病気

「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」の違いとは?

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胃潰瘍と十二指腸潰瘍。

どちらも聞いたことはあるが、いまいち違いが分からないという人は意外と多い。

そこでこの記事では、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いについてまとめた。

 

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胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は発生する場所によって「胃潰瘍」・「十二指腸潰瘍」に区別されているが、症状はほとんど同じである。

そのため、胃潰瘍と十二指腸潰瘍を合わせて消化性潰瘍と呼ぶことが多い。

 

消化性潰瘍は、胃液によって胃や十二指腸に傷がつく病気だ。

通常であれば、胃の内側は粘液に守られているため傷つくことはない。

 

しかし、ストレス、ヘリコバクター・ピロリ、痛み止めであるNSAIDsが原因となって、胃酸が増えすぎたり、胃を守る粘液が減ってしまうことがある。

これが胃潰瘍と・十二指腸潰瘍の原因だ。

 

つまり、胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃酸を始めとする攻撃因子と粘液を始めとする防御因子のバランスが崩れることによって引き起こされるのである。

 

【消化性潰瘍の主な原因】

◆ストレス

◆痛み止め(NSAIDs)

◆ピロリ菌

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍に使われる薬

胃潰瘍と十二指腸潰瘍では、使われる薬にほとんど違いはない。

主に使われる薬としては、以下のようなものがある。

 

プロトンポンプ阻害薬(PPI)

胃酸を分泌する出口であるプロトンポンプに結合することによって胃酸の分泌を止める薬。

最もよく使われる消化性潰瘍治療薬の1つ。

【主なプロトンポンプ阻害薬】

オメプラール、オメプラゾン(成分名:オメプラゾール)

タケプロン(成分名:ランソプラゾール)

パリエット(成分名:ラベプラゾール)

ネキシウム(成分名:エソメプラゾール)

 

H₂受容体拮抗薬(H₂ブロッカー)

胃酸の分泌に関与するヒスタミン受容体を阻害することにより胃酸の分泌を止める薬。

プロトンポン阻害薬と同様によく使われる消化性潰瘍治療薬の1つ。

【主なH₂受容体拮抗薬阻害薬】

アシノン(成分名:二ザチジン)

アルタット(成分名:ロキサチジン)

ガスター(成分名:ファモチジン)

ザンタック(成分名:ラニチジン)

タガメット(成分名:シメチジン)

プロテカジン(成分名:ラフチジン)

 

防御因子増強薬

胃粘膜組織を修復する作用、粘液の産生を促す作用、胃粘膜の保護作用などにより胃の粘膜を強くする薬。

【主な防御因子増強薬】

アルサルミン(成分名:スクラルファート)

ガストローム(成分名:エカベト)

ガスロンN(成分名:イルソグラジン)

サイトテック(成分名:ミソプロストール)

セルベックス(成分名:テプレノン)

プロマック(成分名:ポラプレジンク)

ムコスタ(成分名:レバミピド)

 

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好発部位の違い

胃潰瘍と十二指腸潰瘍では、好発部位(=発生する頻度の高い部位)に違いがある。

 

胃潰瘍は胃角部胃体部に発生しやすい。

胃角部は「胃の出口付近の湾曲している部分」。

そして、胃体部とは「胃の中心部分」のことを指す。

 

一方、十二指腸潰瘍は十二指腸球部に発生しやすい。

十二指腸球部とは簡単に言ってしまうと、十二指腸の中でも胃に近い部分を指す。

つまり、胃の出口である幽門を出たすぐの場所に存在するということだ。

 

【胃潰瘍の好発部位】

◆胃角部

◆胃体部

 

【十二指腸潰瘍の好発部位】

◆十二指腸球部

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好発年齢の違い

胃潰瘍と十二指腸潰瘍では、好発年齢(=発生する頻度の高い年齢)に違いがある。

 

胃潰瘍は40歳代以降から引き起こされやすい。

ピークは男性で50-60歳代、女性では60-70歳代である。

一方、十二指腸潰瘍の好発年齢は20-40歳代で、ピークは男性で40歳代、女性で50歳代となっている。

 

要するに年齢が若ければ十二指腸潰瘍、中年以上であれば胃潰瘍が疑われることが多い。

 

【胃潰瘍の好発年齢】

◆40歳代以降

(ピークは男性で50-60歳代、女性では60-70歳代)

 

【十二指腸潰瘍の好発年齢】

◆20-40歳代

(ピークは男性で40歳代、女性で50歳代)

 

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主な症状の違い

胃潰瘍と十二指腸潰瘍の症状に違いはほとんどない

以下のような症状が共通して見られる。

 

【胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い】

◆胸焼け

◆げっぷ

◆胃のもたれ

◆吐き気

◆吐血

◆下血(肛門から血が出る)

◆心窩部痛(みぞおちの痛み)

 

痛みが出やすい時間

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、痛みが出やすい時間に違いがある。

 

胃潰瘍は食後60−90分前後に、みぞおちに痛みを感じることが多い。

 

一方、十二指腸潰瘍は空腹時、夜間、早朝にみぞおちに痛みを感じやすい。

また右上腹部にも痛みを感じることがある。

(多くの場合、食事をとることによって軽快する)

 

【胃潰瘍の痛みが出やすい時間】

◆食後60-90分前後

 

【十二指腸潰瘍の痛みが出やすい時間】

◆空腹時、夜間、早朝

 

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まとめ

胃潰瘍、十二指腸潰瘍は放っておくと、徐々に症状がひどくなっていく。

胃潰瘍では重篤な合併症として出血が、十二指腸潰瘍では穿孔(胃に穴があく)が引き起こされることがある。

 

ひどい場合は手術が必要になることもあるので、最近、胃の調子が悪いという場合は速やかに受診して診察を受けるべきである。

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