アルツハイマー型認知症治療薬

アリセプト錠(ドネペジル)の効果・特徴・副作用

更新日:

スポンサーリンク

アリセプト錠(ドネペジル)の効能・効果

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬に分類されるアルツハイマー型認知症治療薬だ。

より簡単に言うと、アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は「物忘れを始めとする認知症の進行を抑える薬」ということである。

 

【アリセプト錠の効能・効果】

1:アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制

 

アリセプト錠(ドネペジル)の作用機序

アルツハイマー型認知症では、脳に「老人斑」が見られる。

老人斑とは、脳にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が蓄積してできたものだ。

 

このβアミロイドが脳に蓄積していくことにより、記憶を司る海馬において、神経伝達物質の1つである「アセチルコリン」が減少してしまう。

その結果、記憶障害が引き起こされるのだ。

 

ここから分かることは、脳内におけるアセチルコリンの量を増やすことができれば、アルツハイマー型認知症の症状を改善できるということである。

 

脳内では「アセチルコリンエステラーゼ(AChE)」と呼ばれる酵素が、アセチルコリンを分解してしまう。

したがってアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害すれば、アセチルコリンの量が減らなくなるため、アルツハイマー型認知症の進行を抑制できる。

 

このような作用機序により、アルツハイマー型認知症の進行を抑えるのがアリセプト錠(成分名:ドネペジル)だ。

 

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬 作用機序

 

 

つまりアリセプト錠(成分名:ドネペジル)は、アセチルコリンエステラーゼを阻害し、脳内のアセチルコリンの量を増やすことにより、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせるのである。

 

スポンサーリンク

アリセプト錠(ドネペジル)の特徴

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)には、以下のような特徴がある。

重症度に関係なく投与できる

アルツハイマー型認知症薬は、アルツハイマー型認知症の重症度によって「使える薬」と「使えない薬」に分類される。

 

同じアルツハイマー型認知症治療薬であるレミニール錠(成分名:ガランタミン)イクセロン・リバスタッチパッチ(成分名:リバスチグミン)は、軽症~中等度のアルツハイマー型認知症にしか使えない。

 

一方アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は、アルツハイマー型認知症の重症度に関係なく使用できる。 (詳しくは下記参照)

>>> アリセプト、レミニール、リバスタッチ・イクセロンの違い・比較

 

消化器症状の副作用が多い

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)の副作用としては「吐き気」、「下痢」、「腹痛」、「食欲減退」などの消化器症状が発現しやすい。

このような理由により、少しずつ服用量を増やしていくことによって体を薬に慣れさせ、副作用を軽減させる必要がある。

 

【アリセプト錠の服用量】

1〜2週:3mg/day

2〜6週:5mg/day

6〜8週:10mg/day

 

1日1回の服用で効果が持続

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)の血中濃度が半分になる時間(半減期)は、約90時間と非常に長い。

そのため1日1回の服用で、効果を期待できる。

 

認知機能が低下している患者では、いかに薬をきちんと服用できるかが非常に重要だ。

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は1日1回の服用ですむため、「飲み忘れ防止」という観点からも服用を継続しやすい薬と言える。

 

豊富な剤形が販売されている

アリセプト(成分名:ドネペジル)は錠剤タイプだけでなく、「口腔内崩壊錠(口の中で溶ける)」、「ゼリータイプ」、「ドライシロップタイプ」が販売されている。

そのため、患者の飲み込む力や認知機能を加味して使い分けが可能となっている。

 

アルツハイマー型認知症を治す薬ではない

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は、アルツハイマー型認知症を治す薬ではなく、病気の進行を遅らせる薬である。

あくまでも進行を遅くするだけであって、薬の服用によって病気が完治することはない。

 

レビー小体型認知症の適応がある

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は、「レビー小体型認知症」に適応を持つ世界初の薬である。

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症の次に多い認知症だ。

 

アルツハイマー型認知症とは異なり、「幻覚」やパーキンソン病のような「運動機能障害(歩くのが難しい、手のこわばり等)」、「自律神経障害(便秘、尿失禁、起立性低血圧)」を伴う。

