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アンテドラッグとプロドラッグの違い-それぞれの作用と代表的な薬-

更新日:

薬はその効果を最大限に発揮するために工夫されて作られている。

その工夫の代表例が「アンテドラッグ」と「プロドラッグ」だ。

 

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アンテドラッグとは

アンテドラッグとは代謝されると失活する薬のことを指す。

「代謝されると失活する薬」と言われても、理解するのが難しいと思うので簡単な例を出そう。

 

例えばアンテドラッグの代表的な薬として、ステロイド配合の塗り薬がある。

このアンテドラッグの塗り薬を塗ると一体どうなるのか。

 

結論から言うと、塗った部位ではその効果を発揮するが、皮膚の中に吸収され代謝されると作用がなくなる

 

【アンテドラッグの働き】

アンテドラッグ化された薬を皮膚に塗る

塗った部位で作用を発揮

有効成分が皮膚の中に吸収される

有効成分が代謝される

作用がなくなる

 

つまり、アンテドラッグ化したステロイド塗り薬を使うと、塗った部位では炎症を抑える作用を発揮するが、体内に吸収されると薬としての作用が消失するのである。

 

アンテドラッグ化する意味

では、アンテドラッグ化する意味はいったい何なのか。

それはズバリ「副作用を軽減できる」ことである。

 

例えば、アンテドラッグ化することにより副作用を軽減できた薬として、活性型ビタミンD3製剤がある。

活性型ビタミンD3製剤は使う量が多いと、急性腎不全や高カルシウム血症といった副作用が発生する可能性があった。

 

しかし、活性型ビタミンD3製剤であるオキサロール(成分名:マキサカルシトール)は違う。

オキサロール(成分名:マキサカルシトール)はアンテドラッグ化した塗り薬なので、塗った部位ではその作用を発揮するが吸収されると作用がなくなる

つまり、前述の急性腎不全や高カルシウム血症といった副作用を軽減することができるのである。

 

このようにアンテドラッグ化することにより、副作用の発生率を軽減することができるのだ。

以下に代表的なアンテドラッグを挙げる。

 

【アンテドラッグの代表例】

◆オキサロール(成分名:マキサカルシトール)

◆マイザー(成分名:ジプルプレナード)

◆リドメックスコーワ(成分名:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)

◆アンテベート(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)

 

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プロドラッグとは

プロドラッグとは、代謝されると活性化する薬のことを指す。

つまり、アンテドラッグとは逆の作用ということだ。

 

プロドラッグ化された薬には内服薬が多い。

例えば痛み止めであるロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)は、プロドラッグ化された薬の代表薬である。

 

プロドラッグ化する意味

では、プロドラッグ化することのメリットには、どのようなものがあるのだろうか。

プロドラッグ化することのメリットを大別すると、以下の4つが挙げられる。

 

【プロドラッグ化するメリット】

1:体内への吸収を良くする

2:作用してほしい部位に効率よく到達できる

3:副作用を軽減できる

4:作用時間が長くなる

 

1:体内への吸収を良くする

薬は腸から吸収されることによって作用を発揮する。

そのため、いかに効率よく吸収されるかが非常に重要となってくる。

吸収されにくい薬だと、その効果が十分に発揮されないのだ。

 

そこで、プロドラッグ化することにより薬が吸収されやすくする。

こうすることにより薬が効率的に吸収されるので、薬の作用を高めることができるのである。

 

2:作用してほしい部位に効率よく到達できる

薬は作用部位に到達することによって作用を発揮する。

もっともイメージしやすいのは気管支喘息の薬だろう。

気管支喘息の薬は気管支に作用することによって、その作用を発揮する。

 

このように作用してほしい部位に到達することは、薬にとって非常に重要なのだ。

プロドラッグ化は「作用してほしい部位に効率よく到達できる」という点でも非常に優れている。

 

作用してほしい部位に効率よく到達させるためにプロドラッグ化した代表的な例としては、パーキンソン病治療薬のレボドパがある。

この薬の有効成分は脳で作用する必要があるのだが、プロドラッグ化していない状態では血脳関門というバリアに阻まれて脳へ入ることができない。

 

そこで薬をプロドラッグ化する。

プロドラッグ化することにより、血液脳関門を通過することができるようになり、効率的に脳へと到達できるようになるのである。

 

3:副作用を軽減できる

プロドラッグ化することにより、副作用を軽減することも可能だ。

先ほど少し触れた、痛み止めのロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)は副作用を軽減する目的でプロドラッグ化された薬である。

 

ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)のような痛み止めは副作用として胃腸障害がある。

では、胃腸障害の副作用を避けるには一体どうすれば良いのか。

 

答えは非常にシンプルで、胃腸に作用しなければ良い

プロドラッグ化して、胃腸に作用せず体に吸収されてから作用を発揮させれば副作用を軽減できるのである。

 

4:作用時間が長くなる

作用時間を長くする目的でもプロドラッグ化されることがある。

例えば抗がん剤のテガフールは、作用時間を長くする目的でプロドラッグ化された薬だ。

 

どのように作用時間を長くするかというと、少しずつ有効成分に変換されるように設計されている。

テガフールの有効成分はフルオロウラシルと呼ばれる物質だ。

しかし、フルオロウラシルのままではすぐに体内から消えてしまう。

 

そこで、この問題を解決するためにプロドラッグ化する。

具体的にいうと、テガフールは少しずつ少しずつ抗がん作用のあるフルオロウラシルに変換されるように設計されている

こうすることにより、作用時間を長くすることができるのである。

 

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まとめ

まとめると以下のようになる。

 

【アンテドラッグとは】

◆代謝されると失活する

 

【代表的なアンテドラッグ】

◆オキサロール(成分名:マキサカルシトール)

◆マイザー(成分名:ジプルプレナード)

◆リドメックスコーワ(成分名:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)

◆アンテベート(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)

 

【プロドラッグとは】

◆代謝されると活性化する

 

【代表的なプロドラッグ】

ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)

◆レボドパ

◆テガフール

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