糖尿病治療薬

メタクト配合錠の効果・特徴・副作用

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メタクト配合錠の効能・効果

メタクト配合錠は、メトホルミン(商品名:メトグルコ)ピオグリタゾン(商品名:アクトス)が配合された2型糖尿病の治療薬だ。

簡単に説明すると、メタクト配合錠は「血糖値を下げる薬」ということである。

 

【メタクト配合錠の効能・効果】

◆2型糖尿病

《ただし、ピオグリタゾン塩酸塩およびメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る》

 

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

糖尿病には、大きく分けて2種類ある。

それが「1型糖尿病」と「2型糖尿病」だ。

 

日本の糖尿病患者のほとんどは、2型糖尿病に分類される。

主な原因は「アンバランスな食生活」「運動不足」などの生活習慣の乱れだ。

生活習慣の乱れにより、血糖値を下げるインスリンの分泌不足や効き目の低下を引き起こすのである。

 

2型糖尿病では、栄養バランスの良い食事を規則正しく摂る「食事療法」と定期的かつ適度な運動を行う「運動療法」が行われる。

(詳しくは、以下の記事参照)

>>> 糖尿病における生活習慣・食事療法のポイント

 

そして食事療法・運動療法で効果が得られなかった場合に、メタクト配合錠を始めとする糖尿病治療薬が使われることになる。

 

一方、1型糖尿病とは遺伝性の糖尿病だ。

1型糖尿病では、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されている。

その結果、血糖値が上昇してしまうのだ。

 

2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病ではメタクト配合錠は使われず、インスリン注射で血糖値のコントロールを行う。

 

【糖尿病の原因】

1型糖尿病:遺伝性

2型糖尿病:生活習慣の乱れ

 

メタクト配合錠の作用機序

糖尿病は、血糖値が通常よりも高い状態だ。

血糖値が高い状態が続くと、「糖尿病神経障害」、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」といった合併症を生じる可能性が出てくる。

そのため、合併症を予防するためにも、血糖値を適切にコントロールする必要があるのだ。

 

前述の通り、メタクト配合錠は、メトホルミン(商品名:メトグルコ)ピオグリタゾン(商品名:アクトス)が配合された薬だ。

そのため、2つの作用機序から血糖値を下げる。

 

メトホルミン(商品名:メトグルコ)の作用機序

血糖値を下げるのに重要な働きをするのが、「インスリン」と呼ばれるホルモンだ。

糖尿病の薬物治療では、このインスリンの作用を強化することが基本的なアプローチとなる。

そのため糖尿病の治療では、インスリン分泌を促進することにより、血糖値を下げる治療をすることが多い。

 

しかし糖尿病患者の中には、インスリン分泌に問題はないが、インスリンの効きが悪くなっている場合がある。

これは「インスリン抵抗性」と呼ばれ、インスリン分泌を促進すれば解決する問題ではない。

つまりインスリンの効きが悪くなっているのだから、インスリンの効きを良くする必要があるのだ。

 

【インスリン抵抗性とは】

インスリンの効きが悪くなっている状態

 

このインスリン抵抗性を改善する作用を持つのが、メトホルミン(商品名:メトグルコ)だ。

メトホルミン(商品名:メトグルコ)の作用は、大きく分けて3つある。

 

1つ目が糖新生の抑制だ。

メトホルミン(商品名:メトグルコ)は肝臓に作用することにより、糖が新しく作られる「糖新生」を抑制する。

その結果、メトホルミン(商品名:メトグルコ)の服用により、新たに糖が作られなくなるので、血糖値が下がるようになる。

 

2つ目が腸管からの糖吸収抑制作用だ。

通常、糖分は腸管から吸収される。

この吸収される過程を抑制することにより、血糖値が上がりにくくなるのである。

 

3つ目が筋肉・脂肪細胞での糖利用促進作用だ。

メトホルミン(商品名:メトグルコ)は、筋肉・脂肪細胞において糖分を消費しやすくする。

その結果、インスリンの効きが良くなるのである。

 

