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「ハルナール」、「ユリーフ」、「フリバス」の違い・比較

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前立腺肥大症とは「尿が出にくくなる排尿症状」、「夜に何度もトイレに行きたくなる蓄尿症状」などが現れる病気である。

 

前立腺が肥大してしまう原因の1つが「加齢」だ。

一般的に50歳くらいから前立腺肥大症の患者は増え、70歳を超えると約7割が前立腺肥大症であると言われている。

 

前立腺肥大症おいて重要な役割を果たす薬が、ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)フリバス錠(成分名:ナフトピジル)をはじめとするα1受容体遮断薬だ。

そこでこの記事では、これらの薬の違いを比較した。

 

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α1受容体遮断薬とは

前立腺肥大症とは、前立腺が肥大することにより尿道が圧迫されている状態だ。

当然、尿の通り道である尿道が狭まってしまうと、尿の排出が困難になってしまう。

ここから分かることは、尿道が圧迫されないようにすれば、前立腺肥大による排尿障害を改善できるということだ。

 

尿道は、「尿道平滑筋」と呼ばれる筋肉に取り囲まれている。

この尿道平滑筋が収縮することにより、尿道が狭くなり尿が出にくくなっているのだ。

 

α1受容体遮断薬は、「尿道平滑筋の緊張を和らげ、尿道が狭くなりすぎないようにする薬」だ。

 

尿道平滑筋は、交感神経によって支配されている。

交感神経が興奮している時は尿道平滑筋が収縮して尿道を狭くし、興奮していない時は尿道が狭くならない。

 

具体的に言うと、尿道平滑筋に存在するα1受容体が刺激されると、交感神経が興奮して尿道平滑筋が収縮し尿道が狭くなってしまう。

逆にα1受容体が刺激されなければ、尿道平滑筋が収縮しないので尿道が狭くならずにすむ。

 

【尿道が狭くなる機序】

1:尿道平滑筋のα1受容体が刺激される

2:交感神経の興奮

3:尿道平滑筋が収縮

4:尿道が狭くなる

 

ここから考えられることは、α1受容体を刺激すれば排尿が抑制されるのだから、逆にα1受容体が刺激されないようにすれば尿道が広がるので、排尿障害を改善できることが分かる。

このような作用機序により、排尿障害を改善するのがα1受容体遮断薬だ。

排尿障害α受容体阻害

 

つまりα1受容体遮断薬は、α1受容体を遮断することにより、尿道平滑筋が収縮するのを抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善するのである。

 

受容体選択性の違い

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)フリバス錠(成分名:ナフトピジル)の作用点であるα1受容体には、いくつか種類がある。

それが「α1A受容体」、「α1B受容体」、「α1D受容体」の3つだ。

 

α1A受容体は主に前立腺に分布しており排尿障害に関与している。

α1B受容体は主に血管平滑筋に分布して血管の収縮に、そしてα1D受容体は前立腺や膀胱平滑筋に分布し、頻尿などに関係がある。

 

【α受容体の主な役割】

α1A受容体:排尿障害に関与

α1B受容体:血管収縮に関与

α1D受容体:頻尿などに関与

 

つまり前立腺肥大症に使う薬は、α1B受容体への選択性が低く、α1A受容体・α1D受容体への選択性が高いことが望ましい

 

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)、フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、受容体選択性に違いがある。

 

ハルナールD錠の受容体選択性

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)はα1A受容体への選択性が特に高く、α1D受容体に対しても選択性がある。

要するにハルナールD錠(成分名:タムスロシン)は、尿が出にくいのを改善するだけでなく、頻尿などの蓄尿症状にも効果が期待ができるということだ。

 

【ハルナールD錠の受容体選択性】

α1A受容体 > α1D受容体 > α1B受容体

 

ユリーフ錠の受容体選択性

ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)は、α1A受容体への選択性が特に高い。

選択性の高い薬剤であるため、めまい・ふらつき等の副作用は少ない傾向にある。

 

一方α1D受容体を阻害する作用は弱いため、夜間頻尿への効果は、ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)よりも弱いと考えられる。

 

【ユリーフ錠の受容体選択性】

α1A受容体 >>> α1D受容体 > α1B受容体

 

フリバス錠の受容体選択性

フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、α1D受容体への選択性が高い。

そのため排尿障害よりも、夜間頻尿の改善効果を期待できる薬剤と言える。

 

【フリバス錠の受容体選択性】

α1D受容体 > α1A受容体 > α1B受容体

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代謝・排泄経路の違い

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)、フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、代謝・排泄経路に違いがある。

 

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)は肝代謝・腎排泄によって体外へ排泄されるタイプの薬剤だ。

一方、フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、肝代謝型の薬剤となっている。

 

【肝代謝】

フリバス錠(成分名:ナフトピジル)

 

【肝代謝+腎排泄】

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)

ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)

 

用法の違い

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)、フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、用法に違いがある。

1日1回の服用で良いのが、ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)とフリバス錠(成分名:ナフトピジル)だ。

 

【1日1回服用】

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)

フリバス錠(成分名:ナフトピジル)

 

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)は、有効成分が少しずつ放出される徐放性製剤であるため、1日1回の服用が可能となっている。

フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、半減期(血中濃度が半分になる時間)が約15時間と非常に長いことが、1日1回の服用で良い理由だ。

 

一方、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)は半減期が約6時間と短いため、1日2回の服用が必要である。

 

【1日2回服用】

ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)

 

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副作用の違い

ハルナールD錠(成分名:タムスロシン)、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)、フリバス錠(成分名:ナフトピジル)は、副作用に違いがある。

これらの薬剤に共通して現れやすい副作用がめまい」、「ふらつき」、「立ちくらみ」である。

 

【共通して起こりやすい副作用】

◆めまい

◆ふらつき

◆立ちくらみ

 

めまい・ふらつきに加えて、ユリーフ錠(成分名:フリシロドシン)には「射精障害」という特徴的な副作用がある

 

【ユリーフの特徴的な副作用】

◆射精障害

 

射精障害は、精嚢や精管に分布するα1受容体を遮断することにより、精嚢・精管が収縮しなくなった結果、精液が出にくくなることが原因と考えられている。

 

臨床試験では、射精障害の副作用が比較的高い頻度(17.2%)で起こったと報告されている。

ただし射精障害が発現した患者のうち、約80%が服用中または服用を中止して4週間以内に回復している。

服用を中止すれば回復するので、健康に害を及ぼすものではない。

 

そのほかの薬の違いについては、以下のページからどうぞ。

>>> 他の医薬品の違い・比較を見る


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