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【薬剤師が解説】アルツハイマー型認知症治療薬の種類と特徴

更新日:

 

病院で処方されるアルツハイマー型認知症の薬には、さまざまな種類がある。

 

【主なアルツハイマー型認知症治療薬】

  • アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
  • NMDA受容体拮抗薬

 

そこでこの記事では、主なアルツハイマー型認知症治療薬の種類や特徴についてまとめてみた。

 

では本題へ。

 

 

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アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の特徴

ヒトの記憶には、アセチルコリンと呼ばれる情報を伝達する物質が大きく関与している

 

アルツハイマー型認知症では、脳にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が蓄積していく。

 

βアミロイドが脳に蓄積していくと、記憶に関与する海馬という場所で情報を伝達しているアセチルコリンが少なくなってしまう

 

その結果、情報のやりとりが行われにくくなり、「記憶がすっぽりと抜け落ちる」といったアルツハイマー型認知症の症状が現れるようになる。

 

ここから分かることは、アセチルコリンの量を増やせれば、アルツハイマー型認知症の症状を改善できるということだ。

 

脳内では、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)と呼ばれる酵素が、アセチルコリンを分解している。

 

つまり、アセチルコリンエステラーゼの働きを抑えてやれば、アセチルコリンの量は減りにくくなるのだ。

 

このような考えにより開発されたのが、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬である。

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬 作用機序

 

ポイント

アセチルコリンの分解を抑制して、記憶力の低下を改善する

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の種類

アリセプト(成分名:ドネペジル)の特徴

  • 重症度に関係なく使える薬
  • 1日1回服用タイプ
  • 普通錠、口腔内崩壊錠(口の中で溶ける)、ゼリー、ドライシロップの4種類が販売されている
  • アルツハイマー型認知症だけでなく、レビー小体型認知症にも使われる
  • 認知症にともなう不安・抑うつも和らげる
  • あくまでも症状の進行を遅らせる薬

 

レミニール(成分名:ガランタミン)の特徴

  • 軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症に使われる
  • 1日2回服用タイプ
  • 普通錠、口腔内崩壊錠(口の中で溶ける)、液体タイプの3種類が販売されている
  • あくまでも症状の進行を遅らせる薬

 

イクセロン・リバスタッチ(成分名:リバスチグミン)の特徴

  • 軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症に使われる
  • 貼り薬のみ販売
  • あくまでも症状の進行を遅らせる薬

 

ポイント

【レビー小体型認知症の主な症状

  • 会話や周りの状況への理解力が日によって大きく変わる
  • 実際にないものが見える(幻視)
  • 体の動きが遅くなる、手が震えるなど(パーキンソン症状)

 

ポイント

【軽度アルツハイマー型認知症の主な症状】

  • 約束ごとを忘れる
  • 物を置き忘れる

【中等度アルツハイマー型認知症の主な症状】

  • テレビや雑誌などに関心がなくなる
  • 最近あった出来事をすっかり忘れてしまう

【重度アルツハイマー型認知症の主な症状】

  • トイレの水を流せない
  • 入浴を嫌がる
  • シャツのボタンを留められない

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の主な副作用

  • 食欲の低下
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 下痢
  • めまい
  • 頭痛
  • 眠気

 

 

NMDA受容体拮抗薬

 

NMDA受容体拮抗薬の特徴

ヒトの記憶を伝達する物質の一つにグルタミン酸がある。

 

何かを記憶しようとしている時、グルタミン酸は大量に放出されるようになる

 

例えば、勉強して何を覚えようとしている時に、グルタミン酸は放出されやすい。

グルタミン酸仮説

アルツハイマー型認知症では、グルタミン酸が過剰に放出された状態になっている。

 

「グルタミン酸がたくさん放出されるなら、いろんなことを覚えられて良いじゃん」と思うかもしれないが、グルタミン酸がたくさん放出されたとしても記憶力が高まることはない。

 

なぜなら、グルタミン酸は「記憶をするか・しないか」の区別をするだけだからだ。

 

要するに、「グルタミン酸が出ているときは記憶する」、「グルタミン酸が出ないときは記憶しない」というように区別しているのである。

 

そのため、グルタミン酸が過剰に放出された状態だと、脳は何を記憶をすれば良いのか分からなくなってしまう

 

ポイント

グルタミン酸は記憶するか・しないかの区別をしている

 

要するに、グルタミン酸の過剰な放出を改善してやれば、ちゃんと記憶できるということを意味する。

 

このような考えにより開発されたのが、NMDA受容体拮抗薬だ。

 

NMDA受容体拮抗薬は、NMDA受容体をブロックし、グルタミン酸の過剰な流入を防ぐ。

 

より具体的に言うと、グルタミン酸が過剰に放出されていれば、NMDA受容体(グルタミン受容体)をブロックし、記憶を形成する際の正常な量であれば遮断しないという、弱いNMDA受容体拮抗作用によって、アルツハイマー型認知症に対して有効なのだ。

 

ポイント

【NMDA受容体拮抗薬の作用】

グルタミン酸が多い:NMDA受容体を遮断

グルタミン酸が正常:NMDA受容体を遮断しない

 

 

NMDA受容体拮抗薬の種類

メマリー(成分名:メマンチン)の特徴

  • 中等度・高等度の認知症に使われる
  • 1日1回服用
  • 普通錠、口腔内崩壊錠(口の中で溶ける)、ドライシロップ
  • アセチルコリンエステラーゼ阻害薬に比べて、めまいの副作用が出やすい
  • 認知症にともなう興奮・攻撃性も和らげる
  • あくまでも症状の進行を遅らせる薬

 

NMDA受容体拮抗薬の主な副作用

  • めまい
  • 便秘
  • 体重減少
  • 頭痛

 

 

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参考資料

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