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週刊 薬剤師日記

PHARMACY

【薬剤師が解説】病院で処方される主な抗うつ薬の種類と特徴

更新日:

 

病院で処方される抗うつ薬には、さまざまな種類がある。

 

【主な抗うつ薬】

  • SSRI
  • SNRI
  • 三環系抗うつ薬
  • 四環系抗うつ薬
  • ドパミン受容体部分作動薬
  • SARI
  • ドパミンD2受容体遮断薬

 

そこでこの記事では、主な抗うつ薬の種類や特徴についてまとめてみた。

 

では本題へ。

 

 

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SSRI

 

SSRIの特徴

うつ病の原因の1つが、セロトニンの減少だ。

セロトニンは感情を形成する神経伝達物質で、脳内におけるセロトニンの量が減ると感情に関する情報をうまく伝えられなくなってしまう。

 

ここから分かることは、うつ病を改善するには脳内のセロトニン量を増やせば良いということだ。

 

セロトニンは脳の神経終末から放出される。

そして脳から放出されたセロトニンは、セロトニントランスポーターによって再び神経細胞へ回収されていく。

 

つまりセロトニンを増やすには、セロトニントランスポーターの働きを阻害し、セロトニンが回収されないようにすれば良い

 

放出されたセロトニンが回収されなければ脳内のセロトニン量が増えるので、うつ病の症状を改善できるというわけだ。

このような作用機序により、うつ病を改善するのがSSRIである。

 

SSRI 作用機序

 

SSRIの種類

パキシル(成分名:パロキセチン)の特徴

  • 1日1回の服用で効果を示す
  • 非線形の薬物動態となっているため、少量からの服用が推奨されている
  • 海外で実施した7〜18歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験において有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺に関するリスクが増加するとの報告がある
  • 強迫性障害、社会不安障害、パニック障害などにも使われる
  • 普通錠のほかにCR錠も販売されてる

 

 

ポイント

CR錠は、胃で溶けずに腸で溶けるようコーティングされている。

胃を通過した後に少しずつ薬が溶け出すため、普通錠に比べると受容体への急激な刺激がなく、吐き気などの副作用が現れにくい。

 

ルボックス・デプロメール(成分名:フルボキサミン)の特徴

  • 日本初のSSRI
  • 1日2回服用タイプ
  • CYP1A2、CYP2C19、CYP3A4の働きを阻害する作用があるため、注意が必要な薬の相互作用が多め
  • 強迫性障害、社会不安障害などにも使われる

 

ジェイゾロフト(成分名:セルトラリン)の特徴

  • 1日1回服用タイプ
  • 社会不安障害にも使われる

 

レクサプロ(成分名:エスシタプラム)の特徴

  • 1日1回服用タイプ
  • 社会不安障害にも使われる
  • SSRIは少しずつ治療に必要な用量まで増やしていくが、レクサプロは飲み始めの段階から治療に必要な用量を服用できる

 

SSRIの主な副作用

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 乳汁がでる、生理不順(女性)
  • 性欲減退、勃起不全(男性)

 

 

SNRI

 

SNRIの特徴

脳内におけるセロトニンやノルアドレナリンの量が減ると、うつ病の症状が引き起こされる。

 

セロトニンは感情に、ノルアドレナリンは意欲に関与しており、これらの神経伝達物質が減ると、感情や意欲に関する情報をうまく伝えられなくなってしまう。

 

ここから分かることは、うつ病を改善するには脳内のセロトニン・ノルアドレナリンの量を増やせば良いということだ。

 

セロトニンとノルアドレナリンは脳の神経終末から放出される。

そして脳から放出されたセロトニン・ノルアドレナリンは、トランスポーターによって再び神経細胞へ回収されていく。

 

つまりセロトニン・ノルアドレナリンを増やすには、トランスポーターの働きを阻害し、セロトニン・ノルアドレナリンが回収されないようにすれば良い

 

放出されたセロトニン・ノルアドレナリンが回収されなければ脳内のセロトニン・ノルアドレナリン量が増えるので、うつ病の症状を改善できるというわけだ。

 

このような作用機序により、うつ病を改善するのがSNRIである。

 

 

SNRIの種類

トレドミン(成分名:ミルナシプラン)の特徴

  •  日本初のSNRI
  • CYPによる代謝が行われないので、薬物相互作用が少なめ

 

サインバルタ(成分名:デュロキセチン)の特徴

  • 1日1回服用タイプ
  • 糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症に伴う痛み止めとしても使われる

 

イフェクサー(成分名:ベンラファキシン)の特徴

  • 1日1回服用タイプ
  • 海外での使用経験が多く、高い有効性・忍容性(飲み続けやすさ)が認められている

 

SNRIの主な副作用

  • 尿量が少ない
  • 頭痛
  • 頻脈
  • 血圧上昇
  • 乳汁がでる、生理不順(女性)
  • 性欲減退、勃起不全(男性)

 

 

