人生観

「偏差値の低い薬学部へ進学するのはアリか」への回答

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こんな相談メールをもらった。

 

 

字が小さくて読みづらいかもしれないので再掲。

 

はじめまして。

私は薬学部への進学を考えている高校1年生です。

 

ただ、私は頭が良くないです。

資格さえ取れれば、偏差値の低い薬学部でも大丈夫かなと思っているのですが、実際どうですか?

 

偏差値の高い薬学部を目指すべきでスカ?

突然すいません。

 

偏差値ネタは炎上しやすいので、正直ネット上ではあまり取り上げたくないのだけど、高校生がわざわざメールを送ってきてくれたので真面目に回答しようと思う。

 

 

はじめに断っておくと、僕は偏差値が高めの薬学部を卒業しているので、多少バイアスがかかっていると思う。

 

バイアスがかかっているということを考慮し、オープンキャンパスに訪れて先輩たちの様子をチェックした上で、自分はどうするかを考えてみてほしい。

 

では本題へ。

 

*前も書いたんだけど、メールアドレスは仕事用に載せているので、相談メールは送らないようにお願いします

 

 

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偏差値の低い薬学部に進学するのはアリ

偏差値の低い薬学部に進学するのはアリ

 

まずは1つ目の質問「偏差値の低い薬学部でも大丈夫か?」について。

 

結論から言うと、偏差値の低い薬学部に進学するのは選択肢としてはアリだと思う。

 

薬剤師になった後は学歴よりも経験が重視される

なぜ僕が偏差値の低い薬学部に進学するのはアリだと考えているかというと、薬剤師になった後は学歴よりも経験が大事だからだ。

 

少し想像してみてほしいのだけど、病院でお医者さんの学歴を気にするだろうか?

たぶん、ほとんど気にしないと思う。

 

どちらかと言うと、「見た目が若いから経験が浅そうで心配」と感じる人の方が多いはずだ。

 

実際、薬剤師の転職市場においては「偏差値の低い薬学部出身だけど薬剤師としての経験が豊富な人」と「偏差値の高い薬学部出身だけど経験の浅い人」を比較した場合、前者の方が採用される可能性は高い。

 

なので、薬剤師免許を取って薬剤師として働くことが目標なのであれば、偏差値の低い薬学部に進学するのは選択肢の1つとして良いと思う。

 

薬剤師として働いていて学歴の話になることがあまりない

薬剤師になってから「出身大学どこ?」と僕はあまり聞かれたことがないし、そもそも「あいつは偏差値が低い薬学部を出てるから使えない」みたいな悪口は聞いたことがない。

 

今回の質問を受けて、「そういえば今まで一緒に働いてきた薬剤師の出身大学、ほとんど知らないな」と思ったくらいだ。

 

なので、薬剤師の学歴を気にしている人はあまりいないように思う。

 

それよりも、「普段からちゃんと勉強して知識のアップデートをしているか」や「仕事ができるか」の方がよっぽど重要である。

 

偏差値の高い薬学部出身でも、普段から勉強していないとポンコツ薬剤師になってしまう。

 

なので、薬剤師として働きたいというだけなら、偏差値の低い薬学部でも全く問題ない。

 

 

偏差値の低い薬学部のデメリットは何か

 

では、偏差値の低い薬学部に進学するデメリットは何だろうか。

質問者さんのように「薬剤師免許を取りたい」というだけなら、おそらくデメリットはほとんどないと思う。

 

考えられるデメリットは、以下の2つくらいじゃないだろうか。

 

【デメリット】

  • 留年率が高い
  • 学歴コンプレックスに悩まされる可能性がある

 

デメリット1:偏差値の低い薬学部は留年率が高い

まず、偏差値の低い薬学部の留年率は高い傾向がある。

 

偏差値の低い薬学部は、入学するのは簡単だけど卒業するのは難しい

 

なぜかというと、入学時の偏差値が低い学生全員に、そのまま薬剤師国家試験を受けさせると合格率が下がってしまうためである。

 

大学のブランディング的に、薬剤師国家試験の合格率が低いのは、あまりよろしくないのだ。

 

そのため、見かけの合格率を少しでも上げるために、受かる見込みがなさそうな学生は留年させられてしまう

 

ぶっちゃけ、ストレートで卒業するには、かなりの努力を要すると思う。

 

僕の友人にも偏差値の低い薬学部出身の人がいるけど、彼の大学ではストレートで卒業できた学生は全体の50%くらいらしい。(うろ覚えだけど)

 

デメリット2:学歴コンプレックスに悩む可能性がある

偏差値の低い薬学部に進学した後、学歴コンプレックスに悩まされる可能性はある気がする。

 

この記事を書くにあたり、以下のようなツイートをした。

 

 

