抗てんかん薬

セレニカR錠(バルプロ酸)の効果・特徴・副作用

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セレニカR錠(バルプロ酸)の効能・効果

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)は、GABA分解酵素阻害薬に属する抗てんかん薬だ。

簡単に説明すると、セレニカR錠成分名:バルプロ酸)は「脳神経の過剰な興奮を抑え、けいれんや意識消失を抑える薬」ということである。

 

またセレニカR錠(成分名:バルプロ酸)には「抑えられない感情の高まりや行動を抑える作用」や「片頭痛を予防する作用」が認められている。

 

【セレニカR錠の効能・効果】

1:各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療

2:躁病および躁うつ病の躁状態の治療

3:片頭痛発作の発症抑制

 

セレニカR錠(バルプロ酸)の作用機序

てんかんとは、脳の病気の一種だ。

てんかんでは、脳の神経が過剰に興奮することにより「けいれん」「意識の消失」といった症状が引き起こされる。

 

脳神経の興奮には、3種類のイオンが関与している。

それが「Naイオン」、「Caイオン」、「Clイオン」だ。

 

NaイオンとCaイオンは興奮性のイオンで、細胞内に流入することにより、神経細胞を興奮させる。

一方Clイオンは抑制性のイオンで、細胞内に流入することにより、神経細胞の興奮を抑制する。

 

【イオンの特徴】

NaイオンとCaイオン→神経細胞を興奮

Clイオン→神経細胞の興奮を抑制

 

ここから分かることは、神経細胞の興奮を抑制させるClイオンの流入を促せば、脳神経が興奮しなくなるので、てんかんの症状を改善できるということだ。

 

Clイオンの流入に重要な役割を果たすのが「GABA」である。

GABAとは脳内神経物質の1つで、神経の興奮を抑えるClイオンを細胞内へ流入させる作用を持っている。

要するにGABAの量を増やせれば、てんかんの症状を改善できるのだ。

 

GABAは「GABA分解酵素」によって分解されている。

そのため、GABA分解酵素の働きを阻害できればGABAを増やせるので、神経の過剰な興奮を抑制できるようになる。

 

このような作用機序により、てんかんの症状を抑えるのがセレニカR錠(成分名:バルプロ酸)だ。

つまりセレニカR錠(成分名:バルプロ酸)は、GABA分解酵素の働きを阻害し、脳内のGABAを増やすことにより、てんかんの症状を抑えるのである。

 

【セレニカR錠の作用機序】

ステップ1:GABA分解酵素の働きを阻害する

ステップ2:脳内のGABAが増える

ステップ3:抗てんかん作用を発揮

 

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セレニカR錠(バルプロ酸)の特徴

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)には、以下のような特徴がある。

てんかんに対して幅広く使える

てんかんには、実はさまざまな種類がある。

突然起こる全身性のけいれんである「強直間発作」や突然意識がなくなるが数秒で回復する「欠伸発作」、異常行動や意識障害を伴う部分発作がその代表例だ。

 

抗てんかん薬によっては、一部のてんかんに対してしか使えないことがある。

一方セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)は、多くのてんかんに対して使うことが可能となっている。

 

てんかん発作の違いについては、以下の記事が詳しい。

>>> 【てんかん】「部分発作」と「全般発作」の違いとは?

 

粉薬タイプも販売されている

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)は錠剤タイプだけでなく、粉薬タイプも販売されている。

そのため、患者の症状やライフスタイルに合わせて剤形の選択が可能となっている。

 

片頭痛や躁病に対して使われる

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)は抗てんかん作用だけでなく、「片頭痛の発症抑制」や「躁病の治療」に対しても使われる。

これらの病気も、てんかんと同様、脳における神経の高ぶりが原因と考えられている。

そのため、神経の興奮を抑えるセレニカR錠(成分名:バルプロ酸)が使われるのだ。

 

セレニカR錠とデパケンR錠の違い

セレニカR錠と同じ有効成分の薬に、デパケンR錠(成分名:バルプロ酸)がある。

これらの薬は有効成分は同じであるものの、大きな違いが2つある。

 

1つ目が薬物動態の違いだ。

簡単に言うと、セレニカR錠の効果の持続時間が長い。

そのため用法はセレニカR錠が1日1回の服用で済むのに対し、デパケンRは1日1~2回の服用となっている。

 

2つ目の違いが吸湿性だ。

デパケンR錠は防湿性があるため、シートから取り出しても少しの時間であれば問題となりにくい。

一方、セレニカR錠は防湿性がなく、シートから取り出して放置すると溶けてしまうので、シートから取り出したらすぐに服用する必要がある。

 

