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週刊 薬剤師日記

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人工知能(AI)の影響で薬剤師の仕事はなくなるのか

更新日:

 

ここ2〜3年で「人工知能(AI)が仕事を奪う!」みたいなニュースがかなり増えてきた。

 

技術革新によって今までに多くの仕事がなくなってきたので、人工知能(AI)が話題になりやすいのもなんとなく分かる。

 

そこでこの記事では、「薬剤師の仕事は人工知能(AI)によってなくなるのか」について書いてみた。

 

この記事を書いている僕は、薬剤師に加えプログラミングの知識もあるので、多少は参考になるかと思う。

 

では本題へ。

 

*僕が作ったアプリ・サービスについては、以下の記事にまとめてあります

>> 薬剤師の僕がプログラミングして作ったWEBサービス・アプリ【まとめ】

 

 

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薬剤師の仕事は人工知能(AI)の影響でなくなるのか

薬剤師の仕事は人工知能(AI)の影響でなくなるのか

 

結論から言うと、僕は人工知能(AI)の影響で薬剤師の仕事がなくなることはないと考えている。

 

人工知能(AI)の核となる技術「機械学習」とは何か?

はじめに人工知能(AI)の核となる技術「機械学習」について簡単に解説したい。

機械学習とは、ざっくり言うと大量のデータを解析して一定の規則性や法則性、類似性を導き出す技術だ。

 

有名な人工知能(AI)といえば、iPhoneに搭載されているSiriを想像する人が多いと思う。

なので、Siriを例に挙げて解説したい。

 

例えば、Siriに「おいしい中華料理屋さんを教えて!」と伝えたとしよう。

このように伝えると、自分の現在地から近い「中華料理屋さんの候補」を教えてくれる。

 

なぜこのようにSiriが教えてくれるかというと、文章に出てくる単語の組み合わせから「こんなことを聞かれているのだろうな」というのを統計的に推測して、正しい可能性の高い回答をしているからだ。

 

先ほどの例だと「おいしい」と「中華料理」というワードが入ってたら、「評価の高い中華料理屋さんについての検索結果を返す」のが統計学的に正しい処理ということになる。

 

Siriに話しかける人が多くなるにつれ、統計元となるデータが大きなる。

その結果、回答の精度が高まっていくというわけだ。

 

これが機械学習である。

 

人工知能(AI)があっても薬剤師の仕事がなくならない理由

先ほど、「人工知能(AI)は文章に出てくる単語の組み合わせから、どんなことを聞かれているのかを統計的に推測する」と書いた。

 

あくまでも「単語から推測して正しそうな回答をしている」だけなのだ。

 

僕が人工知能(AI)の影響で薬剤師の仕事がなくなると考えていない理由がこれだ。

つまり人工知能(AI)は言葉の意味を理解しているわけではないのである。

 

その証拠に「中華料理さん"以外の"レストランを教えて」とSiriに伝えてみよう。

そうすると、ふたたび近くの中華料理屋さんを提案してくる。

 

繰り返しになるが、Siriは言葉が分からない。

「以外」の意味を理解できないのだ。

 

「スマートスピーカーで服薬指導なんてやれる」という意見もたまに聞くが、これがどれだけ馬鹿げている主張なのか分かるだろう

 

薬剤師をやっているのなら、服薬指導において「患者の発言の行間を読むこと」がいかに重要か分かっていると思う。

この重要なスキルを人工知能(AI)は持ち合わせていないのだ。

 

人工知能(AI)は多くの人が思い描いているようなものではない。

ドラえもんのようなロボットでも開発されない限り、薬剤師の仕事は残り続けるだろう。

 

 

薬剤師の仕事が人工知能(AI)に奪われるとしたら調剤や鑑査

薬剤師の仕事が人工知能(AI)に奪われるとしたら調剤や鑑査

 

人工知能(AI)によって薬剤師の仕事がなくなるのだとしたら、「調剤」や「鑑査」だろう。

この2つは人工知能(AI)によって特に置きかわりやすいと思う。

 