そしたら色々と反応があったのだけど、実務実習中に薬学生の親から「偏差値の低い薬学部出身の指導薬剤師をつけるとはなにごとだ!」とクレームが入ったという話があった。(追記:その結果、実務実習は中止になったとのこと)

 

繰り返しになるが、仕事をする上では学歴は全く関係ない。

けど、ふとした瞬間に自分の学歴で落ち込むことがあるかもしれない。

 

これは完全にプライドの問題だ。

なので、自分自身で判断するしかない。

 

「偏差値の低い薬学部に通っている私」を受け入れられるか考慮した上で、進路を決めるようにしてほしい。

 

 

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偏差値の高い薬学部を目指した方が良い

 

2つ目の質問「偏差値の高い薬学部を目指すべきか?」だけど、質問者さんはまだ高校1年生ということなので、とりあえず偏差値の高い薬学部を目指した方が良いんじゃないかと思う。

 

というか、高校1年生の時点で上位校を選択肢から除外してしまうのはもったいない気がする。

 

優秀な人が集まる環境で勉強できるのは大きな財産となる

なぜ偏差値の高い薬学部を目指すことをオススメするかというと、偏差値の高い薬学部には優秀な人が集まるからだ。

 

優秀な人と関わるメリットは「周りに引っ張られて自分のレベルも上がりやすくなる」というところにある

 

周りが優秀で自分の無力感を感じたりすることもあるだろうけど、「周りが優秀だから、ちゃんとついていけるように頑張ろう」と自然と意識づけできるのは大きな利点だと思う。

 

さらに言うと、僕の経験上、優秀な人は人間的にも面白いことが多い。(もちろん嫌なやつもクズもいる)

 

同じ6年間を過ごすのなら、面白くて優秀な友人たちと過ごしたいと思わないだろうか?

 

もちろん、「偏差値が低くても優秀な人はいる」という批判もあるとは思う。

それはその通りだ。

 

けど、優秀な人の数を単純に比較した場合、偏差値の高い薬学部の方が数は多いと思う。

 

大学で出会う優秀な友達は、あなたの人生を確実に豊かにしてくれる。

それくらい優秀な友達というのは、あなたの人生に大きなインパクトを与えてくれるものなのだ。

 

学歴フィルターがあるのは優秀な人を効率よく採用するため

薬学生の就活の話ではないのだが、少し前に帝京大学の学生が就活の説明会にエントリーしようとしたら満席と表示され、早稲田大学と入力し直したら空席と表示されたという事件があった。

>> 就活のエントリーで帝京大生が早稲田に変えた途端に空席が発生

 

なぜ学歴フィルターはあるのか。

それは「学歴のある人の方が優秀である可能性が高い」という経験則があるからに他ならない。

 

繰り返しになるが、偏差値でちゃんと優秀さを測れるかと言われると、たしかにそれは難しいと思う。

 

実際、偏差値の低い大学出身でも優秀な人はいる。

 

けど、偏差値の高い大学に合格したという事実は、少なくとも「努力して結果を出せるポテンシャルのある人間だ」という客観的な証明になるのだ。

 

偏差値の低い大学だと、大学名で「努力して結果を出せる」という他者へのシグナリングができない。

 

「TOEIC900点持ってます」とか「インターンで〇〇という会社で働いて、こんな事業に携わっていました」みたいな"特別な何か"がないと、自分に興味を持ってもらうのは難しいのである。

 

偏差値の低い薬学部への進学を考えるのはまだ早い

高校1年生の段階で、偏差値の低い薬学部への進学を考えるのはまだ早い。

 

高い学費を払うのであれば、偏差値の高い薬学部を狙っておいた方がトータルではお得だと思う。

 

高校1年生で「偏差値の低い薬学部でいいや〜」と決めてしまうのはもったいないので、今の段階では「特待生をもらえるなら偏差値の低い薬学部に進学する」くらいのスタンスが良いのではないだろうか。

 

特待生として入学するのであれば、私立だと1200万円くらい得することになるので、偏差値が低い薬学部に通うメリットはかなり大きい。

 

けど、入学後の成績が悪いと、学費が免除でなくなる可能性があるので、そこだけは頭の隅に置いておこう。

 

入学時は特待生であっても入学後に怠けては意味がないのである。

 

 

まとめ

この記事をまとめると、偏差値の低い薬学部に進学するのは選択肢としてはアリだと思う。

 

けど、高校1年生の時点では、まだ努力する余地がかなり残っているので、できるだけ偏差値の高い薬学部を目指した方が良い気がする。

 

偏差値の高い薬学部への進学は、優秀で面白い友達を作れるチャンスだからだ。

 

高校1年生の時点で、その機会を逃してしまうのはもったいないように思う。

 

参考になれば嬉しい。

では。

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