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「漢方薬に副作用はない」は嘘-副作用に注意すべき成分とは-

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「漢方薬に副作用はないんですよね?」

 

このような勘違いをしている人は意外と多い。

残念ながら漢方薬にも、副作用はある。

そこでこの記事では、特に副作用に注意したい漢方薬の成分についてまとめた。

 

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そもそも漢方薬とは?

漢方薬とは「生薬を組み合わせて作られた薬」だ。

生薬とは「薬効を持つ植物や動物または鉱物を有効成分とするもの」で、この複数の生薬を組み合わせて作ったものが漢方薬である。

 

例えば「葛根」や「甘草」、「麻黄」などの生薬を配合させた薬が、風邪薬として有名な「葛根湯」という漢方薬だ。

 

「生薬と漢方薬は同じもの」と勘違いされていることがあるが、実は全く別物なのだ。

(詳しくは以下の記事参照)

>>> 生薬とはどんな薬なのか-生薬と漢方薬の違い-

 

漢方薬に副作用はあるのか

冒頭にも書いたように、「漢方薬だから安全に服用できる」というわけではない。

薬である以上、漢方薬にも副作用は存在する。

 

ただしいわゆる西洋薬(錠剤とかカプセルのような薬)に比べると、副作用の発現率は非常に低くくなっている。

 

【Point!】

漢方薬にも副作用はあるが、副作用の発現率は低い

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気をつけるべき漢方薬の成分

漢方薬の代表的な副作用には「食欲の低下」、「下痢」、「胃の不快感」などがある。

ただし他にも気をつけるべき副作用は多く存在する。

例えば以下に該当する生薬が含まれている場合は、副作用の頻度は高くないものの、副作用に注意したい。

 

▼麻黄(まおう)

麻黄は「交感神経を興奮させる作用」をもつ。

交感神経が興奮することにより、「発汗」や「血圧の上昇」、「動悸」、「頻脈」、「尿が出にくくなる」などの副作用が現れることがある。

 

【麻黄が含まれる主な漢方薬】

◆葛根湯(かっこんとう)

◆麻黄湯(まおうとう)

◆麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

◆小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

 

▼甘草(かんぞう)

甘草は「偽アルドステロン症」と呼ばれる副作用を引き起こすことがある。

偽アルドステロン症の主な症状としては、「むくみ」や「力が入りにくい」などが挙げられる。

 

「甘草が含まれた漢方薬を複数服用している場合」や、「甘草を含む漢方薬と利尿薬を併用している場合」に、偽アルドステロン症は起こりやすい。

 

【甘草が含まれる主な漢方薬】

◆安中散(あんちゅうさん)

◆乙字湯(おつじとう)

◆葛根湯(かっこんとう)

◆加味逍遙散(かみしょうようさん)

◆甘草湯(かんぞうとう)

◆桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

◆芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

 

▼附子(ぶし)

附子が含まれた漢方薬を過量服用すると、「吐き気」や「冷や汗」、「動悸」などの中毒症状が現れることがある。

小児が服用すると中毒症状が現れやすいので、基本的に小児に対しては、附子が含まれた漢方薬は使われない。

 

【附子が含まれる主な漢方薬】

◆牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

◆桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

◆四逆湯(しぎゃくとう)

◆真武湯(しんぶとう)

◆大黄附子湯(だいおうぶしとう)

◆当帰芍薬加附子湯(とうきしゃくやくさんかぶしとう)

◆麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

 

▼大黄(だいおう)

大黄を含む漢方薬を過量服用すると「下痢」や「腹痛」などの症状が現れることがある。

 

【大黄が含まれる主な漢方薬】

◆乙字湯(おつじとう)

◆大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

◆大柴胡湯(だいさいことう)

◆大承気湯(だいじょうきとう)

◆大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)

◆防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

◆桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 

▼地黄(じおう)

地黄が含まれた漢方薬を服用すると「胃の痛み」、「食欲の低下」、「下痢」、「吐き気」などの副作用が現れることがある。

これらの副作用は、胃下垂の人で起こりやすいと言われている。

 

【地黄が含まれる主な漢方薬】

◆温清飲(うんせいいん)

◆牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

◆四物湯(しもつとう)

◆十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

◆疎経活血湯(そけいかっけつとう)

◆八味地黄丸(はちみじおうがん)

 

▼人参(にんじん)

人参が含まれた漢方薬を服用すると「湿疹」、「蕁麻疹」などの皮膚症状が悪化したり、「のぼせ」などが現れることがある。

 

【人参が含まれる主な漢方薬】

◆人参湯(にんじんとう)

◆補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

◆六君子湯(りっくんしとう)

◆十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

◆柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

◆小柴胡湯(しょうさいことう)

◆麦門冬湯(ばくもんどうとう)

 

まとめ

漢方薬は、錠剤やカプセルなどの西洋薬に比べた場合、たしかに副作用がは起こりにくい。

しかし、これは「全く副作用がない」ということを意味するわけではないのだ。

あくまでも「副作用が起こりにくいだけ」ということに注意したい。

 

「漢方薬だから安全」という考えは間違っている。

そのため安易な服用は避けることが望ましい。


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