人工知能(AI)が得意な仕事とは何か

よく「人工知能(AI)は単純な作業が得意」と書いてある記事を目にするけど、これはちょっと違う

 

例えば、Googleの囲碁AI「AlphaGo」が、世界的なトッププロのイ・セドル9段に4勝1敗で勝利したことが話題になったのは記憶に新しいけど、誰も囲碁が単純なゲームだとは思わないだろう。

 

囲碁は複雑の極みのようなゲームだ。

それにもかかわらず、なぜAlphaGoがトッププロに勝てたかというと、莫大な量の棋譜から統計学的に正しい打ち手を学んたからだ。

 

他にも例はあって、「エミー」という作曲する人工知能が有名だ。

 

聴衆300人が3つのピアノ協奏曲を聞き比べるイベント(どの曲がバッハの曲を当てる)で、聴衆の多くが人工知能エミーが作曲したものをバッハが作曲したと判定したのである。

 

エミーも大量の楽曲を学習することによって、統計的にバッハっぽい曲を作れるようになったのだ。

 

何が言いたいかと言うと、人工知能(AI)は数式で記述できることが得意ということである。

とてつもない量の計算をして、統計的に正しい答えを導き出すのだ。

 

先ほど人工知能(AI)は言葉を理解できないと書いたが、これは言葉を数式で記述できないからである。

例えば「あなたのことが好きです」を数式で記述することなんてできないのは直感的に誰もが分かるだろう。

 

薬剤師の仕事の中でも調剤・鑑査は人工知能(AI)によってなくなりやすい

このように考えると、調剤・鑑査に関しては薬剤師の仕事の中でも特に人工知能(AI)によってなくなりやすいと思う。

 

というか、調剤にいたってはAI以前の問題な気がする。

処方せんをバーコードかなんかで読み込んで、自動販売機的な感じでガチャンと薬が出てくるみたいな機械はできるのではないだろうか。

 

鑑査に関しては、AIに過去の莫大な量の処方を機械学習させて、「何かしら問題があれば検知して知らせてくれる」みたいなシステムを構築可能だろう。

 

とは言っても、政治的な圧力もあるだろうし、調剤・鑑査に関してもまだまだ人間の薬剤師がやるハメになるのではないかなと僕は思っている

 

規制産業の抵抗は凄まじいので、必死で仕事を死守しようとするだろう。

 

さらに言えば、過去の処方を機械学習させるとなると「プライバシーの問題が・・」と言い始める人も必ず現れる

 

正直、人工知能(AI)によってなくなりそうな調剤・鑑査という仕事であっても、なくなるまでの道のりはまだまだ長いと思う。

 

 

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人工知能(AI)は薬剤師の強い味方になってくれる

人工知能(AI)は薬剤師の強い味方になってくれる

 

ここまで色々と書いてきたけど、僕がこの記事を通して言いたいことは1つだけだ。

それが人工知能(AI)は、薬剤師の強い味方になってくれるということである。

 

人工知能(AI)は薬剤師の生産性を上げる

人工知能(AI)は薬剤師の生産性を上げる。

例えば、鑑査を人工知能(AI)がサポートしてくれるだけで、薬剤師は患者とのコミュニケーションの時間を多く取れるようになるだろう。

 

人工知能(AI)の話になると、「仕事が奪う」とか「敵になる」みたいな話になりがちだけど、それは違うと思う。

 

人工知能(AI)は薬剤師の味方なのだ

 

「人工知能(AI)=PCのすごいVer」と考えると良いかもしれない

「人工知能(AI)=PCのすごいVer」と考えると良いと思う。

 

現場で働いている薬剤師にとって、今やPCは必要不可欠なアイテムになっている。

それが近い将来、AIも不可欠になるというだけの話である。

 

例えば、「パソコンに薬剤師の仕事が奪われている!けしからん!」と言っている薬剤師がいたら、「この人、頭おかしいのかな?」と誰もが思うはずだ。

 

