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薬剤師は人工知能(AI)に置き換わるのか

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Googleが開発した囲碁AI(人工知能)の「AlphaGo」が、世界的なトッププロのイ・セドル9段に4勝1敗で勝利したことが話題になっている。

 

囲碁は将棋に比べて盤面が広く、対局展開が膨大な数にのぼるということもあり、最先端のAIであってもプロ棋士に勝利することは難しいとされていた。

 

しかし今回AlphaGoがプロ棋士に勝利したことより、この常識があっけなく覆されたため、業界内では大きな衝撃だったようだ。

 

このように急速に発達してきた人工知能(AI)だが、人工知能に関する最も大きな関心の1つは「人工知能(AI)はヒトの仕事を奪うのか」というものだろう。

 

例えば、Googleの自動運転車がタクシーやトラックの運転手の仕事を奪うのではないかと、すでに話題になっている。

 

では薬剤師の仕事は、人工知能に奪われることがあるのだろうか?

この記事では、薬剤師の仕事が人工知能に奪われるかの考察や、これからのキャリア形成についてまとめた。

 

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人工知能(AI)とは何か

 

現在の人工知能は「機械学習」という技術がベースとなっている。

 

▼機械学習とは

これは何かというと、「ビッグデータをコンピュータが解析することにより、そこから一定の規則性や法則性、類似性を導き出す技術」のことを指す。

 

より分かりやすく言うと、「言葉を聞き分ける」ことや「人の顔を見分ける」といったヒトの知能を、コンピュータが得意な数学的アプローチへすり替える方法だ。

 

▼機械学習の例

身近な例としては、Amazonが分かりやすい。

Amazonでショッピングした経験のある人なら分かると思うが、Amazonでは「あなたにお勧めの商品はこれです」と購入履歴をもとに提案してくることがある。

 

これが機械学習の一種だ。

実は商品をお勧めするレコメンド機能は、手動でプログラムが組まれているわけではない。

機械があなたの好みを学習して、商品を勧めているのである。

 

他にもFacebookの顔を自動認識してタグづけする機能も機械学習の一種だし、Googleの自動運転車も機械学習の技術が用いられている。

 

このように、いまや人工知能の技術は、とても身近なものとなっているのだ。

 

人工知能に置き換わりにくい仕事とは

 

では、いったいどのような仕事が人工知能に置き換わりにくいのだろうか。

「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」という本によると、専門家の間ではロボットが苦手な仕事の分野は、以下の2つに分類できると言われてきたようだ。

 

1. 高度な創造性と社会的知性を必要とする職業

◆創造的な仕事

⇒新しいビジネスを生み出す起業家

 

◆高度なコミュニケーション能力を要する仕事

⇒マーケティング・マネジャー

 

◆芸術的な仕事

⇒小説家、映画のプロデュース

 

2. 非定型的な仕事

非定型的な仕事とは、対象とする人やモノに対する注意深い観察や器用な手先の動きが必要な仕事のことを指す。

 

【非定型的な仕事の例】

◆庭師

◆理髪業

◆介護ヘルパー等

 

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クリエイティブな仕事もAIができるようになりつつある

 

上記に該当しない仕事、例えば「銀行の窓口係」や「オフィスでの単純な事務処理」などは比較的早い段階でロボットに仕事が奪われていくという予測が今までは一般的だった。

しかし現在では、状況が大きく変わった。

 

▼非定型的な仕事も人工知能(AI)はできるようになってきた

奪われにくいと考えられていた「非定型的な仕事」に関しても、機械学習とテクノロジーの急速な発達により、人工知能を搭載したロボットに遅かれ早かれ奪われる可能性が高いということが「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」では紹介されている。

 

さらには、最も仕事が奪われにくいとされていた「高度な創造性と社会的知性をを必要とする職業」に関しても、近年では「奪われない」と必ずしも言えなくなってきたようだ。

 

▼作曲する人工知能(AI)の出現

その例として「エミー」という作曲する人工知能が挙げられている。

あるイベントでクラシック音楽の聞き比べが開催された。

そのイベントでは、聴衆300人が3つのピアノ協奏曲を聞き比べた。

 

一曲は「バッハが作曲したもの」、もう一曲は「音楽理論を教えているスティーブ・ラーソン氏が作曲たもの」、そしてもう一曲が「エミーが作曲したもの」である。

 

この3つの曲を聞き比べた聴衆が、どれが誰の作品であるかを投票した。

その結果がとても衝撃的なものだったのだ。

なんと、聴衆の多くが人工知能エミーが作曲したものをバッハの曲だと判定したのである。

 