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三環系抗うつ薬

 

三環系抗うつ薬の特徴

脳内におけるセロトニンやノルアドレナリンの量が減ると、うつ病の症状が引き起こされる。

 

セロトニンは感情に、ノルアドレナリンは意欲に関与しており、これらの神経伝達物質が減ると、感情や意欲に関する情報をうまく伝えられなくなってしまう。

 

ここから分かることは、うつ病を改善するには脳内のセロトニン・ノルアドレナリンの量を増やせば良いということだ。

 

セロトニンとノルアドレナリンは脳の神経終末から放出される。

そして脳から放出されたセロトニン・ノルアドレナリンは、トランスポーターによって再び神経細胞へ回収されていく。

 

つまりセロトニン・ノルアドレナリンを増やすには、トランスポーターの働きを阻害し、セロトニン・ノルアドレナリンが回収されないようにすれば良い

 

放出されたセロトニン・ノルアドレナリンが回収されなければ脳内のセロトニン・ノルアドレナリン量が増えるので、うつ病の症状を改善できるというわけだ。

 

このような作用機序により、うつ病を改善するのが三環系抗うつ薬である。

 

三環系抗うつ薬 作用機序

 

三環系抗うつ薬の種類

アナフラニール(成分名:クロミプラミン)の特徴

  • 第一世代三環系抗うつ薬
  • 錠剤タイプと注射タイプが販売されている
  • ナルコレプシー(日中に起こる過剰な眠気)に伴う情動脱力発作に対して使われることがある
  • 遺尿症(おねしょ)に対して使われることがある(抗コリン作用により膀胱の収縮が抑制されるため)

 

トフラニール(成分名:イミプラミン)の特徴

  • 第一世代三環系抗うつ薬
  • 遺尿症(おねしょ)に対して使われることがある(抗コリン作用により膀胱の収縮が抑制されるため)

 

トリプタノール(成分名:アミトリプチリン)の特徴

  • 第一世代三環系抗うつ薬
  • 遺尿症(おねしょ)に対して使われることがある(抗コリン作用により膀胱の収縮が抑制されるため)
  • 末梢性神経障害性疼痛に対して使われることがある

 

ノリトレン(成分名:ノリトリプチリン)の特徴

  • 第一世代三環系抗うつ薬
  • 三環系抗うつ薬の中ではセロトニンの取り込み阻害作用が弱い

 

アモキサンカプセル(成分名:アモキサピン)の特徴

  • 第二世代三環系抗うつ薬
  • 三環系抗うつ薬の中ではセロトニンの取り込み阻害作用が弱い

 

アンプリット(成分名:ロフェプラミン)の特徴

  • 第二世代三環系抗うつ薬
  • 三環系抗うつ薬の中では抗コリン作用が弱め

 

プロチアデン(成分名:ドスレピン)の特徴

  • 第二世代三環系抗うつ薬

 

ポイント

第二世代三環系抗うつ薬は、第一世代三環系抗抗うつ薬によく見られるH1受容体やM受容体、α1受容体、α2受容体、5-HT2受容体、D2受容体遮断作用が少ない

 

三環系抗うつ薬の主な副作用

  • 便秘
  • 口の渇き
  • 尿が出にくい
  • 目のぼやけ
  • 立ちくらみ
  • 眠気
  • 体重増加

 

 

四環系抗うつ薬

 

四環系抗うつ薬の特徴

うつ病の原因の1つが、ノルアドレナリンの減少だ。

ノルアドレナリンは意欲・関心を形成する神経伝達物質で、脳内におけるノルアドレナリンの量が減ると意欲・関心に関する情報をうまく伝えられなくなってしまう。

 

ここから分かることは、うつ病を改善するには脳内のノルアドレナリン量を増やせば良いということだ。

 

ノルアドレナリンは脳の神経終末から放出される。

そして脳から放出されたノルアドレナリンは、ノルアドレナリントランスポーターによって再び神経細胞へ回収されていく。

 

つまりノルアドレナリンを増やすには、ノルアドレナリントランスポーターの働きを阻害し、ノルアドレナリンが回収されないようにすれば良い

 

放出されたノルアドレナリンが回収されなければ脳内のノルアドレナリン量が増えるので、うつ病の症状を改善できるというわけだ。

このような作用機序により、うつ病を改善するのが四環系抗うつ薬である。

 

四環系抗うつ薬の種類

ルジオミール(成分名:マプロチリン)の特徴

  • 四環系抗うつ薬の中で、もっともノルアドレナリンの再取り込み阻害作用が強い
  • てんかんを始めとする痙攣性の疾患のある人は服用できない(服用量が多いとけいれんが発現しやすくなるとの報告があるため)

 

テトラミド(成分名:ミアンセリン)の特徴

  • α2受容体を遮断してノルアドレナリンの放出を促すことにより抗うつ作用を示す
  • ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用は弱め

 

