抗不整脈薬

アンカロン錠(アミオダロン)の効果・特徴・副作用

更新日:

スポンサーリンク

アンカロン錠(アミオダロン)の効能・効果

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、Kチャネル遮断薬に分類される抗不整脈薬だ。

簡単に説明すると、アンカロン錠(成分名:アミオダロン)は「乱れた脈を整える薬ということである。

 

【アンカロン錠の効能・効果】

生命に危険のある下記の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合

<心室細動、心室性頻拍、心不全(低心機能)又は肥大型心筋症に伴う心房細動>

 

アンカロン錠(アミオダロン)の作用機序

心臓は電気刺激によって、一定のリズムを保ちながら動いている。

しかし、電気刺激が乱れてしまうことがある。

これがいわゆる「不整脈」だ。

 

電気刺激は、専門的には「活動電位」と呼ばれている。

この活動電位の発生に関与しているのがNaイオン」「Caイオン」「Kイオン」である。

これらのイオンが心筋の細胞膜にあるイオンチャネル(通り道)を出入りすることにより、活動電位が生じるのだ。

 

活動電位は、心筋細胞へNaイオンが流入することにより発生する。

この状態を専門用語で「脱分極」と呼ぶ。

 

Naイオンが流入し終わると、次に「Caイオンの流入」と「Kイオンの排出」が起こる。

「Caイオンの流入」と「Kイオンの排出」は同時に起こり、活動電位に大きな変化が見られなくなる。

 

そして、しばらくこの状態が続いた後、Caチャネルが閉じ、Kイオンの排出だけが起こる。

この時に活動電位がガクッと下がり、活動電位は元の状態へ戻る。

以上のように、心臓の拍動はイオンの出入りによって引き起こされているのだ。

 

不整脈

 

【活動電位発生の大まかな流れ】

1:Naイオンの流入(脱分極)

2:活動電位の発生

3:Caイオンの流入とKイオンの排出

4:Kイオンの排出だけ起こる

5:活動電位が元の状態に戻る

 

活動電位が生じている時、「絶対不応期」「相対不応期」と呼ばれる間がある。

絶対不応期とは、どんなに強い刺激を心筋細胞に与えても反応しない時間。

そして相対不応期とは、比較的強い刺激には反応する時間だ。

 

通常、相対不応期が終わると、再び電気刺激が心臓に伝導して活動電位が生じる。

このように心臓は、一定のリズムで動いているのだ。

 

しかし、不整脈の場合は違う。

不整脈では、相対不応期に強い刺激が生じる。

そのため、通常では発生しないタイミングで、活動電位が発生してしまうのだ。

 

ここから分かることは、異常な活動電位が発生しないようにすれば、不整脈を改善できるということである。

異常な活動電位の発生を抑制する手段の1つが「不応期を延長させる」という方法だ。

 

具体的に言うと、Kチャネルを阻害し、活動電位持続時間を延長させる。

その結果、不応期が延長し異常な活動電位の伝達が抑制されるので、不整脈を改善できる。

 

このような作用機序により脈を整えるのが、アンカロン錠(成分名:アミオダロン)だ。

つまりアンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、Kチャネルを阻害することにより不応期を延長させ、乱れた脈を整えるのである。

 

スポンサーリンク

アンカロン錠(アミオダロン)の特徴

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)には、以下のような特徴がある。

Kチャネル遮断薬に分類される

抗不整脈薬は「Naチャネル遮断薬」、「β受容体遮断薬」、「Kチャネル遮断薬」、「Caチャネル遮断薬」に分類できる。

その中でもアンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、Kチャネル遮断薬に属する抗不整脈薬だ。

 

分類上はKチャネル遮断薬だが、Kチャネル遮断作用に加え、Naチャネル・Caチャネル遮断作用、α受容体・β受容体遮断作用を併せ持っている。

以上のような作用により、アンカロン錠(成分名:アミオダロン)は脈を整える作用を発揮する。

 

肝代謝型の薬剤

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、肝臓で代謝されるタイプの薬剤である。

そのため、腎機能に低下がみられる患者や透析患者でも使用可能となっている。

 

一方、同じKチャネル遮断薬であるソタコール錠(成分名:ソタロール)は、腎排泄型の薬である。

 

生命に危険のある再発性不整脈に使用

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、不整脈の中でも「他の抗不整脈薬が無効または使用できない生命に危険のある再発性不整脈」に使われる。

(生命に危険のある再発性不整脈:心房細動、心室細動、心室性瀕拍など)

 

専門医による使用が推奨されている

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)には、副作用として「重篤な不整脈」や「間質性肺炎」などがある。

そのため、アンカロン錠(成分名:アミオダロン)の使用は、致死的不整脈治療の十分な経験のある医師に限り、設備の整った施設で使用するよう警告されている。

 

アンカロン錠(アミオダロン)の飲み方

通常、アンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、以下の量を服用する。

 

【アンカロン錠の用法・用量】

導入期

1日の服用量:400mg

1日の服用回数:1日1~2回

 

▼維持期

1日の服用量:200mg

1日の服用回数:1日1~2回

1日の最大服用量:年齢、症状により適宜増減

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

スポンサーリンク

アンカロン錠(アミオダロン)の飲み合わせ

以下の薬とアンカロン錠(成分名:アミオダロン)は、飲み合わせが悪い。

そのため、一緒に服用することができない。(併用禁忌)

