高血圧治療薬

レニベース錠(エナラプリル)の効果・特徴・副作用

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レニベース錠(エナラプリル)の効能・効果

レニベース錠(成分名:エナラプリル)は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)に分類される高血圧・狭心症治療薬だ。

より簡単に言うと、レニベース錠(成分名:エナラプリル)は「血圧を下げる作用」「心臓の働きを助ける作用」を持つということである。

 

【レニベース錠の効能・効果】

◆本態性高血圧症

◆腎性高血圧症

◆腎血管性高血圧症

◆悪性高血圧

◆軽症~中等症の慢性心不全(ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合)

 

*本態性高血圧症:遺伝や環境(生活習慣など)によって引き起こされる高血圧症

*腎性高血圧症:腎臓の病気が原因となって引き起こされる高血圧症

*腎血管性高血圧症:腎臓の血管が狭まることにより、引き起こされる高血圧症

*悪性高血圧症:急激な血圧上昇が起こり、心臓・脳・腎臓などに障害を与えうる高血圧症

 

レニベース錠(エナラプリル)の作用機序

高血圧症は、通常よりも血圧が高い状態だ。

血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、少しずつ血管が硬くなっていく。

 

これは「動脈硬化」と呼ばれ、脳梗塞・心筋梗塞・狭心症などの引き金になりうる。

このような合併症を予防するためにも、血圧を適切にコントロールする必要があるのだ。

 

血圧を上げる物質の1つに、「アンジオテンシンⅡ」がある。

つまりアンジオテンシンIIが作られないようにすれば、血圧を下げられるということだ。

 

レニベース錠(成分名:エナラプリル)の作用点は、「アンジオテンシン変換酵素(ACE)」だ。

アンジオテンシン変換酵素(ACE)はアンジオテンシンⅠに作用する酵素で、アンジオテンシンⅠを血圧上昇作用のあるアンジオテンシンⅡへ変換する。

 

ここから分かることは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用を阻害してしまえば、血圧上昇の原因であるアンジオテンシンⅡが産生されなくなるということである。

 

このような作用機序により血圧を下げるのが、レニベース錠(成分名:エナラプリル)をはじめとするアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)だ。

 

ACE阻害薬 作用機序

 

つまりレニベース錠(成分名:エナラプリル)は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することによって、アンジオテンシンⅡの産生を抑制し、血圧を下げるのである。

 

またレニベース錠(成分名:エナラプリル)には、心臓の働きを助ける作用がある。

そのため高血圧だけではなく、軽症~中等症の慢性心不全に対して使用されることもある。

 

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レニベース錠(エナラプリル)の特徴

レニベース錠(成分名:エナラプリル)には、以下のような特徴がある。

慢性心不全の適応がある

レニベース錠(成分名:エナラプリル)には、心臓への負担を軽くする心保護作用が認められている。

そのためレニベース錠(成分名:エナラプリル)は、高血圧だけでなく慢性心不全に対しても使われることがある。

 

慢性心不全に使われるACE阻害薬としては、レニベース錠(成分名:エナラプリル)の他にロンゲス錠(成分名:リシノプリル)がある。

 

構造内にSH基を持たない

ACE阻害薬には、その構造内に「SH基を持つタイプ」、そして「COOH基を持つタイプ」がある。

その中でもレニベース錠(成分名:エナラプリル)は、COOH基を持つタイプのACE阻害薬だ。

 

SH基を持つタイプのカプトリル錠(成分名:カプトプリル)は、副作用として味覚障害が問題となっていた。

(SH基と亜鉛がくっついてしまい、亜鉛が体外へ排出されやすくなるため)

 

しかしレニベース錠(成分名:エナラプリル)は、SH基を持たない。

そのため味覚障害が起こりにくいという特徴がある。

 

その他のACE阻害薬の構造については、以下の記事参照。

>>> 主なACE阻害薬の違い・比較

 

プロドラッグ化されたACE阻害薬

レニベース錠(成分名:エナラプリル)は、プロドラッグ化されたACE阻害薬である。

プロドラッグとは「作用させたい部位に到達してから、その効果を発揮する薬」のことを指す。

 

通常、薬は服用した後に消化管や肝臓で分解される。

しかし、薬が作用する部位へ到達する前に分解されてしまうと、その効果を発揮できなくなってしまう。

 

この問題を解決するのが、プロドラッグ化だ。

要するに、プロドラッグ化することにより、薬が目標部位へ到達してから、その効果を発揮できるようになるのである。

 

空咳・血管浮腫の副作用がある

レニベース錠(成分名:エナラプリル)をはじめとするアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)の有名な副作用に「空咳」「血管浮腫」がある。

 

▼空咳とは

空咳とは痰の絡まない咳のことだ。

 

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)は、「ブラジキニン」という物質を蓄積させてしまう。

その結果、空気の通り道である気道が刺激されてしまい、空咳が引き起こされるのである。

 

ただし空咳により、睡眠中に唾液や異物が気管に入ってしまう不顕性誤嚥を防ぐことができる。

そのため、あえてアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)を投与することがある。

 

▼血管浮腫とは

血管浮腫の初期症状は、唇・舌・まぶた・顔などの腫れだ。

多くの場合、服用後20日以内に発現する。

 

