狭心症治療薬 高血圧治療薬

「ラシックス」、「ルプラック」、「ダイアート」の違い・比較

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浮腫(むくみ)を取る薬の1つに、ループ利尿薬がある。

ループ利尿薬は最もよく使われる利尿薬の1つで、浮腫(むくみ)の治療に不可欠な薬だ。

そこでこの記事では、主なループ利尿薬の違いについてまとめた。

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ループ利尿薬とは

ループ利尿薬とは、尿を排出させることによって「浮腫(むくみ)をとる薬」だ。

 

簡単に言ってしまうと、浮腫(むくみ)とは体の中に水分が溜まっている状態である。

つまり、むくみを解消したければ、体の中の水分を減らしてやれば良い。

 

体内の水分量を減らす方法の1つが、「尿として水分を排出させる」というものだ。

尿は外へと排出される過程で、尿細管という場所を通る。

尿が尿細管を通る時、アミノ酸や糖、水分をはじめとする物質は血管内で再び吸収されている。

 

この時に水分がたくさん再吸収されるようだと、浮腫(むくみ)につながってしまう

つまり尿細管で水分が再吸収されないようにすれば、浮腫(むくみ)を改善できるということだ。

 

尿細管は、部位によって何種類かに分類されている。

その中でも特に水分の吸収に関係しているのが「ヘンレループ」である。

 

このヘンレループが、ループ利尿薬の作用点だ。

つまりヘンレループからの水分の吸収を阻害することにより、ループ利尿薬は尿量を増やしてむくみ(浮腫)を改善するのである。

 

この時に覚えておきたいのが、尿中のナトリウムの役割だ。

実はナトリウムと水は一緒に動くという性質がある

つまり、ナトリウムが吸収されれば水も吸収されるし、ナトリウムが吸収されなければ水も吸収されないということだ。

 

ヘンレループには、ナトリウムを再吸収する「ナトリウムの運び屋」が存在する

この輸送体がナトリウムを再吸収すると、水分まで一緒に吸収されてしまう。

その結果、体内の水分量が多くなり、浮腫(むくみ)が生じるのだ

 

ここから分かることは、「ナトリウムの運び屋」の働きを阻害すれば、浮腫(むくみ)を改善できるということだ。

このような作用機序により、浮腫(むくみ)を改善するのがループ利尿薬である。

ループ利尿薬

つまりループ利尿薬は、ヘンレループに存在するナトリウムの輸送体の働きを阻害することにより、浮腫(むくみ)を改善するのである。

 

主なループ利尿薬

主なループ利尿薬には、「ラシックス錠(成分名:フロセミド)」「ダイアート錠(成分名:アゾセミド)」「ルプラック錠(成分名:トラセミド)」がある。

 

【主なループ利尿薬】

ラシックス錠(成分名:フロセミド)

ルプラック錠(成分名:トラセミド)

ダイアート錠(成分名:アゾセミド)

 

これらの薬の違いは、大きく分けて2つある。

それが「適応症の違い」と「作用時間の違い」だ。

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適応症の違い

「ラシックス錠(成分名:フロセミド)」、「ルプラック錠(成分名:トラセミド)」、「ダイアート錠(成分名:アゾセミド)」には、適応症に違いがある。

 

心性浮腫・腎性浮腫・肝性浮腫のみに適応症を持つのが、ルプラック錠(成分名:トラセミド)ダイアート錠(成分名:アゾセミド)だ。

 

【ルプラック錠、ダイアート錠の効能・効果】

◆心性浮腫(心不全による浮腫)

◆腎性浮腫(腎臓が悪くなることによる浮腫)

◆肝性浮腫(肝臓が悪くなることによる浮腫)

 

 

一方、ラシックス錠(成分名:フロセミド)は、心性浮腫・腎性浮腫・肝性浮腫に加え、さらに多くの適応症をもつ。

それが「高血圧」、「月経前緊張症」、「尿路結石排出促進」、「末梢血管障害による浮腫」である。

 

【ラシックス錠の効能・効果】

◆高血圧症(本態性、腎性等)

◆悪性高血圧

◆心性浮腫(うっ血性心不全)

◆腎性浮腫

◆肝性浮腫

◆月経前緊張症

◆末梢血管障害による浮腫

◆尿路結石排出促進

 

作用時間の違い

「ラシックス錠(成分名:フロセミド)」、「ルプラック錠(成分名:トラセミド)」、「ダイアート錠(成分名:アゾセミド)」には、作用時間に違いがある。

作用時間によって「短時間型」、「長時間型」に分類されている。

 

短時間作用型に分類されるループ利尿薬が「ラシックス錠(成分名:フロセミド)」と「ルプラック錠(成分名:トラセミド)」だ。

早い効果を期待したい場合は短時間型ループ利尿薬が使われ、症状が落ち着いてコントロールしたい場合は長時間型が使われる傾向がある。

 

【短時間作用型ループ利尿薬】

ラシックス錠(成分名:フロセミド)

ルプラック錠(成分名:トラセミド)

 

長時間作用型に分類されるループ利尿薬が「ダイアート錠(成分名:アゾセミド)」だ。

作用が穏やかであるため、自然に近い利尿作用を得ることが可能となっている。

また短時間作用型に比べると、心血管死亡リスクの減少が有意に見られたという報告がある。

 

【長時間作用型ループ利尿薬】

ダイアート錠(成分名:アゾセミド)

 

そのほかの薬の違いについては、以下のページからどうぞ。

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