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ピロリ菌ってどんな細菌?-症状から除菌方法まで簡単解説-

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胃の中に住みつく悪い細菌の代表に「ピロリ菌」がある。

ピロリ菌は放っておくと、胃がんの原因となる。

 

そのため最近では、胃がんを予防するために「ピロリ除菌をちゃんとするべきだ」という流れができつつあるが、まだまだ認知度が低い。

そこでこの記事では「ピロリ菌とは何か」や「ピロリ菌の検査方法」、「ピロリ菌の除菌方法」、その他よくある疑問についてまとめた。

 

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ピロリ菌とは

ピロリ菌の正式名称は、「ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)」だ。

詳しい名前の由来は以下の通りで、らせん状の細菌であり、胃の出口である幽門部で発見された。

 

【ピロリ菌の由来】

ヘリコ:らせん状

バクター:バクテリア (細菌)

ピロリ:胃幽門部 (胃の出口)

 

ピロリ菌の何が問題かというと、胃の粘膜に炎症が起こるという点だ。

ピロリ菌の感染者は約3500万人と言われていて、現在では胃・十二指腸潰瘍や胃ガンなどの原因になっていることが分かっている。

 

通常の細菌であれば胃酸によって死滅する。

しかしピロリ菌は、アンモニアを発生させることにより胃酸を中和し、胃の中でも生き延びることができるのだ。

 

【ピロリ菌の特徴】

◆胃・十二指腸潰瘍や胃ガンの原因

◆胃の中でも生きられる

 

ピロリ菌で見られる症状

ピロリ菌に感染したばかりの時点では、自覚症状はほとんどない

ピロリ菌に感染してある程度の時間が経過して、初めて感染していることに気づくことが多い。(胃の痛み・もたれetc)

 

感染した場合、ほぼ全員がヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を引き起こす。

そしてヘリコバクター・ピロリ胃炎は、「消化性潰瘍」や「胃ポリープ」、「萎縮性胃炎」の原因となり、最終的には「胃がん」を引き起こすこともある。

 

【ピロリ菌感染の症状】

◆感染したばかりの時点では自覚症状はほとんどない

◆感染してある程度の経つと、胃の痛み・もたれが現れる

 

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ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌がどのように感染するのかは、実はまだはっきりと分かっていない。

しかし衛生面に問題のある水道」「母親の唾液」などから感染すると考えられている。

 

現在では衛生環境が改善されているため、ピロリ菌の感染者は減少傾向にあるが、1970年代より以前に生まれている人の多くは感染している割合が高いと言われている。

 

【ピロリ菌の感染経路】

◆衛生面に問題のある水道

◆母親の唾液

 

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌の検査は、大きく分けて「胃カメラによる検査」と「胃カメラを使わない検査」に分類することができる。

 

胃カメラによる検査

【迅速ウレアーゼ法】

ピロリ菌が持つ「ウレアーゼ」という酵素によって作られるアンモニアの有無を調べる検査。

 

【組織鏡検法】

顕微鏡でピロリ菌がいるかを調べる検査。

 

【培養法】

胃の粘膜を採取し、ピロリ菌を培養することによって判定する検査。

 

胃カメラを使わない検査

【尿素呼気試験法】

吐き出した息からピロリ菌の有無を調べる検査。

精度が高く、簡単に行える。

 

【抗体測定法】

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌に抵抗するために抗体が作られる。

そのため抗体があれば、ピロリに感染していると判断できる。

その性質を利用した検査方法で、血液や尿から抗体を探す。

 

【抗原測定法】

糞便からピロリ菌の抗原があるかどうかを調べる検査。

 

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ピロリ菌の除菌方法

ピロリ菌の除菌には、抗生物質2種類・胃酸を抑える薬1種類を併用して行う。

これらの薬を1週間、朝・夕の1日2回服用を続ける。

 

基本的に最初の除菌で約70%の人が除菌に成功するが、1度目で除菌ができなかった場合は、薬を変えて再び除菌治療を行う。

 

2回目の除菌では90%以上の人が除菌に成功する。

治療が終了してから1ヶ月程度で除菌が成功したかどうかの結果が分かる。

 

【ピロリ菌の除菌方法】

◆薬物療法(抗生物質2種類+胃酸を抑える薬1種類)

 

除菌薬による副作用とその対処法

ピロリ除菌薬によく見られる副作用としては以下のようなものがある。

 

下痢・軟便

下痢や便がゆるくなることがある。

基本的には、これらの症状は一時的な場合が多い。

そのため服用を続けることが望ましいが、あまりにも症状がひどいようなら主治医に要相談。

 

味覚がおかしくなる

味覚に異常が見られることがあり、食べ物が苦く感じたり、変な味に感じることがある。

この場合も症状は一時的な場合が多いので、服用を続けることが望ましいが、あまりにも症状がひどいようなら主治医に要相談。

 

その他

上記の副作用以外にも、蕁麻疹、皮膚のかゆみ、動悸、血が混じった便、発熱・腹痛を伴う下痢などが見られる可能性がある。

このような症状が見られた場合は、薬が体質的に合っていない可能性があるので、服用を中止して病院へ再度受診した方が良い。

 

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ピロリ除菌をする際の注意事項

ピロリ菌の除菌をする際は、以下の点について注意したい。

 

薬剤アレルギーの有無を伝える

ピロリ菌の除菌には、抗生物質と胃酸を抑える薬が使われる。

そのため、以前に下記に該当する抗生物質や胃薬を服用して、具合が悪くなったことがある場合は、必ず薬の名前を医師または薬剤師に伝えること。

 

【抗生物質】

◆ペニシリン系抗生物質

◆マクロライド系抗生物質

◆メトロニダゾール

 

【胃薬】

◆プロトンポンプ阻害薬(PPI)

 

指示された通りに服用する

指示された通りに服用しなければ、除菌がちゃんとされないので、自己判断で薬の量や飲み方を変更しないこと。

 

ピロリ菌に関するその他Q&A

その他のピロリ菌に関するよくある質問について、以下にまとめた。

ピロリにヨーグルトは効果がある?

全てのヨーグルトで効果が見られるわけではない。

LG21乳酸菌を使用したヨーグルトと除菌薬を併用した際に、除菌率が10%程度上昇したとの報告があるが、ヨーグルトだけで除菌はできない。

 

 

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発する?

ピロリ菌の除菌に成功すれば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発可能性は低い。

たいていは1割かそれ以下の再発率である。

しかし、除菌ができないと60%以上が再発する。

 

ピロリ菌の除菌は保険適応なの?

ピロリ菌の除菌は保険適応である。

そのためピロリ菌が見つかった場合は、積極的に除菌することが推奨されている。

 

ピロリ菌と胃がんは関連があるの?

ピロリ菌は胃がんと関連性があると考えられており、1994年にWHOがピロリ菌を発がん因子として認定している。

 

ピロリ菌に感染している人と感染していない人を比べた時に、感染していない人には胃がんは見られなかったが、感染している人には全体の約3%に胃がんが見られたという報告もある。

 

胃ガンは、かなり悪化するまで症状が現れにくく、気づいたときには症状がかなり進行していたということも少なくない。

「飲みすぎ・食べ過ぎによる胃もたれだ」と思っていたら、胃ガンだったという可能性もある。

 

そのため、ピロリ菌を早期に発見することが重要なのである。

もし検査をしたことがないのであれば、今は自宅で検査できる「ピロリ菌検査キット」が販売されているので、とりあえず検査してみるのがオススメだ。

 

 


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