このような作用機序によりインスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げるのがメトホルミン(商品名:メトグルコ)だ。

 

つまり「糖が新しく作られる糖新生を抑制する作用」、「腸管からの糖の吸収を抑制する作用」、「筋肉・脂肪細胞における糖利用を促進する作用」の3つのアプローチで、メトホルミン(商品名:メトグルコ)は血糖値を下げるのである。

 

【メトホルミンの作用機序】

1: 肝臓での糖新生の抑制

2: 腸管からのブドウ糖の吸収の抑制

3: 筋肉・脂肪細胞における糖の吸収促進

 

ピオグリタゾン(商品名:アクトス)の作用機序

ピオグリタゾン(商品名:アクトス)もメトホルミン(商品名:メトグルコ)と同様にインスリン抵抗性を改善する薬だ。

ピオグリタゾン(商品名:アクトス)は「脂肪細胞」に作用することにより、その作用を発揮する。

 

脂肪細胞は肥大化することによって、インスリンの働きを弱めてしまう。

その結果、インスリン抵抗性が強まるのだ。

つまりインスリン抵抗性を改善するためには、脂肪細胞が肥大化しないようにすれば良い

 

脂肪細胞の肥大化を防ぐのに重要な役割を果たすのが、「PPARγ」と呼ばれる受容体だ。

PPARγは脂肪組織に多く存在し、脂肪の分化に関与している。

(分化とは、大きな脂肪細胞を小さな脂肪細胞に分割すること)

 

ピオグリタゾン(商品名:アクトス)は、このPPARγを活性化する作用をもつ。

PPARγが活性化されることにより、大きな脂肪細胞が小さい脂肪細胞に分割され、脂肪や筋肉からの糖の取り込みが促進されるようになる。

その結果、インスリン抵抗性が改善されるのだ。

 

このような作用機序によりインスリン抵抗性を改善し、血糖値をコントロールするのがピオグリタゾン(商品名:アクトス)だ。

つまりピオグリタゾン(商品名:アクトス)は、PPARγを活性化し、大きな脂肪細胞を小さな脂肪細胞に分割することによって、インスリン抵抗性を改善するのである。

 

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メタクト配合錠の特徴

メタクト配合錠には、以下のような特徴がある。

2種類のインスリン抵抗性改善薬を配合

メタクト配合城はビグアナイド薬(BG薬)であるメトホルミン(商品名:メトグルコ)とチアゾリジン系薬に分類されるピオグリタゾン(商品名:アクトス)が配合された糖尿病治療薬である。

 

糖尿病患者は、複数の薬を服用していることが多い。

そのため、メタクト配合錠のように2種類の成分を配合することにより、服用する薬の種類を減らすことができるのだ。

その結果、飲み間違いのリスクを減らすことが可能となった。

 

メタクト配合錠LDとメタクト配合錠HDの違い

メタクト配合錠は、「メタクト配合錠LD」と「メタクト配合錠HD」の2種類が販売されている。

これら2種類の違いは、有効成分の含有量だ。

 

メタクト配合錠LDは「ピオグリタゾン15mg」と「メトホルミン500mg」が配合。

そしてメタクト配合錠HDは、「ピオグリタゾン30mg」と「メトホルミン500mg」が配合されている。

 

【メタクト配合錠LDの有効成分】

ピオグリタゾン:15mg

メトホルミン:500mg

 

【メタクト配合錠HDの有効成分】

ピオグリタゾン:30mg

メトホルミン:500mg

 

膀胱がん患者への使用は避ける

海外の研究で、メタクト配合錠に含まれる成分の1つピオグリタゾン(商品名:アクトス)が、「膀胱がんの発症率をわずかに上昇させる」とする報告がある。

そのため、膀胱がん患者への使用は避けなければならない。

 

メタクト配合錠の飲み方

通常、メタクト配合錠は、以下の量を服用する。

 

【メタクト配合錠の用法・用量】

1日の服用量:1錠

1日の服用回数:1回(朝食後に服用)

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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メタクト配合錠の飲み合わせ

