骨粗鬆症治療薬

病院で処方される骨粗鬆症治療薬について分かりやすく解説する

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代表的な骨の病気の1つに、骨粗鬆症がある。

骨粗鬆症は、高齢者が寝たきりになってしまうキッカケにもなりうる。

そこでこの記事では、骨粗鬆症の治療に使われる薬についてまとめた。

 

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骨粗鬆症とは

骨は多岐に渡る役割を持っている。

例えば「体を支えること」や「体を動かすこと」、「臓器の保護」、「カルシウムの貯蔵」などが主な骨の機能だ。

骨粗鬆症は、この体の働きに欠かせない骨がもろくなってしまう病気である。

 

骨粗鬆症の主な症状としては、以下のようなものがある。

【骨粗鬆症の主な症状】

◆身長が縮む

◆背骨が曲がってくる

◆腰が痛む

◆軽い衝撃で骨折する

 

骨粗鬆症には、ほとんど自覚症状がない。

身長が縮んだり、背骨が曲がってくるなどの変化が徐々に起こるため気づきにくいのだ。

そのため、変化に気づいた時には症状が進行していて、骨がスカスカになっているということも珍しくない。

 

特に高齢者では、骨折することによって寝たきりになってしまうこともある。

骨粗鬆症による骨折が、介護が必要になるキッカケにもなりうるのだ。

 

骨粗鬆症の発症は女性ホルモンの減少が関係していると言われ、特に50歳以上の更年期の女性に見られることが多い。

 

骨粗鬆症の原因

骨では「破骨細胞による骨の破壊(骨吸収)」と「骨芽細胞による骨の形成(骨形成)」がくり返し行われている。

これを専門用語で、骨リモデリングと呼ぶ。

 

骨粗鬆症とは簡単に言ってしまうと「骨の破壊」と「骨の形成」のバランスが崩れた状態だ。

要するに骨の形成スピードが遅くなったり、骨の破壊(骨吸収)のスピードが速くなることにより骨がもろくなってしまうのである。

 

骨粗鬆症の主な原因としては、加齢や生活習慣、ホルモンバランスの崩れ、遺伝・体質などが挙げられる。

 

【骨粗鬆症の主な原因】

◆加齢

◆生活習慣

◆ホルモンバランスの崩れ

◆遺伝・体質

 

1:加齢

年齢を重ねるとカルシウムを吸収する力が落ちてくる。

そのため骨密度が低下して、骨がスカスカになるのだ。

 

2:ホルモンバランスの崩れ

骨粗鬆症には、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの減少が関与している。

どのように関与しているかというと、エストロゲンは骨が破壊されるのを抑制する働きをしているのだ。

 

しかし更年期や閉経を迎えることによって、エストロゲンの量が減少してしまう。

その結果、骨の破壊が急速に進行して骨がもろくなるのだ。

 

3:生活習慣

骨粗鬆症は、運動不足や喫煙、アルコールも原因の1つとして考えられている。

特に骨の形成は、骨が刺激を受けることによってが促される。

そのため運動不足に陥ると、骨細胞による骨の破壊が進んで骨密度の低下が進行しやすくなる。

 

4:遺伝・体質

家族が骨粗鬆症である場合、骨粗鬆症になりやすいと言われている。

また、やせ型のヒトは骨粗鬆症になりやすい。

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骨粗鬆症に使われる薬

骨粗鬆症に使われる薬には、以下のようなものがある。

 

ビスホスホネート製剤(BP製剤)

ビスホスホネート製剤は、骨を溶かす破骨細胞の働きを抑える薬だ。

前述の通り骨粗鬆症は、「骨の破壊」と「骨の形成」のバランスが崩れた状態だ。

 

そこで骨が破壊されるのを抑制すれば、骨がもろくなるのを防ぐことができる。

ビスホスホネート製剤は破骨細胞に取り込まれることにより、破骨細胞の働きを不活化する。

その結果、骨の破壊が抑制されるのだ。

 

【主なビスホスホネート製剤】

ボナロン、フォサマック(成分名:アレンドロン酸)

ボノテオ、リカルボン(成分名:ミノドロン酸)

アクトネル、ベネット(成分名:リセドロン酸)

 

各薬剤の違いについては、下の記事が詳しい。

>>> ビスホスホネート製剤の違い・比較

 

活性型ビタミンD3製剤

活性型ビタミンD3製剤は、腸管からのカルシウム吸収を高め、骨量の減少を抑える薬だ。

そして副甲状腺ホルモンの産生を抑えることにより、骨の破壊(骨吸収)を抑制する

 

【主な活性型ビタミンD3製剤

エディロール(成分名:エルデカルシトール)

ワンアルファ、アルファロール(成分名:アルファカルシドール)

ロカルトロール(成分名:カルシトリオール)

 

各薬剤の違いについては、下の記事が詳しい。

>>> アルファロール・ワンアルファ、ロカルトロール、エディロールの違い・比較

 

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)

前述の通り、女性ホルモンの1種であるエストロゲンは、骨が破壊されるのを抑制する役割を持っている。

そのため閉経後の女性では、エストロゲンが減ってしまうので骨量が減りやすい。

つまりエスロトゲンを補うことができれば、骨量を増やせるということである。

 

エストロゲン受容体モジュレーターは、エストロゲンと同じ働きをする薬だ。

要するに、骨がカルシウムとして血中へ流れ出ないようにし、骨量の減少を防ぐ薬ということである。

 

【主な選択的エストロゲン受容体モジュレーター

エビスタ(成分名:ラロキシフェン)

ビビアント(成分名:バゼドキシフェン)

 

各薬剤の違いについては、下の記事が詳しい。

>>> エビスタ(ラロキシフェン)とビビアント(バゼドキシフェン)の違い・比較

 

ビタミンK₂製剤

ビタミンK₂製剤は、カルシムが骨へ取り込まれるのを助ける作用を持つ。

そして、骨がカルシウムとして血中へ流れ出ないようにし、骨量の減少を防ぐ働きも併せ持っている。

 

【主なビタミンK₂製剤

グラケー(成分名:メナテトレノン)

 

カルシウム製剤

カルシウム製剤は、名前の通りカルシウムを補う薬だ。

血中のカルシウム濃度を高めることにより破骨細胞の働きを抑え、骨が破壊されるのを抑制する。

 

【主なカルシウム製剤】

アスパラ-CA(成分名:L-アスパラギン酸カルシウム)

 

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤は、骨を作る骨芽細胞に働きかけることにより、骨形成を促進する薬だ。

具体的に言うと、「骨芽細胞を増やす作用」と「骨芽細胞の自然死を抑制する作用」により骨芽細胞を増やして、骨形成を促す。

 

【主な副甲状腺ホルモン(PTH)製剤

フォルテオ、テリボン(成分名:テリパラチド)

 

各薬剤の違いについては、下の記事が詳しい。

>>> フォルテオとテリボンの違い・比較

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