このように、人工知能が「創造性」も併せ持つようになってきたため、ロボットには奪われにくいと考えられていた創造性のある仕事でさえ、奪われないとは必ずしも言えなくなってきたのだ。

 

薬剤師の将来

 

 

イギリスのオックスフォード大学が発表した"The Future of Employment"という有名な論文がある。

The Future of Employment”の特筆すべきポイントは、今後、人工知能を搭載したコンピュータやロボットに奪われる可能性のある職種を定量的に割り出していることだ。

 

▼人工知能(AI)に奪われやすい職業とは

この論文によると、現存する職種の47%が人工知能(AI)によって奪われるようである。

(ちなみにイギリスの論文なのだが、なぜか調査対象はアメリカ)

 

具体的には、10-20年以内にコンピュータまたはロボットに奪われない可能性の高い職種の代表例としては医者、ファッションデザイナー、作家、旅行ガイドが、逆に奪われる可能性が高い職種としては小売店のレジ係、タクシー運転手、料理人が挙げられている。

 

▼薬剤師は人工知能(AI)に仕事を奪われる?

では、薬剤師が人工知能に奪われる可能性はどれくらいなのだろうか。

この論文によれば薬剤師が今後10-20年で仕事を奪われる可能性は1.2%となっている。

 

こうみると、薬剤師が仕事を奪われるのは、かなり先のように思われる。

だたこれで安心して良いかといったら、そうではないと僕は考えている。

 

なぜかというと、これはあくまでもアメリカの薬剤師の話であって、日本の薬剤師の話ではないからだ。

「アメリカの薬剤師が仕事を奪われないなら、日本の薬剤師も大丈夫」という単純な話ではないのである。

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薬剤師は人工知能に仕事を奪われるのか

 

では日本の薬剤師の仕事は、人工知能(AI)に奪われるのだろうか。

結論から言うと、「奪われる仕事」と「奪われにくい仕事」に分類できると僕は考えている。

 

僕が思うに、人工知能に仕事が奪われやすいか・奪われにくいかは「生産性の違い」によってもたらされる。

 

▼奪われる仕事

例えば「調剤」を例に考えてみよう。

「調剤棚から薬を出す」という行為を、人工知能とヒト、どちらが正確に行えるだろうか。

 

ヒトは必ずミスをするので、これは明らかに人工知能に軍配が上がるはずだ。

Amazonの倉庫が、ヒトからロボットへ置き換えている話は非常に有名だが、ピッキングの正確性はヒトでは太刀打ちでないのは明白だろう。

 

また「鑑査」に関しても同じようなことが言える。

鑑査は、ザックリ言うと「間違い探し」だ。

 

この間違い探しは、「どれだけ知識があるか」と「どれだけ集中力があるか」が、非常に重要になってくる。

知識の多さで、ヒトがコンピュータに勝てるわけがないのは、誰もが直感的に分かるだろう。

 

集中力に関してもそうだ。

ヒトの集中力は途切れるものだが、コンピュータの集中力がなくなるということはない。

(というか集中力という概念がない)

 

このように考えると「調剤」や「鑑査」の生産性は、圧倒的に人工知能の方が優れている。

そのため、これらの仕事は、薬剤師の中でも特に人工知能に置きかわりやすい仕事と言えるだろう。

 

▼奪われにくい仕事

では、奪われにくい仕事とは何だろうか。

僕が考えているのは「コミュニケーション力を必要とする仕事」だ。

 

なぜかというと「コミュニケーション能力」に関しては、人工知能とヒトで生産性にあまり差がないからだ。

 

ドラえもんのようなロボットが発明されるなら話は別だが、タクシーの運転手すら人工知能に変わっていないのだから、ドラえもんが発明されるのはまだまだ先の話だろう。

 

日本の超高齢化社会のことを考えると、特に「在宅医療」の経験の豊富な薬剤師は、これからどんどん需要が増すだろう。

なぜなら病院が増えるスピードよりも、高齢者の増えるスピードの方が明らかに早いからだ。

 

病院で受け入れることのできない患者が増えるため、家で治療を受けざるを得ない人が増えていくことが予想される。

 

もし「調剤」や「鑑査」しか今の職場でやっていないのであれば、在宅医療を経験できる環境に変えるというのは、個人的にかなり良い選択肢のように思う。

 

実をいうと、僕も在宅医療がやりたくて転職してたりする。

調剤や鑑査と違いルーティンワークになりにくいため、専門性を活かすという意味でも結構オススメだ。

 

