消化器疾患治療薬

ザンタック錠(ラニチジン)の効果・特徴・副作用

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ザンタック錠(ラニチジン)の効能・効果

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)は、H₂受容体拮抗薬に分類される消化性潰瘍治療薬だ。

より簡単に言うと、ザンタック錠(成分名:ラニチジン)は「胃酸の分泌を抑える薬」ということである。

 

【ザンタック錠の効能・効果】

1:胃潰瘍

2:十二指腸潰瘍

3:吻合部潰瘍

4:Zollinger-Ellison症候群

5:逆流性食道炎

6:上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、急性胃粘膜病変による)

7:急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善

8:麻酔前投薬(手術や麻酔薬による副作用を軽減する目的での投与)

 

ザンタック錠(ラニチジン)の作用機序

胃酸によって胃や十二指腸がダメージを受けると、「消化性潰瘍」が引き起こされる。

通常であれば、胃は粘液によって守られているので傷つくことはない。

しかし「胃酸の増加」や「粘液の減少」などの理由により、胃をしっかりと守れない状態だと、消化性潰瘍が引き起こされてしまう。

 

ここから分かることは「胃酸の分泌を減らす」または「胃を守る粘液を増やす」ことができれば、消化性潰瘍を改善できるということである。

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)は、この2つのアプローチのうち、胃酸の分泌を減らすことによって消化性潰瘍を改善する薬だ。

 

胃酸の分泌には胃の壁細胞が関与している。

胃の壁細胞にはM受容体、H₂受容体、G受容体が存在しており、それぞれの受容体にアセチルコリン・ヒスタミン・ガストリンが作用することによって、プロトンポンプから胃酸が分泌されるようになる。

 

特に胃酸の分泌に関与しているのが「H₂受容体」だ。

要するにヒスタミンがH₂受容体に結合するのをブロックできれば、胃酸の分泌を抑制することができる。

 

このような作用機序により、消化性潰瘍の症状を改善するのがザンタック錠(成分名:ラニチジン)だ。

 

H2ブロッカー作用機序

 

つまりザンタック錠(成分名:ラニチジン)は、ヒスタミンがH₂受容体に結合するのをブロックして、胃酸の分泌を抑制することにより、消化性潰瘍の症状を改善するのである。

 

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ザンタック錠(ラニチジン)の特徴

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)には、以下のような特徴がある。

CYPの働きを弱く阻害する

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)はCYP1A2、CYP2D6、CYP3A4の働きを弱く阻害する。

CYPとは簡単に言うと、「薬を代謝する酵素」のことだ。

つまりCYPによって代謝されるため、薬は体内から消えるのだ。

 

世界初のH₂ブロッカーであるタガメット錠(成分名:シメチジン)は、CYPの働きを阻害してしまい、他の薬をちゃんと代謝できなくなることがあった。

しかしザンタック錠(成分名:ラニチジン)のCYP阻害作用は、タガメット錠(成分名:シメチジン)に比べると弱いため、薬の相互作用が比較的少ない。

 

腎排泄型の薬

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)は、腎臓から排泄されるタイプの薬である。

腎臓から排泄されるので、腎機能が低下している人に使用すると、薬の有効成分が体の中に長く留まりやすくなる。

 

そのため腎機能が低下している人に使う場合は、服用量を調節しなければならない。

その他のH₂ブロッカーとの違いについては、以下の記事が詳しい。

>>> H₂受容体拮抗薬(H₂ブロッカー)の違い・比較

 

副作用が少ない

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)をはじめとするH₂ブロッカーの副作用の発現率は、約2%とかなり低い。

そのため比較的安全に服用可能である。

 

注射剤の剤形がある

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)は、錠タイプの他に「注射剤」が販売されている。

注射剤は「上部消化管出血」、「侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制」、「麻酔前投薬(手術や麻酔薬による副作用を軽減する目的での投与)」に対して使用される。

 