大事なことなので繰り返すけど、人工知能(AI)は敵ではない。

薬剤師の能力を拡張してくれる味方なのである。

 

薬剤師の仕事は人工知能に奪われる可能性が低いとする論文もある

イギリスのオックスフォード大学が発表した"The Future of Employment"という有名な論文がある。

(ちなみにイギリスの論文なのだが、なぜか調査対象はアメリカ)

 

The Future of Employment”の特筆すべきポイントは、今後、人工知能を搭載したコンピュータやロボットに奪われる可能性のある職種を定量的に割り出していることだ。

 

この論文によると、現存する職種の47%が人工知能(AI)によって奪われるようである。

 

ちなみに“The Future of Employment”では薬剤師についても言及されており、薬剤師が今後10〜20年で仕事を奪われる可能性は1.2%となっている。

 

あくまでもアメリカの薬剤師の話なので、日本の薬剤師も全く同じだとは思わないけど参考までに。

 

 

人工知能(AI)の影響が怖い薬剤師への処方せん

人工知能(AI)の影響が怖い薬剤師への処方せん

 

ここまで読み進めても、「まだ人工知能(AI)による影響が怖い」という場合。

そんな薬剤師にオススメしたいのが以下の2つだ。

 

【AIが怖い薬剤師への処方せん】

  • 在宅医療に従事する
  • プログラミングを学ぶ

 

処方せん1:在宅医療に従事する

1つ目が在宅医療に従事するということ。

これがもっとも手っ取り早くできる人工知能対策だと思う。

 

在宅医療は特にコミュニケーション能力を求められるので、人工知能(AI)が苦手な分野だ。

さらに言うと、高齢化社会なので在宅医療の需要はさらに高まると予想される。

 

人工知能(AI)が苦手×需要の高さという点で、在宅医療に力を入れている職場で働くのはかなり良い選択肢だろう。

 

最近まで僕は転職活動をしていたのだけど、「在宅経験はあるか?」と聞かれることが多く、在宅の需要の高さを改めて実感した。

 

もし今の職場で在宅の経験をできないのであれば、今後のキャリアのために職場を変えるのもアリだと思う。

 

転職サイトの利用を考えている場合は、以下の記事にメリット・デメリットをまとめたのでチェックしてほしい。

>> 薬剤師が転職サイトを使うメリット・デメリット-実体験を赤裸々に語る-

 

処方せん2:プログラミングを学ぶ

2つ目がプログラミングを学ぶということ。

なぜ人工知能(AI)を怖く感じるかというと、人工知能(AI)に関する知識がないことが大きな原因のように思う。

 

知らないことに遭遇すると、ヒトは不安を感じるようにできている。

このような本能がプレインストールされていないと、過酷な自然環境を生き残れなかったからだ。

 

それならば、人工知能(AI)について学べば良い。

人工知能(AI)はPython(パイソン)という言語で書かれているので、Pythonを学んでみよう。

 

今はオンラインでAIについて学べるスクールはたくさんある。

その中でも特に有名なのが、「Aidemy(アイデミー)」というPython特化型AIプログラミングスクールだ。

 

本当に受講するかは別として、「AIについてもっと詳しく聞きたい」、「受講したいけど悩んでいる」という場合には無料で相談にも乗ってもらえる。

 

AI業界は年率10%以上の成長をしているので、薬剤師以外の武器として人工知能プログラミングを学んでみるのも良い選択肢だと思う。

 

プログラミングができれば副業もしやすい。

投資額以上に得られることは多いだろう。

 

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まとめ

人工知能(AI)は薬剤師の敵ではなく、薬剤師の生産性を上げてくれる強い味方となるだろう。

過度に怖がる必要は全くない。

 

薬剤師をエンパワーメントしてくれるのが人工知能(AI)なのだ。

 

参考になれば嬉しい。

では。

 

*僕が作ったアプリ・サービスについては、以下の記事にまとめてあります

>> 薬剤師の僕がプログラミングして作ったWEBサービス・アプリ【まとめ】

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