さらに言えば、宅医療の経験がないとこれからは損する時代になることが予想される。

最近では在宅医療に特化した職場も増えているので、環境を変えるなら今がチャンスだろう。

 

今後のキャリア形成はどうするべきか

 

実はこのサイトには「薬剤師 将来性」というキーワードでの訪問がかなり多い。

おそらく将来に漠然とした不安を抱えているのだと思う。

 

薬剤師に限らず今20代、30代の人が、1つの仕事(専門性)で人生を終えるのは難しい

今までの歴史を振り返っても、産業革命などを通して多くの仕事が消えていった。

 

そう考えると、自分が今やっている仕事が必要とされなくなることは十分にありうる。

では、これからはどのようなキャリア形成をすれば良いのだろうか。

 

そこで最後に、そんな薬剤師向けにオススメのキャリア形成を紹介しておきたい。

僕が以下の2つのどちらか、またはどちらもやることをオススメしている。

 

▼副業する

僕は収入源を分散させることが1番良い解決策ではないかと考えている。

つまり薬剤師をやりつつ、違う仕事からの収入も得ることにより、リスクヘッジするのだ。

 

収入源を分散させることができれば、例え1つの仕事がなくなったとしても精神的なダメージを少なくできる

(今まで自分が知らなかった世界のことを知れるので、こういった働き方は刺激的で楽しい)

 

ただこれにも問題があって、今の日本では副業を禁止している会社がとても多い。

つまり、現在所属している会社が副業を禁止している場合は、この方法を実践するハードルが少し高くなってしまうのだ。

 

実は僕も前の会社が副業禁止だったので、副業を認めている今の職場に転職したという経緯がある。(ただ僕はリスクヘッジ目的ではなく、留学する予定だったのと、仕事が薬剤師だけなのは退屈なので、違う仕事も並行してやりたかったため転職した)

 

副業禁止になっていないなら問題ないが、副業禁止の職場に勤めている場合、少しハードルの高い解決策となってしまう。

 

しかし個人的にはとても現実的かつ効果的な解決策だと思うので、1つの方法として参考にしてほしい。

 

ちなみにココナラというサイトを利用すると、自分の特技を売ることが可能だ。

例えば「イラスト」や「占い」、「美容・ファッションの相談」など様々な特技を売れる。

 

副業にはもってこいないので、興味があればチェックしてほしい。
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▼在宅医療に従事する

「副業は少しハードルが高い」と感じるなら、在宅医療をやるのオススメだ。

先ほども書いたように、在宅医療は薬剤師の仕事の中でも特にAIに奪われにくいと考えられる。

 

さらに言うと、超高齢化社会に突入しつつある日本では、これからどんどん需要が増していく分野なので、宅医療の経験がないとこれからは損する時代になることが予想される。

 

仮に今の職場では在宅医療ができないというなら、思い切って転職するのもアリだろう。

その場合は、副業OKかつ在宅の経験を積める職場を個人的にはオススメしたい。

 

または病院も、人工知能に奪われにくい非定型の仕事が多いので、病院で働くのも選択肢として良いと思う。

 

▼オススメの薬剤師転職サイト

大手の薬剤師転職サイトとしては、以下の3つがある。

在宅や副業OKの会社に興味があるなら、まずは色んな会社をチェックするのがオススメだ。

 

薬剤師転職サイトに登録すれば、コンサルタントが無料で相談にのってくれるので、興味があればチェックしてみてほしい。

 

【ファルマスタッフ】

転職案件が豊富。

転職のミスマッチ防止へ非常に力を入れていることが特徴。

転職失敗は絶対に避けたい場合は、まずはここに登録しよう。

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【リクナビ薬剤師】

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【マイナビ薬剤師】 

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転職希望者との面談に力を入れているので、転職に不慣れな人向け

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それぞれのサイトで取り扱っている求人は異なる。

そのため、基本的には全てのサイトに登録して、転職先を絞っていくのがオススメだ。

 

全ての転職サイトに登録するのが面倒な場合。

その場合は、ファルスタッフに登録しておくのがオススメである。

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ちなみに登録したら絶対に転職しなければいけないという訳ではなく、「良い求人があったら連絡してほしい」という使い方も可能だ。

 

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まとめ

人工知能と仕事の関係は、正直に言って、なかなか難しい問題だ。

専門家の中でも意見が大きく分かれている。

 

ただし「仕事を奪われたらどうしよう」と考えるのではなく、「どうやって変化に対応していこう」と考える方が生産的なのは間違いない。

今のうちから、変化を前向きに捉えて仕事をするのが1番良い解決策だろう。


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