妊娠高血圧に使われる薬とは?

妊娠高血圧とは?

妊娠中の血圧は、特に異常がなかったとしても妊娠週数によって変わる。

通常であれば、妊娠したばかりの時期は血圧が低下しやすく、20週〜30週にかけて妊娠する前の血圧に戻る。

そして、その後は血圧が上昇する傾向にある。

しかし、妊娠前は高血圧でなかったにも関わらず、妊娠20週頃から血圧が高くなってしまうことがある。

これがいわゆる「妊娠高血圧」だ。

具体的には収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上となった場合、「妊娠高血圧」と診断される。

【妊娠高血圧】

◆妊娠前は高血圧でなかったにも関わらず、妊娠20週間頃から血圧が高くなる

◆収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上

妊娠高血圧の重症度

妊娠高血圧の重症度は、「血圧」「尿蛋白の量」によって決定される。

【軽度】

◆収縮期血圧140〜159mmHgもしくは拡張期血圧90〜109mmHg

◆尿蛋白が1日300mg以上2g未満

【重度】

◆収縮期血圧160mmHgもしくは拡張期血圧110mmHg

◆血圧が上記の値を満たしている場合は、尿蛋白量によらず重度

軽度の場合は、薬による治療は行われないことが多い。

しかし重度になると、母親やお腹の赤ちゃんに悪影響が出ないよう血圧を下げる治療が行われる。

妊娠高血圧に使われる薬

高血圧治療ガイドライン2014では、4種類の薬が妊娠高血圧の治療へ推奨されている。

それが以下の4つだ。

【妊娠高血圧に推奨されている降圧剤】

アダラート(成分名:ニフェジピン)

◆アルドメット(成分名:メチルドパ)

◆アプレゾリン(成分名:ヒドララジン)

◆トランデート(成分名:ラベタロール)

症状によっては、上記の4種類以外の降圧剤が使われることもある。

ただし「ACE阻害薬」「ARB」に属する薬は、妊娠中に服用すると、胎児や羊水へ悪影響が出るおそれがあるため使用禁忌となっている。

▼妊娠週数による使い分け

これらの薬は妊娠週数によって使い分けられる。

【妊娠週数によらず使用が推奨されている薬】

◆アルドメット(成分名:メチルドパ)

◆アプレゾリン(成分名:ヒドララジン)

◆トランデート(成分名:ラベタロール)

【妊娠20週以降で推奨されている薬】

アダラート(成分名:ニフェジピン)

▼作用機序による使い分け

またこれらの薬は作用機序も異なり、大きく2種類に分類できる。

それが「血管を拡張させて血圧を下げるタイプ」と「交感神経を抑制し血圧を下げるタイプ」だ。

【血管を拡張させて血圧を下げるタイプ】

アダラート(成分名:ニフェジピン)

◆アプレゾリン(成分名:ヒドララジン)

【交感神経を抑制し血圧を下げるタイプ】

◆アルドメット(成分名:メチルドパ)

◆トランデート(成分名:ラベタロール)

1つの薬を使って、血圧が十分に下がらない場合。

その場合は、作用機序の異なる2種類を組み合わせて使うことが多い。

例えば血管を拡張させる「アダラート(成分名:ニフェジピン)」が使われていたら、2種類目は交感神経を抑制するタイプの薬である「アルドメット(成分名:メチルドパ)」または「トランデート(成分名:ラベタロール)」となる。