アルツハイマー型認知症治療薬

病院で処方されるアルツハイマー型認知症治療薬について分かりやすく解説する

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代表的な脳の病気の1つに、アルツハイマー型認知症がある。

アルツハイマー型認知症は、高齢化に伴い大きな社会問題となっている。

そこでこの記事では、アルツハイマー型認知症に使われる薬についてまとめた。

 

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アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、思考に関与する大脳皮質が小さくなり、認知機能・運動機能の低下が見られる病気だ。

(ドイツの精神科医であるアルツハイマー博士が病名の由来となっている)

 

近年では寿命が延びたことにより、アルツハイマー型認知症患者が劇的に増加した。

そのため家族の介護負担が増え、アルツハイマー型認知症は社会問題になりつつある。

 

アルツハイマー型認知症は、「自分が病気である」という認識がないことが特徴だ。

初期症状としては、「同じことを何度も言う」、「物忘れが多くなる」、「記憶力の低下」、「物を盗られたという被害妄想」などから始まる。

 

さらに症状が進行すると「徘徊(歩き回る)」や「暴力行為」、「認知機能の低下(迷子になる・家族を認識できない)」、「運動機能低下」などが起こり、寝たきりの状態になる。

 

【アルツハイマー型に認知症の主な症状】

軽度の症状

◆日にちが分からない

◆同じことを何度も言う

◆少し前の出来事を思い出せない

 

中等度の症状

◆季節に合う服を選べない

◆異常行動(徘徊・暴力行為)

◆買い物がうまくできない(同じものを何度も買うなど)

 

高度の症状

◆家族などの親しい人を認識できない

◆運動機能低下により、寝たきり状態

◆意思の疎通が難しくなる

 

アルツハイマー型認知症は、男性よりも女性に多く見られ、若年性の場合では40歳代から見られることもある。

症状の進行は比較的ゆっくりで、進行を遅らせる目的で薬物治療を行う。

 

今のところアルツハイマー型認知症の根治はできず、あくまでも進行を遅らせるだけである。

症状が良くなる可能性は少ない。

 

アルツハイマー型認知症の原因

アルツハイマー型認知症が引き起こされる原因としては、大きく分けて2つある。

それが「脳におけるアセチルコリンの減少」と「NMDA受容体の過剰興奮」だ。

 

1:脳におけるアセチルコリンの減少

アルツハイマー病の患者では、記憶に関与する海馬において「アセチルコリン」と呼ばれる神経伝達物質の減少が見られる。

これはタンパク質の一種であるβアミロイドが脳に蓄積した結果、神経細胞が破壊されることにより引き起こされると考えられている。

(βアミロイドが蓄積したものを、専門用語で「老人斑」と呼ぶ。)

 

2:NMDA受容体の過剰興奮

2つ目の理由が、アルツハイマー型認知症患者の脳では、NMDA受容体(グルタミン酸受容体)が過度に活性化していることだ

 

NMDA受容体が過度に活性化されてしまうと、過剰に脳が刺激されてしまう。

その結果、脳細胞に傷がついてしまうので記憶障害が起こるのである。

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アルツハイマー型認知症に使われる薬

前述の通り、アルツハイマー型認知症が引き起こされる原因としては「脳におけるアセチルコリンの減少」「NMDA受容体の過剰興奮」がある。

 

【アルツハイマー型認知症の主な原因】

◆脳におけるアセチルコリンの減少

◆NMDA受容体の過剰興奮

 

つまり「脳におけるアセチルコリンを減少させない」、「NMDA受容体を過剰に興奮させない」という2つのアプローチによって、症状の進行を抑えられることが分かる。

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、脳におけるアセチルコリンを増やすことにより、認知力の低下を遅らせる薬だ。

 

アセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼと呼ばれる酵素によって分解されてしまう。

つまりアセチルコリンエステラーゼの働きを抑えれば、アセチルコリンの量を増やすことができるということだ。

 

このような作用機序により、脳内のアセチルコリンを増やし、アルツハイマー型認知症の信仰を遅らせるのがアセチルコリンエステラーゼ阻害薬である。

 

剤形も豊富で、錠剤の他に細粒やゼリータイプ、貼り薬などもある。

そのため患者の状態に合わせて、薬を選ぶことが可能となっている。

 

【主なアセチルコリンエステラーゼ阻害薬】

アリセプト(成分名:ドネペジル)

レミニール(成分名:ガランタミン)

イクセロン、リバスタッチ(成分名:リバスチグミン)

 

各薬剤の違いについては、下の記事が詳しい。

>>> アリセプト、レミニール、リバスタッチ・イクセロンの違い・比較

 

NMDA受容体拮抗薬

NMDA受容体拮抗薬は、その名の通りNMDA受容体の過剰興奮を抑える薬だ。

NMDA受容体拮抗作用により、過剰興奮による神経細胞の死滅を抑制し、認知症の進行を遅らせる。

 

NMDA受容体拮抗薬に分類される薬には、メマリー(成分名:メマンチン)がある。

この薬は軽度アルツハイマー型認知症には使われず、中等度から高度の認知症に使われる。

前述のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とも併用されることがある。

 

【主なNMDA受容体拮抗薬】

メマリー(成分名:メマンチン)

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