抗不整脈薬

メキシチールカプセル(メキシレチン)の効果・特徴・副作用

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メキシチールカプセル(メキシレチン)の効能・効果

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、Naチャネル遮断薬(Ib群)に分類される抗不整脈薬だ。

簡単に説明すると、メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は「乱れた脈を整える薬ということである。

 

またメキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)には、「糖尿病による手足の痺れ・痛みを和らげる作用」がある。

 

【メキシチールカプセルの効能・効果】

◆ 頻脈性不整脈(心室性)

◆糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善

 

メキシチールカプセル(メキシレチン)の作用機序

心臓は電気刺激によって、一定のリズムを保ちながら動いている。

しかし、電気刺激が乱れてしまうことがある。

これがいわゆる「不整脈」だ。

 

電気刺激は、専門的には「活動電位」と呼ばれている。

この活動電位の発生に関与しているのがNaイオン」「Caイオン」「Kイオン」である。

これらのイオンが心筋の細胞膜にあるイオンチャネル(通り道)を出入りすることにより、活動電位が生じるのだ。

 

活動電位は、心筋細胞へNaイオンが流入することにより発生する。

この状態を専門用語で「脱分極」と呼ぶ。

 

Naイオンが流入し終わると、次に「Caイオンの流入」と「Kイオンの排出」が起こる。

「Caイオンの流入」と「Kイオンの排出」は同時に起こり、活動電位に大きな変化が見られなくなる。

 

そして、しばらくこの状態が続いた後、Caチャネルが閉じ、Kイオンの排出だけが起こる。

この時に活動電位がガクッと下がり、活動電位は元の状態へ戻る。

以上のように、心臓の拍動はイオンの出入りによって引き起こされているのだ。

 

不整脈

 

【活動電位発生の大まかな流れ】

1:Naイオンの流入(脱分極)

2:活動電位の発生

3:Caイオンの流入とKイオンの排出

4:Kイオンの排出だけ起こる

5:活動電位が元の状態に戻る

 

活動電位が生じている時、「絶対不応期」「相対不応期」と呼ばれる間がある。

絶対不応期とは、どんなに強い刺激を心筋細胞に与えても反応しない時間。

そして相対不応期とは、比較的強い刺激には反応する時間だ。

 

通常、相対不応期が終わると、再び電気刺激が心臓に伝導して活動電位が生じる。

このように心臓は、一定のリズムで動いているのだ。

 

しかし、不整脈の場合は違う。

不整脈では、相対不応期に強い刺激が生じる。

そのため、通常では発生しないタイミングで、活動電位が発生してしまうのだ。

 

ここから分かることは、異常な活動電位が発生しないようにすれば、不整脈を改善できるということである。

具体的には、Naチャネルを遮断すればNaイオンが心筋細胞内には流入できないので、活動電位の発生を抑えることができる。

 

このような作用機序により脈を整えるのが、メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)だ。

つまり、Naチャネルを阻害しNaの流入を抑制することにより、メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は脈を整えるのである。

 

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メキシチールカプセル(メキシレチン)の特徴

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)には、以下のような特徴がある。

Ib群に属する抗不整脈薬

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、Naチャネル阻害薬の中でも「Ib群」に属する。

Ib群の特徴はNaチャネル阻害作用に加え、Kチャネル開口作用を持つことだ。

 

Kチャネル開口作用によって、活動電位持続時間が短くなる。

要するに、活動電位による興奮が長くなり過ぎないように調整されるのだ。

 

このようにメキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、「Naチャネル阻害作用」と「Kチャネル開口作用」の2つのアプローチから、脈を整えるのである。

 

糖尿病性神経障害に伴う痛み・しびれを改善する

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、糖尿病性神経障害に伴う痛み・しびれを改善する作用を持つ。

これはメキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)のNaチャネル遮断作用により、過度な神経の興奮が抑制されるためである。

 

同じNaチャネル遮断薬(Ib群)に属するアスペノンカプセル(成分名:アプリンジン)は、糖尿病性神経障害に伴う痛み・しびれを改善する目的では使われない。

 

