統合失調症治療薬

ジプレキサ錠(オランザピン)の効果・特徴・副作用

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ジプレキサ錠(オランザピン)の効能・効果

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、多元受容体標的化抗精神薬(MARTA)に分類される統合失調症治療薬だ。

*MARTA:Multi-Acting Receptor Targeted Antipsychotics

 

簡単に説明すると、ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は「興奮や幻覚、妄想を抑える作用」「意欲の低下などを改善する作用」を持つということである。

 

またジプレキサ錠(成分名:オランザピン)には、抗うつ作用と抗躁作用が認められているため、「憂鬱な気分や気分の落ち込み」、「抑えられない感情の高まり」などを改善する目的で使用されることがある。

 

【ジプレキサ錠の効能・効果】

1:統合失調症

2:双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善

 

ジプレキサ錠(オランザピン)の作用機序

統合失調症は、100人に1人弱が発症する身近な病気だ。

特に15-30歳の若い世代で発症しやすく、全患者の多くを占める。

 

統合失調症の症状は、大きく2つに分類できる。

それが「陽性症状」「陰性症状」だ。

 

陽性症状は、統合失調症の初期に現れる。

主な症状は「幻覚・幻聴」や「妄想」などで、原因としては脳における過剰なドパミン分泌が挙げられる。

 

つまりドパミンの働きを抑えれば、陽性症状を改善できるのである。

この時に重要な役割を果たすのが「D2受容体」だ。

 

具体的に言うと、D2受容体の働きを阻害すれば、ドパミンの作用を抑制できるので、陽性症状の改善を期待できるのである。

 

そして陽性症状の後に現れるのが、陰性症状である。

陰性症状では「意欲の低下」や「感情表現が乏しくなる」といった症状が現れる。

 

陰性症状の原因は「セロトニンとドパミンのバランスの崩れ」だ。

実はセロトニンには、ドパミンの分泌を抑制する作用がある。

 

セロトニンの働きが過剰になると、ドパミンの量が減り、セロトニンとドパミンのバランスが崩れてしまう。

その結果、意欲の低下を始めとする陰性症状が引き起こされるのだ。

 

つまり陰性症状を改善するには、セロトニンの働きを抑え、ドパミンの働きを強めてやれば良い。

この時に重要な役割を果たすのが「5-HT2受容体」だ。

 

5-HT2受容体の働きを阻害することにより、セロトニンの働きを抑制することが出来る。

その結果ドパミンの量が増え、セロトニンとドパミンのバランスが改善できるのだ。

 

まとめると、陽性症状は「ドパミンの働きを抑える」こと。

そして陰性症状は「セロトニンの働きを抑え、セロトニンとドパミンのバランスを改善する」ことが重要なのだ。

 

以上のような作用機序により、統合失調症の陽性症状と陰性症状を改善するのが、ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)だ。

 

【ジプレキサ錠の主な作用】

D2受容体遮断作用:陽性症状を改善

5-HT2受容体:陰性症状を改善

 

つまりジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、D2受容体を遮断することにより陽性症状を、そして5-HT2受容体を遮断することにより陰性症状を改善するのである。

 

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ジプレキサ錠(オランザピン)の特徴

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)には、以下のような特徴がある。

非定型抗精神病薬に分類される

統合失調症治療薬は「定型抗精神病薬」と「非定型抗精神病薬」に大別できる。

その中でもジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、非定型抗精神病薬に分類される薬だ。

 

定型抗精神病薬は、D2受容体遮断作用を有する薬で、統合失調症の陽性症状を軽減する。

一方、非定型抗精神病薬は、陽性症状に加え、陰性症状に対しても効果を期待できるという特徴がある。

 

詳しい「定型抗精神病薬」と「非定型抗精神病薬」の違いについては、以下の記事が詳しい。

>>> 定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の違い・比較

 

抗うつ作用・抗躁作用を持つ

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)には、D2受容体遮断作用や5-HT2受容体だけでなく、様々な受容体へ作用する薬で、抗うつ作用や抗躁作用が認められている。

 

そのためジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は「双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善」に対する適応を持っている。

同じMARTAに分類されるセロクエル錠(成分名:クエチアピン)は、この適応を持たない。

 

一方、様々な受容体に作用するため、アドレナリンα1受容体への作用による「めまい・立ちくらみ」、ヒスタミンH1受容体への作用による「眠気、体重増加」、ムスカリン性アセチルコリン受容体への作用による「口の渇きや便秘、排尿障害」などが発現する可能性もある。

 

1日1回の服用で効果を得られる

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、薬の血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)が約28時間と非常に長い。

そのため、1日1回の服用で効果を期待できる。

 

錐体外路症状などの副作用が少ない

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、作用持続時間が長いもののD2受容体を強力に阻害するわけではない。

そのため、統合失調症治療薬で問題になりがちな「錐体外路症状」や「高プロラクチン血症」などの副作用が少ない。

 

*錐体外路症状:手足の震え、筋肉のこわばり、動作が遅くなるなど

*高プロラクチン血症:乳汁がでる、生理の遅れ、射精ができないなど

 