PPIに比べると効果が弱い

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)をはじめとするH₂ブロッカーは、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に比べると胃酸分泌抑制作用が弱い。

これはH₂ブロッカーとプロトンポンプ阻害薬(PPI)の作用機序の違いに由来する。

 

プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、その名の通りプロトンポンプを阻害する。

胃酸の出口であるプロトンポンプをブロックするので、プロトンポンプ阻害薬はH₂受容体・M受容体・G受容体経由の胃酸分泌を全て抑制できるのだ。

 

一方H₂ブロッカーは、H₂受容体経由の胃酸分泌は抑制できるが、M受容体とG受容体経由で分泌される胃酸を止めることができない。

また胃酸の出口であるプロトンポンプをブロックする作用もない。

 

このような作用機序の違いから、ザンタック錠(成分名:ラニチジン)をはじめとするH₂ブロッカーよりも、プロトンポンプ阻害薬の方が効果が高いのである。

 

ザンタック錠(ラニチジン)の飲み方

通常、ザンタック錠(成分名:ラニチジン)は、以下の量を服用する。

 

【ザンタック錠の用法・用量】

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、上部消化管出血

1回の服用量:150mg

1日の服用回数:2回(朝食後、就寝前に服用)

1日の最大服用量:年齢,症状により適宜増減

 

*1回300mg、1日1回(就寝前)服用することもできる

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変の改善

1回の服用量:75mg

1日の服用回数:2回(朝食後、就寝前に服用)

1日の最大服用量:年齢,症状により適宜増減

 

*1回150mg、1日1回(就寝前)服用することもできる

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

▼麻酔前投薬

1回の服用量:150mg

1日の服用回数:2回(手術前日就寝前および手術当日麻酔導入2時間前に服用)

1日の最大服用量:年齢,症状により適宜増減

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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ザンタック錠(ラニチジン)の飲み合わせ

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)には、絶対に併用してはいけない併用禁忌となる薬はない。

 

【ザンタック錠の併用禁忌薬】

なし

ザンタック錠(ラニチジン)の注意点

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【ザンタック錠の注意点】

◆自己判断で服用を中止しない

理由:すぐに痛みはなくなるが、完治したわけではないため

 

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ザンタック錠(ラニチジン)の禁忌

以下に該当する人は、ザンタック錠(成分名:ラニチジン)を服用してはいけないことになっている。

 

【ザンタック錠の禁忌】

◆ザンタック錠の成分に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が良くない可能性があるため

 

ザンタック錠(ラニチジン)の副作用

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)の主な副作用としては「便秘」、「下痢」などが報告されている。

 

【ザンタック錠の主な副作用】

◆便秘

◆下痢

 

またザンタック錠(成分名:ラニチジン)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【ザンタック錠の重大な副作用】

◆ショック,アナフィラキシー様症状

症状:蕁麻疹、血圧低下、呼吸が苦しいなど

 

◆再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少

症状:体がだるい、めまい、立ちくらみ、頭痛、発熱、喉の痛み、青あざができやすい、出血しやすい等

 

◆肝機能障害、黄疸

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなるなど

 

◆横紋筋融解症

症状:力が入りにくい(脱力感)、筋肉痛、手足がしびれる、赤褐色の尿など

 

◆意識障害、痙攣、ミオクローヌス

症状:意識がもうろうとする、幻覚が見える、気分が落ち込む、けいれん、体の一部がピクッと動く等

 

◆間質性腎炎

症状:発熱、発疹、腎機能検査値の異常など

 

◆中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群

症状:全身が赤くなる、皮膚のただれ、水ぶくれ、高熱、目が赤くなる、発疹など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

ザンタック錠(ラニチジン)を飲み忘れたら

ザンタック錠(成分名:ラニチジン)を飲み忘れたら、気づいた時にすぐ服用する。

ただし次の服用時間が近い場合は、次の服用時間に1回分だけ服用する。

絶対に2回分を1度に服用してはいけない。

>>> 他の消化器疾患治療薬をチェックする

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