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週刊 薬剤師日記

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薬局に「お金はないけど薬がほしい」という外国人が来た時の対処法

更新日:

 

外国人の医療費未払い 病院の約2割が経験 総額9300万円という記事を読んだ。

 

「訪日外国人が増えているから病院も大変だなぁ」と、薬局で働いている僕は他人事のように感じていたのだけど、この前たまたま薬局に「お金がないけど薬がほしい」という外国人が来て、医療費を払えない外国人の対応をすることになってしまった。

 

東京オリンピックもあるし、こういう外国人は増えていくはずだ。

そこでこの記事では「お金がないけど薬がほしい」という外国人が薬局に来たとき、実際どんな対応をしたのかまとめてみた。

 

何かしらの参考になれば嬉しい。

 

注意

特定を避けるために、話の趣旨が変わらない程度に、表現をボヤかしたりウソの設定をところどころ織り交ぜています。

 

 

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お金がない外国人は病院で診察してもらえるのか

 

お昼前くらいに、薬局に手ぶらで外国人がやってきた。

スペインから観光で来日したらしい。

 

毎日服用しなければならない薬を無くしてしまった外国人観光客

彼女は英語が少しできたので、英語で対応することに。

 

話を聞いてみると、彼女は病気を患っており毎日薬を飲まないといけないのだが、バッグごと荷物を紛失してしまい、薬もないしお金もない状況に陥ってしまったとのことだった。

 

彼女の病気は、医療従事者であれば「定期的に薬を飲まなければならない」と一瞬で分かる病気で、絶対に薬が必要だった。

けど、処方箋がないことには薬を渡すことはできない。(そもそもお金がないと薬を買えない)

 

で、まず何をしたかというと、外国人対応専門のスタッフを抱えている大きめの病院に電話をして、診てもらえるかを確認することにした。

 

結果:支払いの見通しがないと病院では診てもらえない

僕は

「薬とお金をなくした外国人観光客がいらっしゃってるんですけど、そちらの病院で処方箋を書いてもらえたりできますかね?」

と病院に電話をした。

 

で、回答はNo。

支払いの見通しがないと、診察はできないそうだ。

 

まぁ、普通に考えて当たり前である。

病院はボランティアで運営してるんじゃないんだから、お金がない外国人を無料で診察するなんてことはできない。

 

「完全に詰んだ。。。」

そう思ったとき、薬局のスタッフが良い考えを思いつく。

 

 

お金がないけど治療が必要な外国人が薬局に来たら大使館に連絡を

 

その良い考えというのが、大使館への連絡である。

 

駐日大使館の役割の1つに自国民の保護がある

大使館の仕事は、

  • 在外選挙の受付
  • ビジネスの支援
  • 広報

など多岐に渡る。

 

で、大使館の様々な仕事の中には、

  • 自国民の保護

があるのだ。

 

「きっと大使館なら助けてくれるはず!」

最後の望みをかけて、大使館へ電話をすることに。

 

大使館が外国人観光客に指示を出してくれる

大使館に電話をかけると、

「対応ありがとうございました。本人に代わっていただけますか?」

と言われたので、本人に電話を代わった。

 

電話を代わると、外国人観光客はスペイン語で大使館の人と話し始めた。

どうやら、先ほど僕が電話をした病院の話をしているらしい。

 

5分くらいして電話を切ると、彼女は日本語で

「ありがとうございました。」

と安堵の表情を浮かべながら言った。

 

どうやら、大使館の方でお金はなんとかしてもらえることになったらしい。

最後に病院への行き方を簡単に教えて、無事に対応が終わった。

 

本当によかった。

精神的にドッと疲れたのは言うまでもない。

 

荷物を全て紛失したら大使館に頼るのが当たり前とのこと

僕には海外旅行が好きな友人がいる。

彼は荷物を全部盗まれて大使館のお世話になったことがあるらしいのだけど、彼が言うには「荷物が全部なくなったら大使館に頼るのが当たり前」らしい。

 

このとき重要なのが、まずは現地の警察に行って盗難証明書(or紛失証明書)をもらうことである。

荷物を全部盗まれた(なくした)場合、盗難証明書(or紛失証明書)がないとパスポートの再発行をしてもらうのが難しいからだ。

 

今回、この点について外国人観光客に教えてあげられなかったので、もし次があれば今回の反省を活かしたいと思う。(国によって大使館の対応に違いがあるかもしれないが)