メタクト配合錠には、絶対に一緒に服用してはいけない併用禁忌となる薬はない。

しかし他の糖尿病治療薬と併用する場合、血糖降下作用が増強される可能性があるため、低血糖の副作用に注意が必要である。

 

【メタクト配合錠の併用禁忌薬】

なし

メタクト配合錠の注意点

メタクト配合錠を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【メタクト配合錠を服用する際の注意点】

薬の服用中も食事療法・運度療法を並行して行う

理由:食事療法・運動療法でも不十分な場合に、メタクト配合錠が使われるため

>>> 糖尿病における生活習慣・食事療法のポイント

 

◆車の運転を始めとする危険を伴う機械の操作は控える

理由:低血糖を引き起こす可能性があるため

 

低血糖の症状・対処法について理解する

理由:他の糖尿病治療薬と併用することにより、低血糖を起こすことがあるため

>>> 低血糖症の主な症状とは-原因や対処法など徹底解説-

 

◆浮腫(むくみ)や急激な体重増加が現れた場合は、主治医に相談する

理由:副作用の可能性があるため

 

◆妊娠中または妊娠の可能性のある人は相談する

理由:動物実験において胎児・出生児への悪影響が認められているため

 

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メタクト配合錠の禁忌

以下に該当する人は、メタクト配合錠を服用してはいけないことになっている。

 

【メタクト配合錠の禁忌】

◆心不全の人、または心不全にかかったことのある人

理由:心不全が悪化または心不全が発症したとの報告があるため

 

次に示す状態の患者

  1. 乳酸アシドーシスになったことのある人
  2. 腎機能障害(軽度障害も含む)
  3. 透析患者(腹膜透析を含む)
  4. ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態
  5. 過度のアルコール摂取者
  6. 脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者
  7. 高齢者

理由:乳酸アシドーシスを引き起こしやすいため

 

◆肝機能障害

理由:乳酸アシドーシスを起こしやすく、薬が体内に蓄積しやすくなるため

 

重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の人

理由:輸液およびインスリンによる治療を行う必要があるため

 

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある人

理由:乳酸アシドーシスを引き起こしやすく、インスリンによる治療を行う必要があるため

 

栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の人

理由:低血糖を起こすおそれがあるため

 

◆メタクト配合錠の成分またはビグアナイド系薬剤に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が悪い可能性があるため

 

◆妊婦または妊娠している可能性のある婦人

理由:動物実験において胎児・出生児への悪影響が認められているため

 

メタクト配合錠の副作用

メタクト配合錠の主な副作用としては、「下痢」、「浮腫(むくみ)」などが報告されている。

>>> 糖尿病治療薬の主な副作用とその対処法

 

【メタクト配合錠の主な副作用】

◆下痢

◆浮腫(むくみ)

 

またメタクト配合錠には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【メタクト配合錠の重大な副作用】

◆心不全が増悪あるいは発症

症状:息切れ、体のだるさ、全身のむくみ等

 

◆乳酸アシドーシス

症状:胃腸症状、体がだるい、筋肉痛、過呼吸など

 

◆浮腫

症状:体がむくむ、眼が腫れぼったくなる等

 

◆肝機能障害、黄疸

症状:皮膚・白目が黄色くなる、吐き気、食欲の低下、体がだるい、吐き気など

 

◆低血糖

症状:ふらつき、脱力感、冷や汗、手足のふるえ等

 

◆横紋筋融解症

症状:力が入りにくい(脱力感)、筋肉痛、手足がしびれる、赤褐色の尿など

 

◆間質性肺炎

症状:発熱、咳、呼吸が苦しいなど

 

◆胃潰瘍の再燃

症状:胃の痛み、吐き気、食欲の低下など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

メタクト配合錠を飲み忘れたら

メタクト配合錠を飲み忘れてしまった場合は、昼までに気づいたのであれば、飲み忘れに気づいた時点で服用する。

昼以降に気付いた場合は、次の服用時間に1回分だけ服用すれば良い。

絶対に2回分の量を1度に服用してはいけない。

>>> 他の糖尿病治療薬をチェックする

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