テシプール(成分名:セチプリル)の特徴

  • ノルアドレナリン再取り込み阻害作用はなく、α2受容体を遮断してノルアドレナリンの放出を促すことにより抗うつ作用を示す

 

四環系抗うつ薬の主な副作用

  • 便秘
  • 口の渇き
  • 尿が出にくい
  • 目のぼやけ
  • 立ちくらみ
  • 眠気
  • 体重増加

 

 

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NaSSA

 

NaSSAの特徴

セロトニンやノルアドレナリンが減少すると、うつ病の症状が引き起こされる。

つまり脳内のセロトニン・ノルアドレナリンの量を増やせれば、うつ病を改善できるということだ。

 

セロトニンが作用する受容体は、大きく分けて3つある。

それが「5-HT₁受容体」、「5-HT₂受容体」、「5-HT₃受容体」だ。

 

この中でも抗うつ作用に関与しているのが、「5-HT₁受容体」である。

つまり5-HT₁受容体にセロトニンが作用すれば、抗うつ作用を示すということだ。

 

NaSSAは、3つの受容体のうち5-HT₂受容体・5-HT₃受容体のみを阻害する

そして、抗うつ作用のある5-HT₁受容体は阻害しない。

 

要するに、セロトニンが5-HT₂受容体と5-HT₃受容体に結合できなくなるので、結合できる受容体が「5-HT₁受容体だけ」になるのだ。

その結果、NaSSAは、抗うつ作用を示すのである。

 

 

またNaSSAは、セロトニンの作用を増強させるだけでなく、ノルアドレナリンの放出を促す作用も併せ持つ

 

ノルアドレナリンの放出に関与しているのがα₂受容体だ。

α₂受容体は刺激されることによって、ノルアドレナリンの放出を抑制する。

 

ここから分かることは、α₂受容体が遮断されれば、ノルアドレナリンの量を増やせるということだ。

ノルアドレナリン濃度が上昇した結果、うつ症状の改善を期待できる。

 

 

NaSSA作用機序1

 

以上のような作用機序により、抗うつ作用を示すのがNaSSAである。

 

NaSSAの種類

リフレックス・レメロン(成分名:ミルタザピン)の特徴

  • 1日1回服用タイプ
  • SNRIやSSRIに比べて効果の発現が早い
  • CYPによる代謝を受けないので、薬物相互作用が少ない

 

NaSSAの主な副作用

  • 眠気
  • 不眠
  • 体重増加

 

SARI

 

SARIの特徴

うつ病の原因の1つが、セロトニンの減少だ。

セロトニンは感情を形成する神経伝達物質で、脳内におけるセロトニンの量が減ると感情に関する情報をうまく伝えられなくなってしまう。

 

ここから分かることは、うつ病を改善するには脳内のセロトニン量を増やせば良いということだ。

 

セロトニンは脳の神経終末から放出される。

そして脳から放出されたセロトニンは、セロトニントランスポーターによって再び神経細胞へ回収されていく。

 

つまりセロトニンを増やすには、セロトニントランスポーターの働きを阻害し、セロトニンが回収されないようにすれば良い

 

放出されたセロトニンが回収されなければ脳内のセロトニン量が増えるので、うつ病の症状を改善できるというわけだ。

 

レスリン、デジレルの作用機序

 

また、SARIは5-HT2受容体阻害作用を併せ持っている。

5-HT2受容体を阻害することにより、鎮静作用を発揮するため、睡眠障害を伴ううつ病に対して使われる。

 

以上のような作用機序により、うつ病を改善するのがSARIだ。

 

SARIの種類

レスリン・デジレル(成分名:トラゾドン)の特徴

  • 5-HT2受容体阻害による鎮静作用により睡眠障害のあるうつ病に対して使われる
  • 抗うつ薬によく見られる体重増加が起こりにくい

 

SARIの主な副作用

  • 立ちくらみ
  • めまい・ふらつき

 

 

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ドパミンD2受容体遮断薬

 

ドパミンD2受容体遮断薬の特徴

うつの原因の1つが、ドパミンの減少である。

ここから分かることは、ドパミンの量を増やせれば、うつ症状を改善できるということだ。

 

ドパミン分泌のコントロールには、ドパミン自己受容体が関与している。

ドパミンD2受容体遮断薬は、このドパミン自己受容体を遮断する。

 

そうするとドパミンの分泌が少ないと体が錯覚して、ドパミン分泌を促すようになるのだ。

このようにドパミン分泌が促進された結果、抗うつ作用を発揮するのである。

 

ドパミンD2受容体遮断薬の種類

ドグマチール・アビリット(成分名:スルピリド)の特徴

  • 胃薬や統合失調症治療薬としても使われる

 

ドパミンD2受容体遮断薬の主な副作用

  • 遅発性ジスキネジア(歩き方がおかしい、首が傾くなど)
  • パーキンソン症状(手足のこわばり、手の震え、顔が引きつるなど)
  • 月経以上、乳汁分泌

 

 

参考資料

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