「薬物性肝障害」とは、どのような副作用なのか

薬は病気の治療に非常に有用だ。

しかし薬は、体にとって有用でない作用を与えてしまうこともある。

それがいわゆる「副作用」である。

薬の重要な副作用の1つが「薬物性肝障害」だ。

そこでこの記事では「薬物性肝障害とはどのような副作用か」や「薬物性肝障害の原因」、「薬物性肝障害の初期症状」、「薬物性肝障害が起こった時の対応方法」についてまとめた。

薬物性肝障害とは

薬物性肝障害とは、その名の通り「薬が原因となって引き起こされる肝障害」である。

多くの薬は肝臓で代謝される。

その結果、薬が肝臓の機能を低下させてしまうのだ。

【薬物性肝障害とは?】

薬が原因となって引き起こされる肝障害

薬物性肝障害では、何も対応をしないでいると、肝臓の細胞が次々と破壊され、肝機能の著しい低下を招いてしまう。

そのため症状を進行させないためにも、薬物性肝障害は早期発見が非常に重要だ

薬物性肝障害の分類

薬物性肝障害は大きく分けて2種類に分類できる。

それが「中毒性」「特異体質性」だ。

▼中毒性肝障害とは

中毒性肝障害とは、「薬または薬の代謝物が肝臓を直接攻撃することによって生じる肝障害」だ。

そのため中毒性肝障害は、薬の服用量が多ければ多いほど引き起こされやすい。

▼特異体質性肝障害とは

特異体質性肝障害は、「患者の体質が原因」となる。

特異体質性は、さらに細かく分類でき、薬または薬の代謝物が原因となる「アレルギー性特異体質性」と、薬物を代謝する酵素が原因となる「代謝性特異体質性」の2種類がある。

中毒性肝障害とは違って薬の服用量とは関係なく生じるので、特異体質性肝障害は発症の予測が非常に難しい肝障害だ。

薬物性肝障害の大部分は、「特異体質性」によるものと考えられている。

薬物性肝障害の初期症状

薬物性肝障害の初期症状としては、まず「皮膚のかゆみ」「発熱」などが現れる場合が多い。

その後に「体のだるさ」「吐き気」「食欲不振」などの消化器症状が続く。

【薬物性肝障害の初期症状】

◆皮膚のかゆみ

◆発熱

◆体のだるさ

◆吐き気

◆食欲不振

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いつ・どんな人に起こりやすいのか

薬物性肝障害は、服用を開始してから、比較的早い時期に起こりやすい。

具体的に言うと、多くの場合では服用開始後60日以内に起こる

(ただし、これはあくまでもそういった傾向があるだけで、服用後60日以降に起こる人も少なからずいる)

なかでも、普段からお酒を飲む量が多い人は、飲酒をあまりしない人に比べると、薬物性肝障害の副作用が起こりやすいと言われている。

これは飲酒によって、日常的に肝臓へ負担がかかっているからだ。

薬物性肝障害が起こりやすい薬

薬物性肝障害は、どのような薬でも起こりうるが、特に「解熱鎮痛薬」「抗生物質」「抗精神薬」「降圧薬」「抗がん剤」などで発症頻度が高いと言われている。

またサプリメントや健康食品、市販薬など、比較的安全なイメージのあるものが原因となることもある。

薬物性肝障害を引き起こす可能性のある代表的な医療用医薬品として、以下のようなものがある。

【解熱鎮痛薬】

ボルタレン(成分名:ジクロフェナク)

ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)

【抗てんかん薬】

デパケン、セレニカ(成分名:バルプロ酸)

テグレトール(成分名:カルバマゼピン)

【脂質異常症治療薬】

リピトール(成分名:アトルバスタチン)

ローコール(成分名:フルバスタチン)

【降圧薬】

アダラート(成分名:ニフェジピン)

ヘルベッサーR (成分名:ジルチアゼム)

薬物性肝障害が起こった場合の対応方法

薬物性肝障害が起こった場合は、原因と疑われる薬剤の使用を中止する必要がある。

ただし、自己判断で中止するのではない。

薬物性肝障害の症状が現れた場合は、主治医の指示のもと服用を中止するかどうかを決定する必要がある。

軽度の肝障害であれば、原因となる薬剤を止めることによって、症状は自然に改善する傾向にある。

一方、肝障害の程度が軽度でない場合は、入院して治療を行うことが多い。

前述の通り、薬物性肝障害は早期発見が重要である。

そのため肝障害を起こしうる薬剤を服用している場合は、肝障害を早期発見できるように、服用開始後は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。