抗血栓薬

パナルジン錠(チクロピジン)の効果・特徴・副作用

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パナルジン錠(チクロピジン)の効能・効果

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は、抗血小板薬に属する薬だ。

簡単に説明すると、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は「血液をサラサラにして、血栓ができるのを抑制する薬」ということである。

 

【パナルジン錠の効能・効果】

1:血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血流障害の改善

2:慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善

3:虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)に伴う血栓・塞栓の治療

4:クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善

 

パナルジン錠(チクロピジン)の作用機序

「ケガをしたら、血を固めて出血を止める」という機能が、人間には備わっている。

しかし何らかの異常により、ケガをしていなくても血が固まってしまうことがある。

この血の塊は「血栓」と呼ばれ、血管を塞いでしまう可能性があるのだ。

 

血管内に血栓ができると、脳梗塞などの引き金となりうる

そこで血栓ができるのを予防する目的で、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)のような血液をサラサラにする薬が使われるのだ。

 

血栓を作るのに重要な役割を果たしているのが「血小板」だ。

血小板が凝集することにより、血が固まって、血栓ができるのである。

 

血小板の凝集には「cAMP」が関与している。

具体的に言うと、cAMPの量が増えると血小板が凝集しにくくなり、血液がサラサラになるのだ。

 

つまり血液をサラサラにするには、cAMPの量を増やすことが重要ということである。

このcAMPは、「アデニル酸シクラーゼ」と呼ばれる酵素によって作られており、アデニル酸シクラーゼの働きが活性化されると、cAMPが増加するという仕組みになっている。

 

アデニル酸シクラーゼの働きは「ADP受容体」によってコントロールされている。

つまりADP受容体を阻害すれば、アデニル酸シクラーゼの働きが活性化するので、血小板の凝集を抑制できるということだ。

 

このような作用機序により、血液をサラサラにするのが、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)だ。

 

ADP受容体阻害薬

 

つまりパナルジン錠(成分名:チクロピジン)は、ADP受容体阻害作用により、cAMPの働きを活性化させ、血栓ができるのを予防するのである。

 

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パナルジン錠(チクロピジン)の特徴

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)には、以下のような特徴がある。

不可逆的に作用するタイプの薬

血液をサラサラにする薬は「可逆的に作用する薬」と「不可逆的に作用する薬」に大別できる。

 

「可逆的」とは、水を冷やすと氷になったり、氷が溶けて水になるような、行ったり来たりできる反応のことをさす。

そして「不可逆的」とは、生タマゴをタマゴ焼きにしてしまったら、生タマゴに戻らないような、一方通行の反応のことをいう。

 

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は、不可逆的に作用するタイプの薬である。

つまり薬の血中濃度が下がっても、しばらく効果が続くということだ。

 

そのためパナルジン錠(成分名:チクロピジン)の服用中に、手術や抜歯する予定のある場合は、服用を休まなければならない。

血小板の寿命は約10日なので、10日〜14日程度の休薬が必要となっている。

 

定期的に血球算定・肝機能検査を行う必要がある

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)の服用開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、血球算定(白血球分画を含む)、肝機能検査を行う必要がある。

 

これはパナルジン錠(成分名:チクロピジン)に「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」や「無顆粒球症」、「重篤な肝障害」などの重大な副作用が報告されているためだ。

定期的な検査をすることにより、副作用の初期症状を早期発見できる。

 

プラビックス錠よりも副作用が発現しやすい

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は、同じ作用機序を持つプラビックス錠(成分名:クロピドグレル)に比べ、副作用の頻度が高い。

 

出血の副作用は同程度だが、「血液障害」や「肝機能障害」の副作用の頻度は、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)の方が高くなっている。

そのため以前に比べて、使われる機会が減っている。

 

ローディングドーズが無効

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は、ローディングドーズが無効な薬である。

ローディングドーズとは、簡単に言うと「効果を早く発揮させる投与法」だ。

具体的には、投与開始日に通常の用量よりも高用量で投与するという方法である。

 

同じ作用機序のプラビックス錠(成分名:クロピドグレル)はローディングドーズが有効で、服用後2時間で効果が現れると言われていが、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は無効となっている。

 

細粒タイプが販売されている

パナルジン(成分名:チクロピジン)は、錠剤以外にも細粒タイプが販売されている。

そのため症状などに合わせて、剤型を選択することができる。

 

パナルジン錠(チクロピジン)の飲み方

通常、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)は、以下の量を服用する。

 

