睡眠薬

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の効果・特徴・副作用

更新日:

スポンサーリンク

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の効能・効果

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、超短時間型非ベンゾジアゼピン系薬に分類される睡眠薬だ。

より簡単に言うと、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は「寝つきをよくし、睡眠を持続させる薬」ということである。

 

【ルネスタ錠の効能・効果】

◆不眠症

 

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の作用機序

「寝つきが悪くて眠れない」という睡眠障害は、神経の興奮が原因となって引き起こされることが多い。

つまり睡眠障害を改善するには、神経の興奮を抑えてやれば良いということだ。

 

脳には「GABA」という物質が存在している。

GABAは抑制性神経伝達物質とも呼ばれ、神経の興奮を抑える作用がある。

 

より具体的に言うと、GABAがGABA受容体に結合することによって、細胞外のClイオンが細胞内に流入し、その結果、眠気が現れるようになるのだ。

 

しかし睡眠障害の人は、GABAがうまく機能していない。

そのため細胞内へのClイオンの流入が起こりにくくなる。

 

その結果、神経の興奮を抑制できなくなり、眠れなくなってしまうのである。

ここから分かることは、GABA受容体へGABAが結合しやすくなれば、睡眠障害を改善できるということだ。

 

GABAがGABA受容体へ結合しやすくするには、「ベンゾジアゼピン受容体」が重要な働きをする。

簡単に言ってしまうと、ベンゾジアゼピン受容体に作用する薬を服用することにより、GABA受容体へGABAが結合しやすくなる。

 

このような作用機序により、睡眠障害を改善するのが、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)である。

ベンゾジアゼピン受容体無題

 

つまりルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、ベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABAの感受性を高めることによって、入眠障害を改善するのである。

 

スポンサーリンク

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の特徴

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)には、以下のような特徴がある。

入眠障害・中途覚醒に有効

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、入眠障害に使われる薬だ。

入眠障害とは、簡単に言うと「寝つきが悪い状態」を指す。

 

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、服用後15~30分で効果の発現が認められるため、寝つきの悪い人に最適な薬と言える。

 

また薬の血中濃度が半分になる時間(半減期)が5時間と少し長めなので効果が持続しやすい。

そのため、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒に対しても効果を期待できる。

 

アモバン(ゾピクロン)の改良版

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、アモバン錠(成分名:ゾピクロン)を改良した薬である。

アモバンの有効成分であるゾピクロンは、実は2つの物質で構成されている。

それが「R体」と「S体」だ。

 

R体は苦味成分であり、催眠作用がほとんどない。

一方、S体は催眠作用に関わっている薬理効果のある成分である。

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、このS体を抽出して作られた薬だ。

 

つまりS体のみを抽出しているので、アモバンで問題となっていた「口の中の苦味」を回避つつ、催眠作用を得られるようになったのである。

 

またアモバン錠(成分名:ゾピクロン)に比べると、翌朝に眠気が残ったり、体がだるいと感じる「持越し効果」が少ないことが分かっている。

要するにアモバン錠(成分名:ゾピクロン)の副作用リスクを軽減した薬がルネスタ(成分名:エスゾピクロン)ということだ。

 

【ルネスタが改良されている点】

◆薬効のあるS体のみを抽出

◆副作用の軽減

 

ただしアモバン錠(成分名:ゾピクロン)には「麻酔前投薬」に使用されることがあるが、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は使われない。

*麻酔前投薬:検査・手術前における不安や緊張を和らげる目的の投与

 

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、睡眠薬の中でも「非ベンゾジアゼピン系」に属する。

「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」と「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」の違いは、作用する受容体への選択性だ。

 

どちらの薬剤もベンゾジアゼピン受容体に作用するが、ベンゾジアゼピン受容体は、実は大きく分けて2種類ある。

 

それが「ω1受容体」と「ω2受容体」だ。

ω1受容体は主に鎮静・催眠作用に、ω2受容体は抗不安・筋弛緩作用に関与している。

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ω1、ω2どちらの受容体にも作用する。

そのため鎮静・催眠作用以外にも、筋弛緩作用が一緒に現れてしまい、「ふらつき」や「転倒」などの副作用が生じやすい。

 

一方、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は「ω1受容体」へ選択的に作用する。

そのため、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)を始めとする非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、筋弛緩作用による「ふらつき」や「転倒」が起こりにくい。

 

ただしω1受容体に選択性を持つため抗不安作用が弱いので、不安などの症状を伴う場合は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の方が効果を期待できる。

 

食事の影響を受けやすい

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、食事の影響を受けやすい。

具体的に言うと、食直後に服用した場合、効果発現までの時間が遅くなり、効果の減弱がみられる可能性がある。

そのため食後すぐの服用は避けなければならない。

 