浮腫が咽頭(喉のあたり)に現れた場合は、呼吸困難に陥り死に至ることもある。

しかしほとんどの場合、初期症状の段階でACE阻害薬の投与を止めれば、症状が改善に向かうことが多い。

 

妊婦に禁忌

レニベース錠(成分名:エナラプリル)をはじめとするACE阻害薬には、奇形を誘発するリスクがある。

そのため妊婦への投与はできない。

 

レニベース錠(エナラプリル)の飲み方

通常、レニベース錠(成分名:エナラプリル)は、以下の量を服用する。

 

【レニベース錠の用法・用量】

高血圧症

1日の服用量:5~10mg(症状によっては2.5mgから投与を開始することが望ましい)

1日服用回数:1日1回

1日の最高用量:年齢、症状により適宜増減

 

慢性心不全(軽症~中等症)

1日の服用量:5~10mg(症状によっては2.5mgから投与を開始することが望ましい)

1日服用回数:1日1回

1日の最高用量:年齢、症状により適宜増減

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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レニベース錠(エナラプリル)の飲み合わせ

レニベース錠(成分名:エナラプリル)は、以下の薬と飲み合わせが悪い。

そのため、一緒に服用することができない。(併用禁忌)

 

【レニベース錠の併用禁忌】

◆リポソーバー、イムソーバTR、セルソーバ等を用いたアフェレーシス(血漿交換療法)を受けている人

理由:ショックを起こすおそれがあるため

 

◆アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた透析を受けている人

理由:アナフィラキシーを発現することがあるため

*アナフィラキシー:アレルギーの一種

レニベース錠(エナラプリル)の注意点

レニベース錠(成分名:エナラプリル)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【レニベース錠を服用する際の注意点】

◆高い場所での作業、車の運転を始めとする危険を伴う機械の操作は控える

理由:血圧が下がり、めまい・ふらつきが生じる可能性があるため

 

◆透析を受けている場合は相談する

理由:過度な血圧低下を生じることがあるため

 

◆利尿薬を服用中の場合は相談する

理由:過度な血圧低下を生じることがあるため

 

◆減塩療法を受けている場合は相談する

理由:過度な血圧低下を生じることがあるため

 

◆血漿交換療法を受けている場合は相談する

理由:血漿交換療法を受けている場合は、レニベース錠を服用できないため

 

◆手術の予定がある人は相談する

理由:過度な血圧低下を生じることがあるため

 

◆ラジレス(アリスキレン)を服用中かつ糖尿病治療中の場合は相談する

理由:非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されているため

 

◆妊娠中・妊娠の可能性がある人は相談する

理由:胎児・新生児の死亡、奇形が報告されているため

 

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レニベース錠(エナラプリル)の禁忌

下記に該当する人は、レニベース錠(成分名:エナラプリル)を服用してはいけないことになっている。

 

【レニベース錠の禁忌】

◆レニベース錠の成分に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が良くない可能性があるため

 

◆血管浮腫に罹ったことのある人

理由:高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現するおそれがあるため

 

◆デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の人

理由:ショックを起こす可能性があるため(アフェレーシス:血液浄化療法の1つ)

 

◆アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の人

理由:アナフィラキシー(全身性のアレルギー症状)を発現することがあるため

 

◆妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

理由:胎児・新生児の死亡、奇形が報告されているため

 

◆アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者

理由:非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されているため

 

レニベース錠(エナラプリル)の副作用

レニベース錠(成分名:エナラプリル)の主な副作用としては、咳、めまいが報告されている。

 

【レニベース錠の主な副作用】

◆咳

◆めまい

 

またレニベース錠(成分名:エナラプリル)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【レニベース錠の重大な副作用】

◆血管浮腫

症状:まふた・唇・舌の腫れ、息苦しい、蕁麻疹など

 

◆ショック

症状:冷や汗、息切れ、めまい、意識の薄れなど

 

◆心筋梗塞、狭心症

症状:胸の痛み、息苦しさ等

 

◆急性腎不全

症状:体がだるい、疲れやすい、尿量が減る、頭痛、むくみ等

 

◆汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少

症状:めまい、立ちくらみ、頭痛、発熱、喉の痛み、青あざができやすい、出血しやすい等

 

◆膵炎

症状:お腹の痛み、体がだるい、食欲の低下など

 

◆間質性肺炎

症状:発熱、咳嗽、呼吸困難など

 

◆剥脱性皮膚炎、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、天疱瘡

症状:むくみ、水泡、皮膚が赤くなる、体がだるい、寒気、皮膚のかゆみ等

 

◆錯乱

症状:考えがまとまらない等

 

◆肝機能障害,肝不全

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなる等

 

◆高カリウム血症

症状:手足に力が入りにくい、唇・手足のしびれ、筋力の減退など

 

◆抗利尿ホルモン不適合分泌症候群

症状:尿量の増加、尿が漏れてしまう、嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること。

 

レニベース錠(エナラプリル)を飲み忘れたら

レニベース錠(成分名:エナラプリル)を飲み忘れたら、気づいた時にすぐ服用する。

ただし次の服用時間が近い場合は、忘れた分の薬は服用しなくて良い。

絶対に2回分の薬を1度に服用してはいけない。

>>> 他の高血圧治療薬をチェックする

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