 

【アンカロン錠の併用禁忌】

◆リトナビル(商品名:ノービア)

◆サキナビル(商品名:フォートベイス)

◆サキナビルメシル酸塩(商品名:インビラーゼ)

◆インジナビル硫酸塩エタノール付加物(商品名:クリキシバン)

理由:重篤な副作用を引き起こす可能性があるため

 

◆ネルフィナビルメシル酸塩(商品名:ビラセプト)

理由:QT延長、Torsades de pointes等の不整脈や持続的な鎮静を起こすおそれがあるため

 

◆スパルフロキサシン(商品名:スパラ)

◆モキシフロキサシン塩酸塩(商品名:アベロックス)

理由:QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがあるため

 

◆バルデナフィル塩酸塩水和物(商品名:レビトラ)

◆シルデナフィルクエン酸塩 (商品名:バイアグラ・レバチオ)

理由:QT延長を起こすおそれがあるため

 

◆トレミフェンクエン酸塩(商品名:フェアストン)

理由:心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)等を起こすおそれがあるため

 

◆テラプレビル(商品名:テラビック)

理由:不整脈などを起こすおそれがあるため

 

◆フィンゴリモド塩酸塩(商品名:イムセラ・ジレニア)

理由:Torsades de pointes等の重篤な不整脈を起こすおそれがあるため

 

◆エリグルスタット酒石酸塩(商品名:サデルガ)

理由:QT延長等を生じるおそれがあるため

アンカロン錠(アミオダロン)の注意点

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【アンカロン錠を服用する際の注意点】

◆抗菌薬、抗がん薬、抗エイズ薬、勃起不全治療薬、抗HCV薬、多発性硬化症治療薬などを服用している場合は相談する

理由:飲み合わせが悪い可能性があるため

 

◆セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む食品は控える

理由:薬の効果が弱まる可能性があるため

 

◆グレープフルーツジュースと一緒に服用しない

理由:副作用が発現しやすくなるため

 

スポンサーリンク

アンカロン錠(アミオダロン)の禁忌

以下に該当する人は、アンカロン錠(成分名:アミオダロン)を服用してはいけない。

 

【アンカロン錠の禁忌】

◆重篤な洞不全症候群のある人

理由:症状が悪化する可能性があるため

 

◆2度以上の房室ブロックのある人

理由:症状が悪化する可能性があるため

 

◆アンカロン錠(成分名:アミオダロン)の成分又はヨウ素に対する過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が悪い可能性があるため

 

◆以下の薬を服用している人

1:リトナビル(商品名:ノービア)

2:サキナビル(商品名:フォートベイス)

3:サキナビルメシル酸塩(商品名:インビラーゼ)

4:インジナビル硫酸塩エタノール付加物(商品名:クリキシバン)

5:ネルフィナビルメシル酸塩(商品名:ビラセプト)

6:スパルフロキサシン(商品名:スパラ)

7:モキシフロキサシン塩酸塩(商品名:アベロックス)

8:バルデナフィル塩酸塩水和物(商品名:レビトラ)

9:シルデナフィルクエン酸塩 (商品名:バイアグラ・レバチオ)

10:トレミフェンクエン酸塩(商品名:フェアストン)

11:テラプレビル(商品名:テラビック)

12:フィンゴリモド塩酸塩(商品名:イムセラ・ジレニア)

13:エリグルスタット酒石酸塩(商品名:サデルガ)

理由:飲み合わせが悪いため

 

アンカロン錠(アミオダロン)の副作用

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)の主な副作用としては「肺機能障害」、「角膜色素沈着」、「甲状腺機能異常」などが報告されている。

 

【アンカロン錠の主な副作用】

◆肺機能障害(発熱、息苦しいなど)

◆角膜色素沈着(目がかすむ、眩しいなど)

◆甲状腺機能異常(体がだるい、むくみ、寒気、体重減少、不眠など)

 

またアンカロン錠(成分名:アミオダロン)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【アンカロン錠の重大な副作用】

◆間質性肺炎、肺線維症、肺胞炎

症状:咳、呼吸困難、異常な呼吸音など

 

◆既存の不整脈の重度の悪化、Torsades de pointes、心不全、徐脈、心停止、完全房室ブロック、血圧低下

症状:脈の乱れ、浮腫(むくみ)、体がだるい、脈が遅くなる、息苦しい、動悸、めまい等

 

◆甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、甲状腺機能低下症

症状:体がだるい、浮腫(むくみ)、寒気、体重減少、汗が出やすい、動悸、不眠など

 

◆抗利尿ホルモン不適合分泌症候群

症状:尿量の増加、尿が漏れてしまう、嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害など

 

◆肺胞出血

症状:咳、血の混じった痰、息切れなど

 

◆急性呼吸窮迫症候群(アンカロン錠投与中の患者の心臓、心臓以外の手術後)

症状:呼吸困難など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

アンカロン錠(アミオダロン)を飲み忘れたら

アンカロン錠(成分名:アミオダロン)を飲み忘れた場合は、気づいた時にすぐ服用する。

ただし次の服用時間が近い場合は、忘れた分の薬は服用しなくて良い。

絶対に2回分の薬を1度に服用してはいけない。

>>>他の抗不整脈薬をチェックする

RELATED

-抗不整脈薬

Copyright© 週刊 薬剤師日記 , 2018 All Rights Reserved.