 

 

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英語対応に不安がある薬剤師にオススメの方法

 

最後に英語対応に不安がある薬剤師にオススメの方法を紹介しておきたい。

僕は一応TOEIC900点や、通訳案内士の資格を持っているので、多少は参考になるかと思う。

 

外国人患者の対応にはGoogle翻訳が便利

結論から言うと、英語対応に不安のある薬剤師は、Google翻訳を使ってコミュニケーションを取ると良いだろう。

 

Google翻訳は直感的にも使いやすい上、何より無料だ。

気軽に使えると言う点で、Google翻訳より良いコミュニケーション手段はないと思う。

 

一昔前のGoogle翻訳は、正直かなりひどかった。

意味不明な不自然な文章に翻訳されるのが当たり前だったのだ。

 

でも、最近は機械学習(いわゆるAI)のおかげで、Google翻訳の精度が飛躍的に上がっている

驚くほど自然な文章に訳してくれるのである。

 

Googole翻訳は、今やとても心強いツールとなっているので、ちゃんと薬局のPCにブックマークしておこう。

 

ポイント

 

Google翻訳で外国人患者の対応をする時の注意点

ただしGoogle翻訳の精度が高くなっているといっても、使用するときにいくつか注意すべき点がある。

 

個人的に以下の2つは、特に重要なので気をつけてほしい。

 

1:主語や目的語をちゃんと入力する

外国人患者に伝えたいことがある場合、日本語をGoogle翻訳に入力することになる。

このとき、主語や目的語を省略せずにちゃんと入力しよう

 

日本語は主語がなくても意味が通じてしまう言語だ。

例えば、「愛してる」と言われた場合、主語(私は)と目的語(あなたを)が省略されていても意味はちゃんと分かる。

 

けど、英語で「Love」と言っても、意図が伝わることはない。

「I」という主語と「you」という目的語がないと、愛してると伝わらないのだ。

 

以前の記事でも書いたけど、コンピュータは言葉の意味を理解しているわけではない

 

例を出すと、日本語の文章とそれに対応した英語の文章を大量に用意し、こんな日本語が入力されたらこんな英語に翻訳する、といったアルゴリズムを使って統計的に正解に近い翻訳を導き出しているだけなのだ。

 

だからこそ、コンピュータが翻訳しやすい日本語を入力する必要がある

その一つの手段が、主語や目的語などの省略を避けることなのだ。

 

 

2:英語が苦手な外国人の対応はまず「母国語→英語」に変換する

Google翻訳は、

  • 英語から日本語への変換
  • 日本語から英語への変換

は以前よりも精度が高くなっている。

 

けど、そのほかの言語の場合は話が違ってくる。

 

実は僕が今回対応した外国人観光客も多少は英語が分かるけど得意ではなかった。

そのため彼女は、自分がしてほしいことをスペイン語でGoogle翻訳に入力して、それを日本語に変換したものを最初に見せてくれた。

 

けど、その翻訳された日本語がひどい。

何を言いたいのか理解できないレベルだったのだ。

 

そこで、スペイン語を英語に変換してもらったら、一気に理解しやすい翻訳となった。

イメージとしては、スペイン語→英語が80点だとしたら、スペイン語→日本語だと40点くらいの翻訳になってしまう。

 

なので、英語が苦手な外国人患者の場合は、まず患者の母国語を英語に変換してもらうのがオススメだ。

翻訳された英語を読んで相手が言いたいことを理解できたら、そのまま対応すれば良い。

 

で、英語が苦手な薬剤師は、翻訳された英語をGoogle翻訳でさらに日本語に変換する。

つまり、スペイン語→英語→日本語といった具合だ。

 

このように英語を経由することにより、いくらかマシな翻訳をなる。

なので英語が苦手な薬剤師は、英語経由で日本語に翻訳するようにしよう。

 

 

まとめ

今回の対応が正しかったかは分からないけど、「お金がないけど薬がほしい」と薬局で言われたら、大使館に連絡すれば解決すると思う。

 

コミュニケーションを取るのが難しい場合は、Google翻訳を使おう。

Google翻訳の精度は高くなっているので、頼りになるはずだ。

 

また、以前、英語の勉強法に関する記事を書いた。

今回の記事を読んで「英語の勉強をしておこう」と思った薬剤師はぜひチェックしてみてほしい。

 

 

参考になればうれしい。

では。

 

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