睡眠薬

病院で処方される不眠症の薬について分かりやすく解説する

更新日:

身近な病気の1つに不眠症がある。

不眠症は、体を疲れさせ日常生活に支障をきたしてしまう。

そこでこの記事では、不眠症に使われる薬についてまとめた。

 

スポンサーリンク

不眠症とは

不眠症は、日本において5人に1人が症状を訴えていると言われ、とても身近な病気だ。

男性に比べ女性が発症しやすく、中年以降で患者数が増加する。

60歳以上では3人に1人は不眠症に悩んでいると言われている。

 

不眠症は、大きく分けて以下の4つに分類できる。

【不眠症の分類】

1:入眠障害 

→寝付きが悪い

 

2:中途覚醒

→夜中に何度も起きてしまう

 

3:早朝覚醒 

→早くに目が覚めてしまい、その後、寝付けない

 

4:熟眠障害

→睡眠時間は十分だが、グッスリ寝た感じがしない

 

これらの症状が長く続くと、深刻な体のだるさや集中力・意欲の低下を引き起こしてしまうこともある。

このように、学校での勉強や仕事などの日常生活に影響を及ぼす病気が、不眠症なのである。

*仮に眠れなくても日中に問題が生じないのであれば、不眠症とは診断されることはない。

 

不眠症の原因

不眠症を引き起こす原因としては、さまざまな要因が考えられている。

ストレスや緊張状態などの心理的要因、痛み・かゆみなどの身体的要因、生活リズムの崩れ、カフェイン・ニコチンなどの刺激物によるものなど多岐に渡る。

 

【不眠症を起こす主な原因】

◆ストレスや緊張状態など心理的要因

◆痛み・かゆみなどの身体的要因

◆生活リズムの崩れ

◆カフェイン・ニコチンなどの刺激物

 

そのため不眠症の改善には、これらの要因を取り除くことが非常に重要になってくる。

日常生活では、以下の4つを特に心がけるのが大切だ。

 

【日常生活で心がけたいこと】

1: 寝る時間・起きる時間をある程度決め、体内時計を乱さない

2:早朝に光を浴びる

3:適度な運動(ウォーキングなどの有酸素運動)をする

4:寝る前に飲酒をしない

などを心がけることが不眠症の改善を手助けしてくれる。

 

スポンサーリンク

不眠症に使われる薬

不眠症に使われる薬には、以下のようなものがある。

 

ベンゾジアゼピン薬(BZ薬)

ベンゾジアゼピン系薬は、大脳に存在するベンゾジアゼピン受容体に作用することにより睡眠作用を発揮する。

一昔前の睡眠薬に比べて安全性や有効性に優れているため、現在もっとも使われている睡眠薬の1つだ。

 

作用時間によって「超短時間型」、「短時間型」、「中間型」、「長時間型」の4つに分類される。

超短時間型・短時間型は、寝つきが悪い人向け(入眠障害)に使われる。

一方、中間型・長時間型は、夜中に起きてしまう(中途覚醒)や朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)に使われる。

 

【主なベンゾジアゼピン薬】

◇超短時間型◇

ハルシオン(成分名:トリアゾラム)

 

◇短時間型◇

ロラメット、エバミール(成分名:ロルメタゼパム)

リスミー(成分名:リルマザホン)

レンドルミン(成分名:ブロチゾラム)

 

◇中間型◇

サイレース、ロヒプノール(成分名:フルニトラゼパム)

ユーロジン(成分名:エスタゾラム)

ベンザリン、ネルボン(成分名:ニトラゼパム)

エリミン(成分名:ニメタゼパム)

 

◇長時間型◇

ドラール(成分名:クアゼパム)

 

非ベンゾジアゼピン薬

非ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピン薬と同様にベンゾジアゼピン受容体へ作用する。

 

なぜ同じ作用をするにも関わらず、名前に「非」がついているかというと、薬の構造式が異なるためである。

より詳しい非ベンゾジアゼピン薬とベンゾジアゼピン薬の違いは、以下の記事が詳しい。

>>> ベンゾジアゼピン・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の違い・比較

 

【主な非ベンゾジアゼピン薬】

マイスリー(成分名:ゾルピデム)

アモバン(成分名:ゾピクロン)

ルネスタ(成分名:エスゾピクロン)

 

バルビツール系薬

バルビツール系薬は、バルビツール酸受容体に作用することにより催眠作用を発揮する。

ただし依存性が強い上に、大量に服用することにより死に至ることもあるため、使用は限られている。

 

【主なバルビツール系薬】

◇短時間型◇

◆ラボナ(成分名:ペントバルビタール)

 

◇中間型◇

◆イソミタール(成分名:アモバルビタール)

 

◇長時間型◇

◆フェノバール(成分名:フェノバルビタール)

 

非バルビツール系薬

非バルビツール系薬は、前述のバルビツール系薬の欠点を解消する目的で開発された薬だ。

しかし非バルビツール系薬も依存性が強いことで知られていため、バルビツール系薬と同様に使用は限られている。

 

【主な非バルビツール系薬】

◇短時間型◇

◆抱水クロラール

 

◇短時間型◇

◆ブロバリン(成分名:ブロモバレリル尿素)

◆トリクロリール(成分名:トリクロホスナトリウム)

 

メラトニン受容体作動薬

睡眠に関与するホルモンの1つに、メラトニンがある。

このメラトニンが、脳に存在する視交叉上核(しこうさじょうかく)にある受容体に作用することにより、睡眠作用を発揮するのである。

 

メラトニン受容体作動薬は、この受容体にくっつくことにより睡眠作用を現す。

より具体的に言うと、睡眠・覚醒のリズムを整えて寝つきを良くするのだ。

体内時計を調節する作用を持つため、時差ボケに対しても使用されることがある。

 

【主なメラトニン受容体作動薬】

ロゼレム(成分名:ラメルテオン)

 

オレキシン受容体拮抗薬

脳の覚醒に関わる物質の1つにオレキシンがある。

要するにオレキシンの存在が、目がさえてしまう一因となっているのだ。

つまりオレキシンの作用を弱くできれば、眠くなるということである。

 

このような考えのもと開発されたのが、オレキシン受容体拮抗薬である。

オレキシンがくっつく受容体をブロックすることにより、オレキシンの作用を弱めるのだ。

これが睡眠へとつながるのである。

 

ベンゾジアゼピン系薬に比べると依存性は少ないとされているが、添付文書上では「習慣性医薬≒依存性がある」に分類されているため注意が必要である。

 

【主なオレキシン受容体拮抗薬】

◆ベルソムラ(成分名:スボレキサント)

RELATED

-睡眠薬

Copyright© 週刊 薬剤師日記 , 2018 All Rights Reserved.