医薬品の違い・比較

ベイスン、グルコバイ、セイブルの違い・比較

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糖尿病とは血糖値が高い状態が続く病気である。

糖尿病の怖さは「糖尿病神経障害」、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」などの合併症を引き起こすことだ。

これらの合併症を防ぐために、薬を服用し血糖値を適切にコントロールする必要がある。

 

糖尿病治療において重要な薬の1つが、α-グルコシダーゼ阻害薬だ。

そこでこの記事では、α-グルコシダーゼ阻害薬に属するベイスン(成分名:ボグリボース)グルコバイ(成分名:アカルボース)セイブル(成分名:ミグリトール)の違いを比較した。

 

 

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α-アミラーゼ阻害作用の有無の違い

ベイスン(成分名:ボグリボース)、グルコバイ(成分名:アカルボース)、セイブル(成分名:ミグリトール)はα-アミラーゼ阻害作用の有無で分類することができる。

 

炭水化物は吸収されるときに、二糖類に分解される。

この時に関与する酵素がα-アミラーゼだ。

 

α-グルコシダーゼ阻害薬の中で、唯一α-アミラーゼ阻害作用を持つのがグルコバイ(成分名:アカルボース)である。

つまりグルコバイ(成分名:アカルボース)は、二糖類から単糖類へ分解するα-グルコシダーゼ阻害と多糖類から二糖類へ分解するα-アミラーゼ阻害作用を併せ持つということである。

 

一方で、消化されないまま大腸へ運ばれる糖の量が増えることによって、お腹が張る・放屁(おなら)などの副作用が多くなるというデメリットもある。

 

【α-アミラーゼ阻害作用あり】

グルコバイ(成分名:アカルボース)

 

【α-アミラーゼ阻害作用なし】

ベイスン(成分名:ボグリボース)

セイブル(成分名:ミグリトール)

 

重篤な肝機能障害の有無の違い

ベイスン(成分名:ボグリボース)、グルコバイ(成分名:アカルボース)、セイブル(成分名:ミグリトール)は副作用に違いが見られる。

 

まず、「重篤な肝機能障害」の副作用の有無によって分類することができる。

重篤な肝機能障害が報告されている薬剤はベイスン(成分名:ボグリボース)とグルコバイ(成分名:アカルボース)だ。

 

特にグルコバイ(成分名:アカルボース)の添付文書には、投与開始後概ね6ヵ月以内に劇症肝炎等の重篤な肝機能障害があらわれることがあるため、投与開始後6ヵ月までは月1回、その後も定期的に肝機能検査を行うよう記載がされている。

 

一方、セイブル(成分名:ミグリトール)の添付文書には、重篤な肝機能障害に関しての記載はない

 

【重篤な肝機能障害の報告あり】

グルコバイ(成分名:アカルボース)

ベイスン(成分名:ボグリボース)

 

【重篤な肝機能障害の報告なし】

セイブル(成分名:ミグリトール)

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消化器症状の発生頻度の違い

α-グルコシダーゼ阻害薬では、腹部膨満感(お腹の張り)、下痢・軟便などの便通異常、おならなどが副作用として起こりやすい。

これらの消化器症状の副作用の発生頻度に関して、α-グルコシダーゼ阻害薬には違いがある

 

前述の通り、グルコバイ(成分名:アカルボース)は、α-アミラーゼ阻害作用を持つため、消化されないまま大腸へ運ばれる糖の量が増える

これが原因となって腹部膨満感(お腹の張り)、放屁などの副作用が多くなると言われている。

 

セイブル(成分名:ミグリトール)はラクターゼ阻害作用を持つため、消化吸収されない乳糖が増加する傾向がある。

その結果、未消化の乳糖が腸内細菌によって発酵するので、腹部膨満感(お腹の張り)を感じやすくなる。

また消化吸収されない乳糖によって下痢を引き起こしやすくなるのも、セイブル(成分名:ミグリトール)の特徴である。

 

一方ベイスン(成分名:ボグリボース)は、セイブル(成分名:ミグリトール)やグルコバイ(成分名:アカルボース)に比べて消化器症状の副作用が少ない

添付文書上では下痢が4.0%、放屁増加が4.0%、腹部膨満が3.5%の発生頻度となっている。

 

【消化器症状の発生頻度】

ベイスン(成分名:ボグリボース)

下痢(4.0%)、腹部膨満(3.5%)、放屁増加(4.0%)

 

グルコバイ(成分名:アカルボース)

腹部膨満・鼓腸(13.27%)放屁増加(15.78%),下痢(0.1~5%未満)

 

セイブル(成分名:ミグリトール)

下痢188例(18.3%)、腹部膨満153例(14.9%)、放屁増加(記載なし)

*添付文書参照

 

血糖降下作用の違い

ベイスン(成分名:ボグリボース)、グルコバイ(成分名:アカルボース)、セイブル(成分名:ミグリトール)は血糖降下作用に違いがみられる。

 

食後2時間の血糖値を抑えるのがベイスン(成分名:ボグリボース)、グルコバイ(成分名:アカルボース)である

この2剤を比べると、食後2時間の血糖値を抑える作用はグルコバイ(成分名:アカルボース)の方が強い。

 

一方、セイブル(成分名:ミグリトール)は食後1時間の血糖値を抑える作用が最も強い

つまり、他のα-グルコシダーゼ阻害薬より速効性に優れていると言える。

 

【食後2時間の血糖値を抑える】

ベイスン(成分名:ボグリボース)

グルコバイ(成分名:アカルボース)

*強さはグルコバイ(成分名:アカルボース)の方が強い

 

【食後1時間の血糖値を抑える】

セイブル(成分名:ミグリトール)

 

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