服薬指導

イレッサの特徴と副作用-服薬指導で注意すべきこと-

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近年、がん治療の外来化が急速に進んできた。

今やがんの治療は、病院の中でするものではなくなりつつある。

それに伴い抗がん剤の服薬指導をする機会もかなり多くなった。

 

抗がん剤はハイリスク薬であり、副作用の発現に注意を要する薬のひとつだ。

そのため薬局の薬剤師は、抗がん剤の副作用モニタリングをするという役割を果たさなければいけない。

 

抗がん剤にはそれぞれ特徴的な副作用があるので、服薬指導時にそれらを重点的にチェックすることが重要である。

そこでこの記事では、院外処方でもっとも多く対応するであろう経口抗がん剤の1つ、イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)の特徴や副作用についてまとめた。

 

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イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)の特徴

イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)は、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または非小細胞肺がん」に対して使われる抗がん剤だ。

 

EGFRとは「上皮成長因子受容体」のことで、これが変異している場合に、イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)を使うことができる。

日本人は欧米人に比べると、EGFRが変異をしていることが多いため、欧米人よりも日本人に効果が高いと言われている。

 

またイレッサ(成分名:ゲフィチニブ)は、錠剤タイプかつ1日1回の服用でOKということもあり、非常に服用しやすい抗がん剤だ。

そのため、今後も院外処方が増えていく可能性の高い抗がん剤と言えるだろう。

イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)の主な副作用

イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)の代表的な副作用としては、以下のようなものが報告されている。

▼皮膚障害

イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)で多く見られる副作用が「皮膚障害」だ。

皮膚障害は全体の約60%程度に見られる副作用で、「乾皮症(かんぴしょう)」、「爪囲炎(そういえん)」、「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」、「ざ瘡様皮疹(ざそうようひしん)」などに細かく分類できる。

 

1:乾皮症(かんぴしょう)

乾皮症では、皮脂が減っていき「皮膚が乾燥してしまう状態」で、服用後1ヶ月くらいの時期に現れることが多い。

ひどいと乾燥だけではなく、かゆみや皮膚炎を併発する。

 

乾皮症が発現した場合は、ヒルドイドなどの「保湿剤」が併用されることが多い。

かゆみを伴う場合は「尿素配合薬」や「抗ヒスタミン薬」、「抗アレルギー薬」を、皮膚炎を伴う場合は「ステロイド外用薬(medium-strongestクラス)」が保湿剤と併せて使われる。

 

2:爪囲炎(そういえん)

爪囲炎は、手足の爪の周囲の皮膚に生じる感染症だ。

ささくれ、深爪、陥入爪(かんにゅうそう)などが原因となり、化膿菌が体内に入り込むことによって引き起こされる。

服用後1〜2ヶ月くらいの時期に現れることが多い。

 

爪囲炎が現れた場合は、「抗菌薬」を服用したり、「ステロイド外用薬」を使って治療することが多い。

また傷口を洗浄・消毒し、ガーゼで保護する。

 

3:脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性皮膚炎では、「かゆみ」や「皮膚が赤くなりカサつく」、「皮膚がはがれる」などの症状がみられる。

特に皮脂の分泌の多い頭皮や顔に生じやすいという特徴があり、服用後1〜2ヶ月で現れやすい。

 

治療には「NSAIDs外用薬」や「ステロイド外用薬(medium-strongest)」、「ケトコナゾール外用薬」、「ビタミン内服薬」などが使われる。

 

4:ざ瘡様皮疹(ざそうようひしん)

ざ瘡様皮疹とは簡単に言うと、にきびのような症状である。

ざ瘡様皮疹は他の皮膚障害に比べて発現時期が早く、早い場合だと翌日から現れる。

 

治療には「ステロイド外用薬(medium-strongest)」、「NSAIDs外用薬」、「抗菌薬(外用・内服)」、「ビタミン内服薬」が使われる。

 

▼下痢

下痢の副作用は、全体の4割程度の患者に見られる。

発現率の高い副作用ではあるが、ビオスリー配合錠のような整腸剤で対応可能だ。

下痢が繰り返されるようであれば、必要に応じてロペミン(成分名:ロペラミド)も併用される。

 

あまりにも下痢の症状がひどい場合には、イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)の服用を休んだり、投与を中止することもある。

また1日置きに服用して投与量を減らすことにより、服用が継続可能となる場合もある。

 

▼急性肺障害・間質性肺炎

イレッサ(成分名:ゲフィチニブ)の最も重篤な副作用は、急性肺障害・間質性肺炎だ。

もし「咳」や「発熱」、「息切れ」、「呼吸困難」などの症状が現れた場合は、急性肺障害や間質性肺炎の可能性があるので、すぐに主治医に連絡しなければならない。

 

発現時期は一定ではなく、服用後1週間程度で発症する場合もあれば、数ヵ月後に発症する場合もあり、かなりバラツキがある。

「喫煙者」や「肺障害にかかったことがある人」、「男性」で、急性肺障害・間質性肺炎の発症リスクが高いと言われている。


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