプタン)

 

【点鼻薬】

イミグラン(成分名:スマトリプタン)

 

【注射剤】

イミグラン(成分名:スマトリプタン)

*医療機関でのみ使える「皮下注用」と自宅で使える「皮下注用キット」の2種類がある

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代謝・排泄経路の違い・比較

トリプタン製剤は、代謝・排泄経路の違いでも分類可能となっている。

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)は、肝代謝・腎排泄の2つの経路で、体内から消失する。

一方ほかの4種類は、肝臓で代謝を受けることにより、体内から消失する。

 

【肝代謝によって消失】

イミグラン錠(成分名:スマトリプタン)

ゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)

レルパックス錠(成分名:エレトリプタン)

マクサルト錠(成分名:リザトリプタン)

 

【肝代謝+腎排泄によって消失】

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)

 

重度の肝・腎障害のある患者への使用可否

トリプタン製剤は、「重度の肝・腎障害の患者への使用可否」で分類することができる。

ゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)は、肝機能に重度の障害がある人でも使用可能だが、他の4種類は使用できない。

 

重度の腎機能障害がある場合は、アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)以外の全てのトリプタン系薬が使用可能となっている。

 

【重度の肝・腎機能障害のある人に使用できる】

ゾーミッグ(成分名:ゾルミトリプタン)

 

【重度の肝機能障害のある人へ使用できない】

イミグラン錠(成分名:スマトリプタン)

レルパックス錠(成分名:エレトリプタン)

マクサルト錠(成分名:リザトリプタン)

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)

 

【重度の腎機能障害のある人へ使用できない】

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)

 

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代謝酵素の違い・比較

トリプタン製剤は、「MAO-Aにより代謝される薬」と「CYPにより代謝される薬」に分類できる。

 

代謝にMAO-Aが関与しているイミグラン錠(成分名:スマトリプタン)、マクサルト錠(成分名:リザトリプタン)、ゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)は、MAO阻害薬との併用ができない。

 

【MAO-Aにより代謝】

イミグラン錠(成分名:スマトリプタン)

マクサルト錠(成分名:リザトリプタン)

 

【CYPにより代謝】

レルパックス錠(成分名:エレトリプタン)

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)

 

【MAO-A+ CYPにより代謝】

ゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)

 

用法・用量の違い・比較

トリプタン製剤は、用法・用量に違いがある。

 

1日4錠まで服用可能なのが、イミグラン錠(成分名:スマトリプタン)とゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)だ。

一方レルパックス錠(成分名:エレトリプタン)やマクサルト錠(成分名:リザトリプタン)、アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)は1日2錠まで服用可能となっている。

 

【1日4錠まで服用可能】

イミグラン錠(成分名:スマトリプタン)

ゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)

 

【1日2錠まで服用可能】

マクサルト錠(成分名:リザトリプタン)

レルパックス錠(成分名:エレトリプタン)

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)

 

 

また服用間隔にも違いがあり、「服用間隔を2時間以上あける必要のある薬」と「服用間隔を4時間以上あける必要のある薬」に分類できる。

 

ほとんど薬は、服用間隔を2時間あければ良い。

ただしアマージ錠(成分名:ナラトリプタン)は、服用間隔を4時間以上あける必要がある。

 

これはアマージ錠(成分名:ナラトリプタン)の作用時間が12〜24時間と他の薬剤に比べて長いためである。

(他の薬剤の作用時間は5時間前後)

 

【服用間隔4時間以上】

アマージ錠(成分名:ナラトリプタン)

 

【服用間隔2時間以上】

イミグラン錠(成分名:スマトリプタン)

ゾーミッグ錠(成分名:ゾルミトリプタン)

マクサルト錠(成分名:リザトリプタン)

レルパックス錠(成分名:エレトリプタン)

 

そのほかの薬の違いについては、以下のページからどうぞ。

>>> 他の医薬品の違い・比較を見る

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