急性狭隅角緑内障に禁忌

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、急性狭隅角緑内障の人に使用することができない。

これはルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)の抗コリン作用によって、眼圧を上昇させてしまう可能性があるためである。

 

重症筋無力症に禁忌

重症筋無力症とは全身の筋力が減り、疲れやすくなるといった症状を示す。

そして、病気が進行すると食べ物を飲み込むことや呼吸するのも難しくなってしまうのである。

 

先程も書いたように、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は神経の興奮を抑えるClイオンを流入させる作用を持っている。

 

この作用により、神経の興奮が抑えられ筋肉が弛緩してしまうので、重症筋無力症をさらに悪化させる可能性があるのだ。

そのためルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、重症筋無力症患者に対して使用できない。

 

もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)に注意

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)の服用後に、「もうろう状態」や睡眠随伴症状と呼ばれる「本人の記憶がない徘徊行動(夢遊症状等)」が発現したり、「入眠までの、あるいは夜中に起きた時(中途覚醒時)の出来事を記憶していない」ことがある。

そのためルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)の服用中は、注意するよう警告されている。

 

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の飲み方

通常、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)は、以下の量を服用する。

 

【ルネスタ錠の用法・用量】

1回の服用量:2mg(高齢者は1mg)

1日の服用回数:1回(就寝前に服用)

1日の最大服用量:3mg(高齢者は2mg)

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

スポンサーリンク

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の飲み合わせ

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)には、一緒に服用してはいけない併用禁忌となる薬はない。

 

【ルネスタ錠の併用禁忌薬】

なし

 

 

ただしルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)の服用中にアルコールを飲むことによって、薬の効果が強く出過ぎる可能性がある。

そのためルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)服用中の飲酒は控えなければならない。

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の注意点

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【ルネスタ錠を服用する際の注意点】

◆車の運転を始めとする危険を伴う機械の操作をしない

理由:眠気や注意力・集中力の低下を引き起こすおそれがあるため

 

◆就寝後、途中で起きる予定がある場合は服用しない

理由:健忘(起きていた時の記憶がない)が現れたとの報告があるため

 

◆自己判断で服用を中止しない

理由:以前よりさらに強い不眠が現れるおそれがあるため

 

◆食事と一緒に服用したり、食後すぐには服用しない

理由:薬の血中濃度が低下し、期待する効果を得られなくなる可能性があるため

 

◆飲酒は控える

理由:薬の作用が増強するおそれがあるため

 

スポンサーリンク

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の禁忌

以下に該当する人は、ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)を服用してはいけないことになっている。

 

【ルネスタ錠の禁忌】

◆ルネスタ錠の成分またはゾピクロンに対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が良くない可能性があるため。

 

◆重症筋無力症の人

理由:症状を悪化させる可能性があるため。

 

◆急性狭隅角緑内障のある人

理由:症状を悪化させる可能性があるため。

 

 

また以下に該当する場合、特に必要であれば慎重に投与することは可能だが、投与しないことを原則とする。

 

【ルネスタ錠の原則禁忌】

◆肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している人

理由:炭酸ガスナルコーシスが起こりやすくなるため。

 

*炭酸ガスナルコーシス:急激な高炭酸ガス血症により中枢神経障害・意識障害を生じ、呼吸をするのが難しくなる。

 

ルネスタ錠(エスゾピクロン)の副作用

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)の主な副作用としては、「味覚異常」、「頭痛」、「ウトウトする」、「フワフワした感じのめまい」などが報告されている。

 

【ルネスタ錠の主な副作用】

◆味覚異常

◆頭痛

◆ウトウトする

◆フワフワした感じのめまい

 

またルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【ルネスタ錠の重大な副作用】

◆ショック、アナフィラキシー様症状

症状:発疹、血管性浮腫、呼吸が苦しい等

 

◆依存性

症状:薬を止めるのが難しい、痙攣発作、せん妄(混乱する)、ふるえ、不眠、不安、幻覚、妄想など

 

◆呼吸抑制

症状:呼吸が上手く行われない等

 

◆肝機能障害

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなるなど

 

◆精神症状、意識障害

症状:せん妄(頭が混乱する)、錯乱(感情・思考の混乱)、夢遊症状、幻覚、興奮、脱抑制(衝動・感情を抑えられない)、意識レベルの低下等

 

◆一過性前向性健忘、もうろう状態

症状:薬を服用した後の出来事を覚えていない、ボーッとする等

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

ルネスタ錠(エスゾピクロン)を飲み忘れたら

ルネスタ錠(成分名:エスゾピクロン)を飲み忘れたら、翌朝起きるまでにかなり時間があり、眠れないようであれば1回分を服用してよい。

絶対に2回分の薬を1度に服用してはいけない。

>>> 他の睡眠薬をチェックする

RELATED

-睡眠薬

Copyright© 週刊 薬剤師日記 , 2018 All Rights Reserved.