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現役薬剤師が考える薬剤師の将来性

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世間的に薬剤師は、とても安定している職業で、将来に渡ってご飯を食べられなくなることはないと思われているようだ。

 

薬学部の志願者は、四年制から六年制教育に移行したこともあり、一時期は減少していた。

しかし「安定しているというイメージ」から、薬学部の志願者は再び増加傾向にある。

参照:「薬科大学 4年連続で志願者増」平均倍率が10倍超える

 

安定しているイメージの強い薬剤師だが、果たしてこの安定は、これからも続くのだろうか。

結論から言うと、僕は薬剤師として働いているが、正直、安定しているとは、全く思っていない。

 

そこでこの記事では、現役薬剤師である僕が考える「薬剤師の将来性」についてまとめた。

 

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薬剤師の将来は規制次第

薬剤師の将来は「規制次第」と僕は考えている。

 

例えば社会的地位の高い職業の1つに弁護士がある。

弁護士はご存知の通り、国家資格が必要になる職業だが、国家試験の合格率を上げるというルール変更によって、就職難になってしまった職業の1つだ。

このような事例を考えると、薬剤師を守るルールがなくなったとしても、全く不思議ではない。

 

実際に薬剤師として働き始めて思ったことのだが、薬剤師は規制に固く守られているように思う。

その規制のおかげで、薬剤師は仕事に困らない状態だ。

例えば以下のような規制がある。

 

第一類医薬品の販売規制

1つ目が「第一類医薬品の販売規制」だ。

第一類医薬品とは、簡単に言ってしまうと、今まで処方箋が必要だった薬を、処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入可能になったものだ。

第一類医薬品の販売は、薬剤師が対面で薬について説明しなければならないという規制がある。

 

僕はこの前ある某大手ドラッグストアで、薬剤師が第一類医薬品を販売している光景をたまたま見かけた。

しかし、その薬剤師はたしかに対面で販売はしていたが、説明をすることもなく、ただ手渡しをしているだけだった。

 

たぶんあの様子だと、普段から説明もせずに手渡しをしているだけなのだろう。

また第一類医薬品の購入希望者も「説明は要らない」と言う人は実際かなり多い。

 

このように薬を使う人も説明が不要だと思っている人は多いし、薬剤師の中にも第一類医薬品の販売時に説明は不要だと思っている人が少なからずいるのだと思う。

 

この規制は果たしてどれくらいの効果があるのか、正直に言って疑問だ。

説明を詳しく聞きたい人だけ薬剤師に相談し、それ以外の人は自由に買えても問題ないのではないかと思ってしまう。

この規制は薬剤師の雇用を生み出す以外に、何か大きな意味があるのだろうか

 

調剤は薬剤師がしなければならない

欧米では「テクニシャン制度」が導入されており、テクニシャンと呼ばれる調剤技師が調剤することが一般的だ。

しかし日本では規制により、調剤は薬剤師がしなけれなならないことになっている。

 

もしテクニシャン制度が日本でも導入されたらどうだろう。

調剤をテクニシャンがやることになると、薬剤師は調剤をしなくても良くなるので、調剤や監査をメインの仕事としてやってきた薬剤師の働き口は減っていくことになるはずだ。

 

そうなると、薬剤師の仕事はより専門性が求められる「在宅医療」へと重点がシフトしていくので、ブランクがあったり知識のアップデートをしていない薬剤師が職を得るのは、かなりハードになってしまう可能性もある。

 

人口知能の発達により仕事がなくなる?

薬剤師が人工知能にとって替わられることにより、仕事が少なくなる可能性だってある。

僕も「本当にそんなことあるのかよ」と最近まで思っていたのだけれど、今は「もしかしたらあるかもなぁ」と考え始めている。

 

少し前のことを思い出して欲しい。

今でこそスマートフォンの存在は当たり前になったが、ちょっと前まではスマホではなくガラケーが一般的だった。

つい最近まで、外出先で快適かつ手軽にインターネットができるなんてあり得なかったのだ。

 

たった数年で、これだけ劇的な変化があるというのに、なぜ薬剤師はテクノロジーに置き換わらないなんて思えるのだろう。

テクノロジーは指数関数的に発達する。

つまり、次の10年ではこれ以上の大きな変化が起こりうるのだ。

 

今の薬剤師の仕事が今後、人工知能に置き換わっても不思議ではないだろう。

ちなみにGoogleのCEOラリー・ペイジはこんなことを言っている。

英語が読めるなら参照記事を読んでみると面白いと思う。

「20年後、あなたが望もうが、望むまいが現在の仕事のほとんどが機械によって代行される。」

参照:ファイナンシャル・タイム

 

ちなみに薬剤師はロボットなどには置き換わらないという意見もある。

カナダのサイトなので英語で書かれているけど、この記事を書いた人はヘルスケアを提供する役割として、より薬剤師の存在感が増すと考えているようだ。

参照:Pharmacist CST Careers 2030

 