セレニカR錠(バルプロ酸)の飲み方

通常、セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)は、以下の量を服用する。

 

【セレニカR錠の用法・用量】

▼各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療

▼躁病および躁うつ病の躁状態の治療

1日の服用量:400~1,200mg

1日の服用回数:1回

1日の最大服用量:年齢・症状に応じ適宜増減

 

▼片頭痛発作の発症抑制

1日の服用量:400~800mg

1日の服用回数:1回

1日の最大服用量:1,000mgを超えないこと

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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セレニカR錠(バルプロ酸)の飲み合わせ

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)と以下に該当する薬は、飲み合わせが悪い。

そのため、一緒に服用することはできない。

 

【セレニカR錠の併用禁忌薬】

◆カルバペネム系抗生物質

理由:てんかんの発作が再発することがあるため

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セレニカR錠(バルプロ酸)の注意点

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【セレニカR錠を服用する際の注意点】

◆自己判断で服用を中止しない

理由:症状が悪化するおそれがあるため

 

◆車の運転を始めとする危険を伴う機械の操作は控える

理由:眠気や注意力、集中力の低下が起こる可能性があるため

 

◆噛み砕かない

理由:期待する薬の効果を得られなくなる可能性があるため

 

◆アルコールは控える

理由:作用が過度に強くなるおそれがあるため

 

◆妊娠中または妊娠の可能性がある場合は相談する

理由:出生児への悪影響が報告されているため

 

◆服用する直前までシートからださない

理由:湿気を吸いやすく、薬が溶けてしまうため

 

◆カルバペネム系抗生物質を使用している場合は相談する

理由:飲み合わせが悪いため

 

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セレニカR錠(バルプロ酸)の禁忌

以下に該当する人は、セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)を服用してはいけない。

 

【セレニカR錠の禁忌】

◆重篤な肝障害のある人

理由:肝障害があらわれ、死につながることがあるため

 

◆カルバペネム系抗生物質を使用している人

理由:飲み合わせが悪いため

 

◆尿素サイクル異常症の人

理由:重篤な高アンモニア血症があらわれることがあるため

 

 

また以下に該当する人は、セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)を原則使用してはいけない。

 

【セレニカR錠の原則禁忌】

◆妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

理由:出生児への悪影響が報告されているため

 

セレニカR錠(バルプロ酸)の副作用

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)の主な副作用としては「アンモニア増加」「ウトウトする」「周りへの関心がなくなる」「手足のふるえ」などが報告されている。

 

【セレニカR錠の主な副作用】

◆アンモニア増加

◆ウトウトする

◆周りへの関心がなくなる

◆手足のふるえ

 

またセレニカR錠(成分名:バルプロ酸)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【セレニカR錠の重大な副作用】

◆劇症肝炎等の重篤な肝障害

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなる等

 

◆高アンモニア血症を伴う意識障害

症状:吐き気、意識がハッキリしないなど

 

◆溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少

症状:顔色が悪い、疲れやすい、頭痛、だるい、息切れ、出血しやすい、青あざができやすい、発熱、喉の痛みなど

 

◆急性膵炎

症状:激しい腹痛、発熱、吐き気、嘔吐など

 

◆間質性腎炎、ファンコニー症候群

症状:発熱、発疹、呼吸困難、疲労感、食欲不振、吐き気、くる病・骨軟化症の発症、糖が尿中にでてくるなど

 

◆中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群

症状:全身が赤くなる、皮膚のただれ、水ぶくれ、高熱、目が赤くなる、発疹など

 

◆過敏症症候群

症状:発疹、発熱など

 

◆脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状

症状:もの忘れ、知能の低下、家族・友人を認識できない、自分のいる場所がわからない、上手く話せない、感情がにぶくなる、手足のふるえ、筋肉のこわばり、姿勢・歩行異常など

 

◆横紋筋融解症

症状:筋肉の痛み、力が入りにくい、手足のしびれ、赤みがかった尿など

 

◆抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)

症状:尿量の増加、尿が漏れてしまう、嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害など

 

◆間質性肺炎、好酸球性肺炎

症状:咳、呼吸困難、発熱、肺音の異常など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること

 

セレニカR錠(バルプロ酸)を飲み忘れたら

セレニカR錠(成分名:バルプロ酸)を飲み忘れたら、気づいた時に忘れた分の薬を服用する。

ただし次の服用時間に近い場合は、飲み忘れに気づいても服用しなくて良い。

絶対に2回分の量を1度に服用してはいけない。

>>> 他の抗てんかん薬をチェックする

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