【パナルジン錠の用法・用量】

▼血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血流障害の改善

1日の服用量:200~300mg

1日の服用回数:2~3回食後

1日の最大服用量:症状に応じて適宜増減

 

慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善

1日の服用量:300~600mg

1日の服用回数:2~3回 食後

1日の最大服用量:症状に応じて適宜増減

 

虚血性脳血管障害に伴う血栓・塞栓の治療

1日の服用量:200~300mg

1日の服用回数:2~3回 食後

1日の最大服用量:症状に応じて適宜増減

*1日200mgの場合には1回に投与することもできる。

 

クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善

1日の服用量:300mg

1日の服用回数:3回 食後

1日の最大服用量:症状に応じて適宜増減

 

*あくまでも原則の用法・用量なので、主治医から指示された通りに服用すること

 

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パナルジン錠(チクロピジン)の飲み合わせ

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)には、絶対に一緒に服用してはいけない併用禁忌となる薬はない。

 

【パナルジン錠の併用禁忌薬】

なし

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パナルジン錠(チクロピジン)の注意点

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)を服用する際は、以下の点に注意する必要がある。

 

【パナルジン錠を服用する際の注意点】

◆服用開始2ヶ月間は、原則として2週に1回、血球算定、肝機能検査を行う

理由:副作用が現れないかチェックする必要があるため

 

◆発熱や喉の痛み、体がだるい、青あざができやすいなどの症状が現れた場合は受診する

理由:副作用の可能性があるため

 

◆手術などの予定がある場合は相談する

理由:パナルジン錠を服用すると、出血しやすくなるため

 

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パナルジン錠(チクロピジン)の禁忌

以下に該当する人は、パナルジン錠(成分名:チクロピジン)を服用してはいけない。

 

【パナルジン錠の禁忌】

◆出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)

理由:止血が困難になる可能性があるため

 

◆重篤な肝障害のある人

理由:症状が悪化する可能性があるため

 

◆白血球減少症の人

理由:症状が悪化する可能性があるため

 

◆パナルジン錠を服用して白血球減少症にかかったことのある人

理由:白血球減少症を起こすおそれがあるため

 

◆パナルジン錠に対し過敏症(アレルギー)のある人

理由:体質的に相性が悪い可能性があるため

 

パナルジン錠(チクロピジン)の副作用

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)の主な副作用としては「出血しやすい」「食欲不振」「胃の不快感」「吐き気」などが報告されている。

 

【パナルジン錠の主な副作用】

◆出血しやすい

◆食欲不振

◆胃の不快感

◆吐き気

 

またパナルジン錠(成分名:チクロピジン)には、以下の重大な副作用が報告されている。

 

【パナルジン錠の重大な副作用】

◆血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

症状:発熱、体がだるい、吐き気、食欲の低下、青あざができやすい、出血しやすいなど

 

◆無顆粒球症

症状:発熱、喉の痛み、体がだるい

 

◆重篤な肝障害

症状:体がだるい、吐き気、食欲不振、皮膚・白目が黄色くなる等

 

◆再生不良性貧血を含む汎血球減少症

症状:疲れやすい、動悸、息切れ、青あざができやすい等

 

◆赤芽球癆

症状:疲れやすい、顔色が悪い、動悸、頭が重い、息切れなど

 

◆血小板減少症

症状:青あざができやすい、出血しやすいなど

 

◆出血

症状:出血しやすくなる等

 

◆中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形滲出性紅斑、紅皮症(剥脱性皮膚炎)

症状:全身が赤くなる、皮膚のただれ、水ぶくれ、高熱、目が赤くなる、発疹、赤い斑点ができる、皮膚が剥がれ落ちるなど

 

◆消化性潰瘍

症状:胃の痛み、吐き気、食欲の低下、嘔吐、血便など

 

急性腎不全

症状:尿が出ない、むくみ、体がだるいなど

 

◆間質性肺炎

症状:発熱、咳、呼吸が苦しい等

 

◆SLE様症状

症状:発熱、皮膚が赤くなる、筋肉痛、関節炎、多発性関節痛、胸部痛、心膜炎、胸水など

 

*副作用のような症状が現れた場合は、速やかに主治医に相談すること。

 

パナルジン錠(チクロピジン)を飲み忘れたら

パナルジン錠(成分名:チクロピジン)を飲み忘れたら、気づいた時に忘れた分の薬を服用する。

ただし次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分の薬は服用しなくて良い。

絶対に2回分の薬を1度に服用してはいけない。

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