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【薬剤師が解説】病院で処方される利尿薬の種類と特徴

更新日:

 

病院で処方される利尿薬には、さまざまな種類がある。

 

【主な利尿薬】

  • ループ利尿薬
  • チアジド系利尿薬
  • アルドステロン拮抗薬
  • 炭酸脱水酵素阻害薬
  • バソプレシン受容体拮抗薬

 

そこでこの記事では、主な利尿薬の種類や特徴についてまとめてみた。

 

では本題へ。

 

 

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ループ利尿薬

 

ループ利尿薬の特徴

腎臓の尿細管には、尿中の水分を血管へ取り込むヘンレループと呼ばれる部位がある。

このヘンレループから水分が血管へ吸収されることにより、浮腫(むくみ)が生じてしまう。

 

つまりヘンレループから水分が取り込まれないようにすれば、尿中に排泄される水分を増やすことができる

その結果、体内の水分量を減らせるというわけだ。

 

このような作用機序で利尿作用を発揮するのが、ループ利尿薬である。

 

ループ利尿薬

 

ループ利尿薬の種類

ラシックス(成分名:フロセミド)の特徴

  • 短時間作用型のループ利尿薬
  • 浮腫(むくみ)だけでなく、尿路結石排出促進や高血圧、生理前の緊張に対しても使われる
  • 錠剤、粉、注射の3タイプが販売されている

 

ルプラック(成分名:トラセミド)の特徴

  • 短時間作用型のループ利尿薬
  • 高血圧に対しては使われない
  • ループ利尿薬で起こりがちな低カリウム血症を起こしにくい
  • ラシックスに比べて利尿作用が約10~30倍、抗浮腫作用で約10倍強力

 

ダイアート(成分名:アゾゼミド)の特徴

  • 長時間作用型のループ利尿薬
  • 高血圧に対しては使われない

 

ループ利尿薬の主な副作用

  • 血圧低下
  • 低カリウム血症(力が入らない、筋肉の痛み・けいれん)
  • 尿酸値の上昇(足指・手指の付け根の痛み)

 

 

サイアザイド系利尿薬

 

サイアザイド系利尿薬の特徴

腎臓の尿細管には、尿中の水分を血管へ取り込む遠位尿細管と呼ばれる部位がある。

この遠位尿細管から水分が血管へ吸収されることにより、浮腫(むくみ)が生じてしまう。

 

つまり遠位尿細管から水分が取り込まれないようにすれば、尿中に排泄される水分が増やることができる

その結果、体内の水分量を減らせるというわけだ。

 

このような作用機序で利尿作用を発揮するのが、サイアザイド利尿薬である。

 

チアジド系利尿薬

 

 

サイアザイド系利尿薬の種類

フルイトラン(成分名:トリクロルメチアジド)の特徴

  • 作用は弱め
  • 1日1回の服用で24時間作用が持続する
  • 高血圧治療における第一選択薬の1つ

 

サイアザイド系利尿薬の主な副作用

  • 血圧低下
  • 低カリウム血症(力が入らない、筋肉の痛み・けいれん)
  • 尿酸値の上昇(足指・手指の付け根の痛み)

 

 

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アルドステロン拮抗薬

 

アルドステロン拮抗薬の特徴

腎臓の尿細管には、尿中の水分を血管へ取り込む遠位尿細管と呼ばれる部位がある。

この遠位尿細管から水分が血管へ吸収されることにより、浮腫(むくみ)が生じてしまう。

 

つまり遠位尿細管から水分が取り込まれないようにすれば、尿中に排泄される水分が増やることができる

その結果、体内の水分量を減らせるというわけだ。

 

このような作用機序で利尿作用を発揮するのが、アルドステロン拮抗薬である。

 

アルドステロン拮抗薬

 

 

アルドステロン拮抗薬の種類

アルダクトンA(成分名:スピロノラクトン)の特徴

  • 効果の持続時間が長い(48〜72時間)
  • 免疫抑制薬や副腎皮質ホルモン合成阻害薬と併用できない
  • 錠剤、細粒の2タイプが販売されている
  • 高血圧に対して使われることがある

 

アルドステロン拮抗薬の主な副作用

  • 女性ホルモン様作用(乳房のしこり・痛み・はれ)
  • 高カリウム血症(手足に力が入らない、筋肉のけいれん、吐き気、下痢、食欲の低下)

 

 

炭酸脱水酵素阻害薬

 

炭酸脱水酵素阻害薬の特徴

炭酸脱水素酵素は、体内でNaとHを交換する機能に関与している

 

炭酸脱水素酵素によって、まず炭酸(H2CO3) がHとHCO3に分かれる。

このとき作られたHはNaと交換されて尿中へ排泄され、逆にNaは体内に再吸収されることになる。

 

しかしNaが再吸収されるとき、水も一緒に再吸収されてしまう。

その結果、浮腫が生じてしまうのだ。

 

つまり炭酸脱水素酵素の働きを阻害すれば、HとNaの交換がされず、結果的に水の再吸収もされなくなるので、浮腫を改善できることが分かる。

 

このような考えのもと開発されたのが、炭酸脱水素酵素阻害薬だ。

炭酸脱水素酵素阻害薬は、近位尿細管におけるH-Na交換系の働きを阻害して利尿作用を発揮する。

 

炭酸脱水酵素阻害薬の種類

ダイアモックス(成分名:アセタゾラミド)の特徴

  • 利尿作用は弱く、浮腫に対して使われることは少なめ
  • 高血圧に対しては使われない
  • 眼圧を下げる、てんかん発作の抑制、めまい・睡眠時無呼吸症候群の改善、生理前の緊張に対して使われることがある

 

炭酸脱水酵素阻害薬の主な副作用

  • 手指・足先などのしびれ
  • 頻尿・多尿

 

 

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バソプレシン受容体拮抗薬

 

バソプレシン受容体拮抗薬の特徴

腎臓には集合管と呼ばれる部位があり、ここで水は再吸収されている。

ここから分かるのは、集合管での水の再吸収を抑制すれば尿量が増えるので、浮腫を改善できるということだ。

 

集合管での水の再吸収に関与しているのが、バソプレシンV2受容体である。

バソプレシンV2受容体の働きを阻害すれば水の再吸収が行われないので、尿量が増えて体内に貯留した水分が排出されるようになるというわけだ。

 

このような作用機序により浮腫を改善するのがバソプレシン受容体拮抗薬である。

 

バソプレシン受容体拮抗薬の種類

サムスカ(成分名:トルバプタン)の特徴

  • 他の利尿薬で効果が不十分な場合に使われる
  • 妊婦・妊娠可能性のある女性は使用できない
  • 錠剤タイプと粉薬タイプが販売されている

 

バソプレシン受容体拮抗薬の主な副作用

  • 口の渇き
  • 頻尿
  • 多尿
  • 頭痛

 

参考資料

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