服薬指導

薬が妊娠に影響を与えやすい時期とは?

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ヒトの妊娠期間は、約10ヶ月だ。

この10ヶ月の妊娠期間を経て出産する。

 

10ヶ月は非常に長いので、この間に体調を崩してしまい、「薬を飲みたい」と思うこともあるだろう。

しかし安易に薬に頼ることはオススメできない。

 

なぜなら妊娠の時期によって、胎児への影響が大きくなってしまうことがあるからだ。

そこでこの記事では、「薬が妊娠に影響を与える時期」についてまとめた。

 

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妊娠週数のカウント方法とは

妊娠週数は、「妊娠前の最後の生理が始まった日」からカウントする。

よく「着床してから妊娠週数をカウントする」と勘違いされているが、これは間違っているので注意したい。

 

つまり1月1日に、最後の生理が始まったとしたら「1月1日」からカウントを始めるということだ。

1月1日が妊娠0ヶ月0日目。

そして1月8日が「妊娠0ヶ月1週目0日」ということになる。

 

【Point!】

「妊娠前の最後の生理が始まった日」からカウントする

 

妊娠1ヶ月(0〜1週)

妊娠1ヶ月目の0〜1週は、妊娠前の最後の生理が始まった時期だ。

そもそも妊娠が成立していないのである。

したがって、この時期に薬が胎児へ影響を与えることはないと考えて良い。

 

【妊娠1ヶ月目(0〜1週目)】

◆妊娠前の最後の生理が始まった時期

◆胎児への薬の影響はない

 

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妊娠1ヶ月(2〜3週)

妊娠1ヶ月目の2〜3週は、受精が成立し、着床する時期だ。

この時期も胎児への薬の影響が残らない時期だ。

 

「全か無か(all or none)の法則」といい、薬を飲んで影響があれば流産する可能性もあるが、流産しないようであれば胎児への影響はないと考えて良い。

 

【妊娠1ヶ月目(2〜3週)】

◆受精が成立し、着床する時期

◆胎児への薬の影響はない

 

妊娠2ヶ月(4〜7週)

妊娠2ヶ月目(4〜7週)は「絶対過敏期」と呼ばれ、薬が胎児に影響を与えやすい時期だ。

この時期は、手足や眼、耳、心臓、中枢神経が形成され始める。

そのため、薬が胎児へ影響を与えやすく、奇形を生じるリスクが高くなる。

 

妊娠2ヶ月目(4〜7週)は、本来であれば生理がくる頃だ。

妊娠検査薬で陽性が出るのも、この時期である。

 

【妊娠2ヶ月目(4〜7週)】

◆薬が胎児へ影響を与えやすい

◆妊娠検査薬で陽性がでる時期

◆手足や眼、耳、心臓、中枢神経が形成され始める

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妊娠3ヶ月(8〜11週)

妊娠3ヶ月(8〜11週)は、「相対過敏期」と呼ばれる時期だ。

この時期は「歯」や「口蓋(口の中の上側の部分)」が形成されたり、性別が決まる時期で、薬が胎児へ影響を与えやすい。

 

また妊娠3ヶ月(8〜11週)は、「食欲の低下」や「吐き気」など、つわりが特に強い時期でもある。

妊娠に気づかず薬を飲んでしまう人が多いので、特に注意したい。

 

【妊娠3ヶ月(8〜11週)】

◆薬が胎児へ影響を与えやすい

◆「食欲の低下」や「吐き気」を始めとするつわりの症状が強い時期

◆「歯」や「口蓋(口の中の上側の部分)」が形成されたり、性別が決まる

 

妊娠4ヶ月(12〜15週)

妊娠4ヶ月(12〜15週)も、引き続き「相対過敏期」と呼ばれる時期だ。

この時期では、胎児の器官形成がほぼ終わり、人の形をし始める。

 

ただし胎児によっては、この時期に器官の形成がずれ込むこともあるため、安易な薬の服用はできない。

 

【妊娠4ヶ月(12〜15週)】

◆薬が胎児へ影響を与えやすい

◆器官の形成がほぼ終わり、人の形をし始める

 

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妊娠5〜10ヶ月(16〜40週)

妊娠5〜10ヶ月(16〜40週)は、「潜在過敏期」と呼ばれる時期だ。

簡単に言ってしまうと「胎児が成長する」時期である。

 

比較的安定している時期ではあるものの、薬が胎児の発育に影響を与えることがある。

そのため安易に薬を服用するべきではなく、医師または薬剤師に相談した上で服用するべきだ。

 

【妊娠5〜10ヶ月(16〜40週)】

◆比較的安定している時期

◆胎児が成長する時期でもあるので、薬が発育へ影響を与えることがある

 

「ベースラインリスク」という重要な考え方

ここまで薬が胎児に与える影響を時期別に解説してきたが、もう1つ妊娠中の薬の影響を考える上で非常に重要な概念がある。

それが「ベースラインリスク」だ。

 

薬の影響がなくても、流産や先天的な異常は、どうしても発生してしまう。

具体的にいうと、出生児の100人中3人は、先天的な異常を持って生まれてくる。

これはどんなに頑張っても、避けることができない。

 

要するに、妊娠している以上ゼロリスクはありないということだ。

薬の影響など関係なく、流産または先天的な異常が生じる可能性がある。

これが「ベースラインリスク」である。

 

仮に何らかの異常を持った赤ちゃんが生まれたとしても、薬による影響なのか判定するのは非常に難しいのが現状だ。

つまり妊娠中に薬の服用を控えるのは、あくまでも流産や先天的な異常が生じるリスクが減るというだけで、「ゼロリスクになるわけではない」ということに注意したい。


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