うっ血性心不全に禁忌ではない

一般的に抗不整脈薬は、うっ血性心不全の患者に禁忌であることが多い。

しかしメキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、うっ血性心不全の患者に対して禁忌となっていない。

これは、心筋を抑制する作用や不整脈を引き起こす作用が少ないためである。

 

肝代謝型の薬剤

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、肝代謝型の薬剤である。

そのため肝機能が低下している患者に使用する際は、注意が必要である。

 

メキシチールカプセル(メキシレチン)の飲み方

通常、メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、以下の量を服用する。

 

【メキシチールカプセルの用法・用量】

頻脈性不整脈(心室性)

1日の服用量:300mg(効果が不十分な場合は450mgまで増量)

1日の服用回数:1日3回

服用タイミング:食後

1日の最大服用量:年齢、症状により適宜増減

 

糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善

1日の服用量:300mg

1日の服用回数:1日3回

服用タイミング:食後

1日の最大服用量:300mg

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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メキシチールカプセル(メキシレチン)の飲み合わせ

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)は、一緒に服用してはいけない併用禁忌となる薬はない。

 

【メキシチールカプセルの併用禁忌】

なし

メキシチールカプセル(メキシレチン)の注意点

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【メキシチールカプセルを服用する際の注意点】

◆車の運転を始めとする危険を伴う機械の操作は控える

理由:めまい、ふらつきを引き起こす可能性があるため

 

◆タバコを控える

理由:喫煙により、メキシチールカプセルの効果が弱くなる可能性があるため

 

◆ペースメーカーを使用している場合は相談する

理由:心臓ペーシング閾値、植え込み型除細動器(ICD)の除細動閾値を上昇させる可能性があるため

 

◆空腹時には服用せず、食後に服用する

理由:胃腸障害の副作用を引き起こす可能性があるため

 

◆多めの水で服用する

理由:薬が食道でとどまると、食道潰瘍を引き起こす可能性があるため

 

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メキシチールカプセル(メキシレチン)の禁忌

以下に該当する人は、メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)を服用してはいけない。

 

【メキシチールカプセルの禁忌】

◆メキシチールカプセルの成分に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性がよくない可能性があるため

 

◆重篤な刺激伝導障害(ペースメーカー未使用のIIIII度房室ブロック等)のある人

理由:症状の悪化、心停止の可能性があるため

 

 

また以下に該当する場合は、投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与しなければならない。

 

【メキシチールカプセルの原則禁忌】

糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善を目的として投与する場合

◆重篤な心不全を合併している人

理由:安全性が確立していないため

 

メキシチールカプセル(メキシレチン)の副作用

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)の主な副作用としては「吐き気」、「腹痛」、「食欲不振」、「消化不良」、「嘔吐」などが報告されている。

 

【メキシチールカプセルの主な副作用】

◆吐き気

◆腹痛

◆食欲不振

◆消化不良

◆嘔吐

 

またメキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【メキシチールカプセルの重大な副作用】

◆中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症

症状:皮膚が赤くなる、水ぶくれ、結膜炎、口内炎、発熱など

 

◆過敏症症候群

症状:発疹、発熱など

 

◆心室頻拍、房室ブロック

症状:脈の乱れ、動悸、めまいなど

 

◆腎不全

症状:むくみ、尿量の減少、吐き気、頭痛、貧血、食欲不振、喉が渇くなど

 

◆幻覚、錯乱

症状:見えるはずのないものが見える、考えがまとまらない等

 

◆肝機能障害、黄疸

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなる等

 

◆間質性肺炎、好酸球性肺炎

症状:せき、息切れ、呼吸困難、発熱など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

メキシチールカプセル(メキシレチン)を飲み忘れたら

メキシチールカプセル(成分名:メキシレチン)を飲み忘れたら、気づいた時にすぐ服用する。

ただし次の服用時間が近い場合は、忘れた分の薬は服用しなくて良い。

絶対に2回分の薬を1度に服用してはいけない。

>>> 他の抗不整脈薬をチェックする

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