抗ウイルス薬

アビガン錠(ファムビル)の作用機序・特徴

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アビガン錠(ファビピラビル)の作用機序

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)は、RNAポリメラーゼ阻害薬に分類される抗インフルエンザ治療薬である。

 

インフルエンザウイルスは「宿主の細胞への侵入」、「自らの遺伝子を細胞内へ放出(脱殻)」、「インフルエンザウイルスの遺伝子を複製」、「複製した遺伝子を細胞外へ放出」の4つのステップで増殖する。

 

【インフルエンザウイルス増殖の過程】

1:宿主の細胞への侵入

2:自らの遺伝子を細胞内へ放出(脱殻)

3:インフルエンザウイルスの遺伝子を複製

4:複製した遺伝子を細胞外へ放出

 

従来のインフルエンザ治療薬であるタミフル(成分名:オセルタミビル)、イナビル(成分名:ラニナミビル)はステップ4に関与するノイラミニダーゼを阻害することによって、その作用を発揮した。

 

一方、アビガン錠(成分名:ファビピラビル)はステップ3のインフルエンザウイルスの遺伝子が複製される過程に作用する。

この遺伝子を複製する過程に関与しているのが、RNAポリメラーゼという酵素だ。

 

【インフルエンザウイルス増殖の過程】

1:宿主の細胞への侵入

2:自らの遺伝子を細胞内へ放出(脱殻)

3:インフルエンザウイルスの遺伝子を複製 ← アビガンの作用点

4:複製した遺伝子を細胞外へ放出

 

ここから分かることは、RNAポリメラーゼを阻害することができれば、インフルエンザウイルスの遺伝子が複製されないということだ。

そのため、インフルエンザウイルスが増殖するのを防ぐことができるのである。

 

このような作用機序により、インフルエンザを治療するのが、アビガン(成分名:ファビピラビル)である。

つまり、アビガン錠(成分名:ファビピラビル)はRNAポリメラーゼを阻害することにより、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、インフルエンザを治療するのである。

 

アビガン錠(ファビピラビル)の特徴

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)には、以下のような特徴がある。

▼条件付きの製造販売承認

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)は、条件付きの製造販売承認がされている特殊な薬である。

これはインフルエンザの治療に用いた場合の有効性・安全性が確認されていないためである。

 

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)は、新型インフルエンザが流行し、他の薬が効かないと国が判断した場合に、厚生労働省が要請した際にのみ、製造できることになっている。

 

▼日本発のインフルエンザ治療薬

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)は日本発のインフルエンザ治療薬である。

前述の通り、従来のインフルエンザ治療薬とは作用機序が異なる。

 

そのため、従来のインフルエンザ治療薬に耐性のある新型インフルエンザのパンデミック(大流行)への効果が期待されている。

 

▼発症から時間が経過したインフルエンザにも効果

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)は、発症からある程度時間が経過したインフルエンザでも効果が期待できる。

 

これはアビガン錠(成分名:ファビピラビル)が、インフルエンザウイルスの複製そのものを抑制する作用機序だからである。

 

一方、従来の抗インフルエンザ薬であるタミフル(成分名:オセルタミビル)、イナビル(成分名:ラニナミビル)などのノイラミニダーゼ阻害薬は、ウイルスが細胞外へ拡散する過程を阻害する作用機序である。

 

つまり、すでに増殖したウイルスの拡散を防ぐ作用であるため、発症初期に服用する必要がある。

 

▼エボラウイルスへの効果が期待されている

アビガン錠(成分名:ファビピラビル)は、エボラ出血熱の治療薬候補として注目されていて、エボラウイルスに感染したマウスの致死率を0%に下げたことが報告されている。

 

なぜインフルエンザウイルスの薬がエボラウイルスへの効果も期待ができるかというと、ウイルスの構造が似ているためだ。

 

インフルエンザウイルスとエボラウイルスはどちらも1本鎖(-)RNAウイルスに分類され、似たような構造を持つ。

 

▼妊婦・妊娠の可能性のある女性に禁忌

アビガン(成分名:ファビピラビル)は、妊婦・妊娠の可能性のある女性への投与は禁忌となっている。

 

これは、動物実験において催奇形性が認められたためである。

また男性も投与期間中および投与終了後7日間の性行為は避けることが推奨されている。

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