糖尿病の人や糖尿病にかかったことのある人は使用できない

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を服用することにより、著しい血糖値の上昇から「糖尿病性ケトアシドーシス」や「糖尿病性性昏睡」などの重大な副作用が発現するとの報告がある。

 

このような理由により、糖尿病の人や糖尿病にかかったことのある人は、ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を使用できない。

また副作用予防の観点から、ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を服用中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うよう警告されている。

 

服用中はタバコを控える

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)の服用中は、タバコを控える必要がある。

これはジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を代謝する酵素であるCYP1A2が、タバコによって誘導された結果、薬の代謝が進み、効果が落ちてしまう可能性があるためである。

 

剤型が豊富

ジプレキサ(成分名:オランザピン)は錠剤だけでなく、口の中で溶けるザイディス錠や注射剤タイプ、粉薬タイプが販売されている。

そのため、患者の状態やライフスタイルに合わせて剤型を選択できる。

 

ジプレキサ錠(オランザピン)の飲み方

通常、ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、以下の量を服用する。

 

【ジプレキサ錠の用法・用量】

統合失調症

1回の服用量:5~10mg

1日の服用回数:1回

1日の最大服用量:20mg

 

双極性障害における躁症状の改善

1回の服用量:10mg

1日の服用回数:1回

1日の最大服用量:20mg

 

双極性障害におけるうつ症状の改善

1回の服用量:1日5mgより開始し、その後1日1回10mgに増量

1日の服用回数:1回

1日の最大服用量:20mg

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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ジプレキサ錠(オランザピン)の飲み合わせ

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)は、以下の薬と飲み合わせが悪い。

そのため、一緒に使用することができない。

 

【ジプレキサ錠の併用禁忌】

◆アドレナリン(商品名:ボスミン)

理由:血圧降下を起こすことがあるため

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ジプレキサ錠(オランザピン)の注意点

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【ジプレキサ錠を服用する際の注意点】

◆車の運転を始めとする危険を伴う機械の操作は控える

理由:眠気や注意力の低下が起こる可能性があるため

 

◆糖尿病の人は相談する

理由:急激な血糖値上昇により、重大な副作用が発現する可能性があるため

 

◆水をたくさん飲む、喉が渇く、頻尿などの症状が現れた場合は相談する

理由:高血糖の副作用である可能性があるため

 

◆冷や汗、眠気、手の震え、体がだるい等の症状が現れた場合は相談する

理由:低血糖の副作用である可能性があるため

 

◆アドレナリンを使用している場合は相談する

理由:血圧降下を起こすことがあるため

 

◆タバコは控える

理由:ジプレキサ錠の効果が弱まる可能性があるため

 

◆アルコールは控える

理由:薬の作用が過度に現れる可能性があるため

 

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ジプレキサ錠(オランザピン)の禁忌

以下に該当する人は、ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を服用してはいけない。

 

【ジプレキサ錠の禁忌】

◆昏睡状態の人

理由:昏睡状態を悪化させるおそれがあるため

 

◆バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある人

理由:眠気や意識の低下などが増強されるおそれがあるため

 

◆ジプレキサ錠の成分に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が悪い可能性があるため

 

◆アドレナリンを投与中の人

理由:血圧降下を起こすことがあるため

 

◆糖尿病の人、糖尿病にかかったことのある人

理由:急激な血糖値上昇により、重大な副作用が発現する可能性があるため

 

ジプレキサ錠(オランザピン)の副作用

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)の主な副作用としては「体重の増加」「ウトウトする」「不眠」「便秘」「足のムズムズ感」「ソワソワ感」「食欲増進」などが報告されている。

 

【ジプレキサ錠の主な副作用】

◆ウトウトする

◆高血糖

◆便秘

◆体がだるい

◆体重の増加

 

またジプレキサ錠(成分名:オランザピン)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【ジプレキサ錠の重大な副作用】

◆高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡

症状:口の渇き、水をたくさん飲む、尿量が増える、頻尿など

 

◆低血糖

症状:脱力感、体がだるい、冷汗、手足の震え、ウトウトする等

 

◆悪性症候群

症状:高熱、発汗、頻脈、血圧の変動、意識障害など

 

◆肝機能障害、黄疸

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなる等

 

◆痙攣

症状:けいれんする等

 

◆遅発性ジスキネジア

症状:口をモグモグさせる、繰り返し唇をすぼめる、口を突き出すなど

 

◆横紋筋融解症

症状:筋肉の痛み、力が入りにくい、手足のしびれ、赤みがかった尿など

 

◆麻痺性イレウス

症状:食欲不振、吐き気・嘔吐、便秘、お腹の張りなど

 

◆肺塞栓症、深部静脈血栓症

症状:息切れ、胸の痛み、手足の痛み、浮腫(むくみ)等

 

◆薬剤性過敏症症候群

症状:発疹、発熱など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること。

 

ジプレキサ錠(オランザピン)を飲み忘れたら

ジプレキサ錠(成分名:オランザピン)を飲み忘れたら、気づいた時に忘れた分の薬を服用する。

ただし次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分の薬は服用しなくて良い。

絶対に2回分の薬を1度に服用してはいけない。

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