 

服用を注意した場合の対処法

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)の服用を中止した場合、3週間以上経過しているのであれば、1日3mgから再開することが望ましい。

これは一般的に半減期の5倍の時間が経過すれば、体内から薬が排泄されたと考えることができるからである。

 

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)の半減期90時間から計算すると、19日程度が経過していれば、体内にはほとんど薬が残っていないと考えられる。

そのため服用を中止してから3週間以上が経過しているのであれば、1日3mgの服用から再開した方が良い。

 

アリセプト錠(ドネペジル)の飲み方

通常、アリセプト錠(成分名:ドネペジル)は、以下の量を服用する。

 

【アリセプト錠の用法・用量】

アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量する。

高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過した後、10mgに増量する。

なお、症状により適宜減量する。

 

▼レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制

1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量する。

5mgで4週間以上経過した後、10mgに増量する。

なお、症状により5mgまで減量できる。

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

スポンサーリンク

アリセプト錠(ドネペジル)の飲み合わせ

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)には、一緒に服用してはいけない併用禁忌となる薬はない。

 

【アリセプト錠の併用禁忌薬】

なし

アリセプト錠(ドネペジル)の注意点

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【アリセプト錠を服用する際の注意点】

◆継続して服用する

理由:効果が現れるまでに時間がかかるため

 

◆車の運転など、危険を伴う機械の操作は行わないこと

理由:めまい、眠気などが現れる可能性があるため

 

スポンサーリンク

アリセプト錠(ドネペジル)の禁忌

以下に該当する薬は、アリセプト錠(成分名:ドネペジル)を服用してはいけないことになっている。

 

【アリセプト錠の禁忌】

◆アリセプトの成分またはピペリジン誘導体に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が良くない可能性があるため

 

アリセプト錠(ドネペジル)の副作用

アリセプト(成分名:ドネペジル)の主な副作用としては「食欲不振」、「吐き気」、「嘔吐」、「下痢」などが報告されている。

 

【アリセプト錠の主な副作用】

◆食欲不振

◆吐き気

◆嘔吐

◆下痢

 

またアリセプト錠(成分名:ドネペジル)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【アリセプト錠の重大な副作用】

◆QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈、心ブロック、失神

症状:脈の乱れ、めまい、動悸、胸の痛み、体がだるい、気を失うなど

 

◆心筋梗塞、心不全

症状:胸の痛み、息苦しい、冷や汗、動悸、息切れ、疲労感など

 

◆消化性潰瘍、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血

症状:お腹の痛み、吐き気、嘔吐、吐血、血便など

 

◆肝炎、肝機能障害、黄疸

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目・尿が黄色い、かゆみ等

 

◆脳性発作、脳出血、脳血管障害

症状:てんかん、痙攣、頭痛、めまい、吐き気など

 

◆錐体外路障害

症状:筋肉のこわばり、手足の震え・痙攣など

 

◆悪性症候群

症状:筋肉のこわばり、発熱、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗など

 

◆横紋筋融解症

症状:筋肉の痛み、力が入りにくい、手足のしびれ、赤みがかった尿など

 

◆呼吸困難

症状:呼吸が苦しいなど

 

◆急性膵炎

症状:重度の腹痛、吐き気、嘔吐など

 

◆急性腎不全

症状:むくみ、尿量の減少、吐き気、頭痛、貧血、食欲不振、喉が渇くなど

 

◆原因不明の突然死

症状:突然死

 

◆血小板減少

症状:青あざができやすい、出血しやすい等

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

アリセプト錠(ドネペジル)を飲み忘れたら

アリセプト錠(成分名:ドネペジル)を飲み忘れてしまったら、気づいた時にすぐ服用する。

ただし普段服用している時間から、すでに半日以上が経過している場合は、忘れた分は服用しなくて良い。

絶対に2回分の量を1度に服用してはいけない。

>>> 他のアルツハイマー型認知症治療薬をチェックする

RELATED

-アルツハイマー型認知症治療薬

Copyright© 週刊 薬剤師日記 , 2018 All Rights Reserved.