塗り薬

ステロイド外用薬の強さランクを比較-どのように使い分けるのか-

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ステロイドと聞くと「怖いイメージ」を持つ人が少なくない。

たしかに過度な量を使うとマイナスになることはある。

しかし、それはどの薬でも当たり前のことだ。

 

ステロイドは適切に使えば心強い味方になってくれる。

要するに、ステロイドの特性、正しい使い方をしっかりと理解することが重要なのである。

 

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ステロイドとは

ステロイドとは副腎皮質ホルモンのことで、強力な抗炎症作用・免疫抑制作用を持つことで知られている。

 

最もよく使われるステロイドは塗り薬だろう。

皮膚の赤み、腫れ、かゆみなどを強力に抑える作用があるので皮膚科領域でよく使われる。

 

ステロイド外用薬のランク

ステロイド外用薬は、強さによって以下の5つに分類できる。

 

【ステロイド外用薬の分類】

Ⅰ群:strongest(最強)

Ⅱ群:very strong(非常に強い)

Ⅲ群:strong(強い)

Ⅳ群:medium(普通)

Ⅴ群:weak(弱い)

 

それぞれのランクに属する薬としては以下のようなものがある。

 

Ⅰ群:strongest(最強)

◆ジフラール(成分名:ジフロラゾン酢酸エステル)

◆ダイアコート(成分名:ジフロラゾン酢酸エステル)

◆デルモベート(成分名:クロベタゾールプロピオン酸エステル)

 

Ⅱ群:very strong(非常に強い)

◆アンテベート(成分名:ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)

◆シマロン(成分名:フルオシノニド)

◆テクスメテン(成分名:ジフルコルトロン吉草酸エステル)

◆トプシム(成分名:フルオシノニド)

◆ネリゾナ(成分名:ジフルコルトロン吉草酸エステル)

◆パンデル(成分名:酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)

◆フルメタ(成分名:フランカルボン酸モメタゾン)

◆マイザー(成分名:ジフルプレドナート)

◆リンデロン(成分名:ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)

 

Ⅲ群:strong(強い)

◆フルコート(成分名:フルオシノロンアセトニド)

◆プロパデルム(成分名:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)

◆ベトネベート(成分名:ベタメタゾン吉草酸エステル)

◆ボアラ(成分名:デキサメタゾン吉草酸エステル)

◆メサデルム(成分名:デキサメタゾンプロピオン酸エステル)

◆リドメックス(成分名:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)

◆リンデロン(成分名:ベタメタゾン吉草酸エステル)

 

Ⅳ群:medium(普通)

◆アルメタ(成分名:アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)

◆グリメサゾン(成分名:デキサメタゾン・グリテール)

◆キンダベート(成分名:クロベタゾン酪酸エステル)

◆ケナログ(成分名:トリアムシノロンアセトニド)

◆レダコート(成分名:トリアムシノロンアセトニド)

◆ロコイド(成分名:ヒドロコルチゾン酪酸エステル)

 

Ⅴ群:weak(弱い)

◆エキザルベ(成分名:ヒドロコルチゾン/混合死菌浮遊液)

◆オイラックスH(成分名:ヒドロコルチゾン/クロタミトン)

◆テラ・コートリル(成分名:ヒドロコルチゾン/クロタミトン)

◆プレドニゾロン(成分名:プレドニゾロン)

 

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ステロイドランクによる使い分け

前述の通り、ステロイドは強さによってランク分けされている。

では、どのようにこれらのステロイド外用薬を使い分けているのか。

 

簡単に説明すると、重症であれば十分な効果を期待できるtrongest(最強)またはvery strong(非常に強い)が第一選択薬として使用される。

 

そして症状が中等度の場合はstrong(強い)、medium(普通)が選択され、軽症であればmedium(普通)以下のステロイドが選ばれる。

 

炎症症状がほぼなく乾燥が主な症状である場合は、ステロイドを含まない外用薬が使われる。

 

Ⅰ群:strongest(最強)

症状が重い場合に使われる

◆作用が最も強いため、原則こどもには処方されない

◆連続使用は、1週間程度が目安

 

Ⅱ群:very strong(非常に強い)

症状が重い場合に使われる

◆連続使用は1週間程度が目安

◆大人は体幹部に使用

◆子どもは腕・足などに使用

 

Ⅲ群:strong(強い)

症状が中等度の場合に使われる

◆連続使用は大人が2週間、子どもは1週間が目安

◆大人は全身に使用可能だが、子どもは体幹に使用

 

Ⅳ群:medium(普通)

症状が中等度の場合に使われる

◆全身(顔を含む)に使用可能

◆連続使用は大人が2週間、子どもは1週間が目安

 

Ⅴ群:weak(弱い)

症状が軽度の場合に使われる

◆全身に使用可能

◆連続使用の場合は2週間程度が目安

 

*乳児、または小児は大人に比べるとステロイドの吸収が良いので、大人よりもステロイドランクを1段階落として使うことが多い。

ただし、効果が得られない場合はこの限りでない。

軟膏、クリーム、液剤の違い・使い分けは?