まぁ、日本の薬剤師制度とカナダの薬剤師制度は異なるはずなので、日本の薬剤師にも同じことが言えると僕は思わないが。

 

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調剤・鑑査の機械化

GoogleのCEOラリー・ペイジが指摘するように仕事が機械化されるとしたら、薬剤師の仕事では計数調剤や鑑査がまず最初に機械されるのではないかと思う。

現段階でロボットが得意とする仕事は、いわゆるルーチンワークだからだ。

 

実際にアメリカでは、積極的に調剤ロボットが導入されているようだ。

おそらく鑑査も近い将来、ロボットで代替えされることになるだろう。

(僕はそもそも鑑査を人間がやるのは危ないと考えている)

 

さきほども書いたように、法律の改正によりテクニシャンが導入されてしまえば、調剤ロボットが本格的に使われる前に、薬剤師が調剤に関与しなくなるかもしれない。

調剤や鑑査しかしてこなかった薬剤師は、残念ながらこれから仕事がどんどん少なくなっていくだろう

機械に奪われにくい薬剤師の仕事

ここまで読み進めて、ブルーな気持ちになってしまった人もいるかもしれない。

しかし僕は、薬剤師の仕事でも機械に奪われにくい分野はあると考えている。

それが「在宅医療」の分野だ。

 

では、なぜ在宅医療は機械に奪われにくいのだろうか。

それは機械が得意とする仕事について考えればすぐに分かる。

 

先程も書いたように、ロボットが得意なのは調剤や鑑査などのルーチンワークだ。

これは裏を返せば、ロボットは「考えること」や「コミュケーション」の必要な仕事が得意でないということである。(あくまでも現時点の話だが)

 

在宅医療では、まさに「考えること」と「コミュニケーション」が必要である。

調剤は棚から薬を取り出したり、力価計算するだけだし、鑑査はどれだけ薬について覚えているかにかかっている。

これらの分野はコンピュータの生産性の方が、ヒトよりも圧倒的に高い。

 

一方で在宅医療の場合は違う。

患者によって抱えている問題は様々で、それらを解決するために、1人1人カスタマイズされた解決策を考えなければならない。

 

コンプライアンスに問題があるなら、いかに薬を適切に服用できるかを考えなければならない。

睡眠薬を服用している高齢患者では、転倒してしまうことが少なくないので「朝、頭がボーッとする」などの訴えがあれば、医師に副作用の可能性を報告する必要がある。

 

言い換えれば、在宅医療に関しては、コンピュータとヒトの生産性を比べた時に、そこまで大差がないのだ。

ロボットの生産性が圧倒的に高いものから、ロボットへ仕事が置き換わるので、在宅の分野はなかなか置き換わらないだろう。

 

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在宅医療は将来性がある

在宅医療は、調剤や鑑査と違いってロボットでは代替しにくい。

その上、超高齢社会の日本では、病院の数が足りなくなる可能性が指摘されているので、在宅医療の需要が急激に伸びる可能性が高い。

 

もしかしたら在宅医療の経験がないと、薬剤師として働く上でこれから不利なる可能性もある。

というか、何よりも在宅医療はルーチンワークになりにくく、調剤や鑑査に比べて仕事がとても楽しい

薬剤師の仕事がつまらないと思っている人にも、個人的にはとてもお勧めしたい仕事だ。

 

環境を変えるのもアリ

もし在宅医療を経験できない環境にあるのなら、転職するのはアリだと思う。

実は僕も在宅医療を経験するために転職している。

結果、専門性も磨けることになったので、今回の転職にはおおむね満足している。

 

在宅医療に特化した薬局なども増えてきたので、在宅医療に挑戦するのなら今は大きなチャンスとなっている。

もしちょっとでも興味があるのなら、薬剤師転職サイトのコンサルタントに相談してみるのもアリだろう。

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まとめ

薬剤師の調剤や鑑査といった仕事は、いずれロボットがやることになる可能性が高い。

そのため、もし調剤や鑑査が仕事のメインとなっている場合は、ロボットによって代替えしにくい「在宅医療」の経験を早めに積むのがオススメだ。

 

仕事が奪われるという問題以前に、調剤や鑑査よりも在宅医療の方が楽しいので、「仕事を楽しむ」という意味でも在宅医療の経験は個人的にお勧めだ。

 

今の会社で在宅医療を経験できないようなら、薬剤師転職サイトのスタッフに相談してみるのもありだろう。

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ちなみに登録したら絶対に転職しなければいけないという訳ではなく、「良い求人があったら連絡してほしい」というカジュアルな使い方も可能となっている。

例えば「在宅医療を経験できる求人がでたらメールで知らせてほしい」と伝えておけば、定期的に連絡をもらえるので、とりあえず登録だけしておくと何かと便利だ。

 

将来を悲観的に考えても仕方がないので、前向きに考えましょう。

では。

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