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アレルギー発症のメカニズムとは?-I型・II型・III型・Ⅳ型・Ⅴ型アレルギーの違い-

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アレルギーと聞くと、「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」を思い浮かべる人が多い。

しかし実はこれら以外にも、多くの種類のアレルギーが存在している。

 

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アレルギーとは

最初にアレルギーとは何か確認しておこう。

簡単に言ってしまうと、アレルギーとは「免疫反応の不具合」である。

 

免疫は細菌・ウィルスから体を守ってくれる重要なものだ。

免疫があるおかげで体に侵入してきた異物が除去され、病気になるのを防ぐことができる。

 

しかしこの免疫機構が、有害物質でないのに「有害な物質である」と間違えて認識し、過剰に攻撃してしまうことがある。

これがアレルギーだ。

つまりアレルギーとは、体を守るはずの免疫が、逆に体を過剰に攻撃してしまう状態なのである。

 

【アレルギーとは】

◆免疫の不具合

 

アレルギーは5種類に分類される

アレルギーは、その発生機序によって5種類に分類されている。

それが「I型アレルギー」、「Ⅱ型アレルギー」、「III型アレルギー」、「Ⅳ型アレルギー」、「Ⅴ型アレルギー」だ。

これらは反応に関与する細胞、症状が現れる時間などによって分類されている。(クームスとゲルの分類)

 

【アレルギの分類】

◆I型アレルギー

◆Ⅱ型アレルギー

◆III型アレルギー

◆Ⅳ型アレルギー

◆Ⅴ型アレルギー

 

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I型アレルギー:即時型

I型アレルギーには花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などが属する。

 

【主なI型アレルギー】

◆花粉症

◆気管支喘息

◆アトピー性皮膚炎

◆蕁麻疹

 

I型アレルギーは即時型アレルギーとも呼ばれ、花粉、ホコリ、ダニなどの抗原(アレルギーの原因物質)に触れてから30分程度で症状が現れることが特徴だ。

より専門的な説明をすると、以下のような機序でI型アレルギーは発生する。

 

【I型アレルギーの発症機序】

1:花粉、ホコリ、ダニなどの抗原が体内に侵入する

2:侵入してきた抗原を対処する物質「IgE抗体」が作られる

3:IgE抗体が、アレルギーの原因物質を放出する肥満細胞にくっつく

4:再び抗原が体内に侵入してくる

5:肥満細胞にくっついているIgE抗体に、侵入してきた抗原が結合する

6:肥満細胞が活性化する

7:アレルギー症状を引き起こすヒスタミンが肥満細胞から放出される

8:アレルギー症状が現れる

 

II型アレルギー:細胞障害型

Ⅱ型アレルギーには再生不良性貧血、突発性血小板紫斑病、重症筋無力症などが属する。

 

【主なⅡ型アレルギー】

◆再生不良性貧血

◆突発性血小板紫斑病

◆重症筋無力症

 

Ⅱ型アレルギーは細胞障害型とも呼ばれている。

なぜかというと、自分の細胞を自ら攻撃し傷つけてしまうタイプのアレルギーだからだ。

 

再生不良性貧血を例にとって説明すると、以下のような機序でⅡ型アレルギーは発症する。

 

【Ⅱ型アレルギーの発症機序】

1:自分の赤血球がアレルギーの原因物質(抗原)として認識されてしまう

2:自分の赤血球に対して、抗体(IgGとIgM)が作られる

3:抗体が赤血球にくっつく

4:免疫システム(補体系)が活性化される

5:赤血球が攻撃される

6:再生不良性貧血の発症

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III型アレルギー:免疫複合型(アルサス型)

III型アレルギーには全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、糸球体腎炎などが属する。

 

【主なIII型アレルギー】

◆全身性エリテマトーデス

◆関節リウマチ

◆糸球体腎炎

 

III型アレルギーは免疫複合体型(アルサス型)とも呼ばれている。

なぜなら抗体や抗原が互いに結合した「免疫複合体」が関与しているアレルギーだからだ。

通常であれば、免疫複合体は貪食細胞(マクロファージなど)によって処理されるので、特に問題とはならない。

 

しかし、免疫複合体の量が多いと貪食細胞が処理しきれないので、余った免疫複合体が組織に沈着してしまう。

そして免疫複合体が沈着した部位で、免疫システム(補体系)が活性化した結果、アレルギー反応が起こり組織が傷つけられてしまうのだ。

 

【III型アレルギーの発症機序】

1:抗原と抗体(IgM・IgG)が結合し、免疫複合体を形成

2:貪食細胞で処理できなかった免疫複合体が組織に沈着

3:免疫複合体の沈着部位で、免疫システム(補体系)が活性化

4:免疫複合体の沈着部位でアレルギー反応・組織障害を起こる

 

Ⅳ型アレルギー:遅延型

Ⅳ型アレルギーには接触性皮膚炎、ツベルクリン反応、臓器移植後の拒絶反応などが属する。

 

【主なⅣ型アレルギー】

◆接触性皮膚炎

◆ツベルクリン反応

◆臓器移植後の拒絶反応

 

Ⅳ型アレルギーは、遅延型アレルギーとも呼ばれている。

これはI〜III型アレルギーと異なり、症状が現れるのが遅いからだ。

通常、症状が現れるまで1〜2日程度かかる。

 

臓器移植後の拒絶反応を例にとって説明すると、Ⅳ型アレルギーの発症機序は以下の通りだ。

 

【Ⅳ型アレルギーの発症機序】

1:移植された臓器を異物と認識する

2:T細胞(免疫に関わる細胞)が、異物を攻撃するマクロファージやキラーT細胞を活性化

3:細胞が障害される

 

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Ⅴ型アレルギー:特殊なII型アレルギー

Ⅴ型アレルギーには甲状腺機能が高まるバセドウ病などが属する。

 

【主なⅤ型アレルギー】

◆バセドウ病

 

Ⅴ型アレルギーは特殊なⅡ型アレルギーと表現されることがある。

何が違うかというと、アレルギーが起こった結果が異なる。

つまり発症機序はⅡ型アレルギーと同じだが、Ⅱ型アレルギーが細胞を壊すのに対し、Ⅴ型アレルギーは細胞は破壊せず機能面だけ異常をきたすのだ。

 

バセドウ病を例にとって説明すると、Ⅴ型アレルギーの発症機序は以下の通りである。

 

【Ⅴ型アレルギーの発症機序】

1:甲状腺ホルモン受容体(TSH受容体)に対する抗体が作られる

2:甲状腺ホルモン受容体に抗体がくっつく

3:甲状腺ホルモン受容体が刺激される

4:甲状腺機能が亢進する(バセドウ病)

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