ステロイド外用薬には大きく分けて軟膏、クリーム、液剤タイプがある。

それぞれ長所と短所が異なるので、症状や好みの使用感によって使い分けることが多い。

 

軟膏の長所・短所

【長所】

◆どのような状態の皮疹にも使用可能

 

【短所】

◆ベタつくので使用感が悪い

 

クリームの長所・短所

【長所】

◆軟膏よりも使用感がよく、吸収されやすい

◆洗い落としやすい

 

【短所】

◆症状によって、しみて痛いことがある

 

液剤の長所・短所

【長所】

◆べたつかないので、頭部などに使いやすい

 

【短所】

◆症状によって、しみて痛いことがある

 

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ステロイド外用薬を塗る回数

ステロイド外用薬は、塗る回数が少ないと副作用が少なくなる

そのため重症である場合は1日2回使い、症状が軽快したら1日1回塗るようにすることが多い。(ただし、主治医の判断による)

ちなみにstrongクラス以上の外用薬では1日2回と1回の間で効果に有意な差はないと言われている。

 

塗る量の目安としては人差し指の第一関節を使うと良い。

成人の場合、人差し指の先から第一関節までチューブから押し出した量が、成人の両手と同じくらいの面積にな適した量である。

 

ステロイド外用薬の主な副作用

ステロイドの飲み薬には糖尿病、満月様顔貌(ムーンフェイス)、副腎不全などの副作用が発生することもある。

しかしステロイド外用薬の場合は、適切に使用すればこのような副作用が起こることはほとんどない。

 

ステロイド外用薬で生じることのある副作用は以下のようなものがあるが、使用を中止したり、適切な処置をすれば改善する

 

ステロイドざ瘡

ステロイドざ瘡は、簡単な言葉で表現するとニキビのことである。

長期連用することにより生じやすい。

 

ステロイド紅潮

ステロイド紅潮は、皮膚が赤くなる症状のことを指す。

長期連用することにより生じやすい。

 

皮膚萎縮

皮膚萎縮とは、皮膚が薄くなり弱くなる状態を指す。

そして皮膚が薄くなった結果、皮膚の下を通る血管が浮き出て見えるようになる。

皮膚萎縮も長期連用により生じやすい副作用の1つである。

 

多毛

多毛は、文字通り体毛が多くなることを指す。

 

皮膚感染症

ステロイドは免疫抑制作用があるため、細菌やウイルスによる感染症を引き起こすことがある。

 

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ステロイド外用薬に関するよくある疑問

ステロイド外用薬に関するよくある疑問としては、以下のようなものがある。

 

複数の塗り薬を使うときの順番は?

基本的には同時に塗り薬を使わず、時間を空けてから使用する。

もし複数の塗り薬を同時に塗るなら、塗る範囲の広い薬から塗る

 

例えば、保湿剤は塗る範囲が広く、ステロイド外用薬は炎症が起こっている部分のみに使うので塗る範囲は狭いことが多い。

つまりこの場合は、保湿剤を塗ってからステロイドを塗ると良いということだ。

 

市販のステロイド外用薬には何がある?

市販されているステロイド外用薬はストロング、ミディアム、ウィークのみである。

ベリーストロング、ストロンゲストに属するステロイド外用薬は市販されていない。

代表例としては以下のようなものがある。

 

【ストロング】

フルコートf

フルコートfは、ステロイドと抗生物質が配合された塗り薬である。

抗生物質が配合されているため、化膿している湿疹・皮膚炎に向いている。

 

ベトネベートクリームS

ベトネベートクリームSは、抗生物質が配合されていないステロイドのみで構成されている塗り薬である。

化膿を伴わなければ、フルコートよりもベトネベートクリームSの方が良い。

 

【ミディアム】

テレスHi軟膏S

テレスHi軟膏S、ステロイドにかゆみ止めが含まれている塗り薬である。

かゆみの強い湿疹、皮膚炎、かぶれに。

 

ドルマイコーチ軟膏

ドルマイコーチ軟膏は、ステロイドと抗生物質が配合された塗り薬である。

抗生物質が配合されているため、化膿している湿疹・皮膚炎などに向いている。

 

 

リビメックスコーワ軟膏 10g

リビメックスコーワ軟膏は、抗生物質が配合されていないステロイドのみで構成されている塗り薬である。

化膿・かゆみを伴わない湿疹、皮膚炎、かぶれに。

 

【ウィーク】

テラ・コートリル軟膏a

テラ・コートリルは、ステロイドと抗生物質が配合された塗り薬である。

抗生物質が配合されているため、化膿している湿疹・皮膚炎などに向いている。

 

ロコイダン軟膏

ロコイダン軟膏は、抗生物質が配合されていないステロイドのみで構成されている塗り薬である。

化膿・かゆみを伴わない湿疹、皮膚炎、かぶれに。

 

タクトプラスクリーム

タクトプラスクリームは、ステロイドにかゆみ止めが含まれている塗り薬である。

かゆみの強い湿疹、皮膚炎、かぶれに。

 

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